伝統水路の復旧支援

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キリマンジャロ山に暮らすチャガ民族は、その歴史数百年ともいわれる伝統水路を尾根に網の目のように張り巡らし、高度に調整された水管理の仕組みとともに、彼らの生活基盤である農業を支えてきました。

しかし近年の降雨不足(この100年間で約30%減)は、伝統水路の水源である泉の枯渇や流量低下、さらに政府の敷設した給水パイプラインに水源の水を回してしまったことなどから、使用できなくなる或いは管理放棄されてしまう伝統水路が数多く発生する状況となっています。

しかし降雨の減少は伝統水路からの水供給なしに、これまでのような作物の生産性を維持することを困難としており、その重要性が再認識されるようになっています。私たちが植林協力を行っているキリマンジャロ東南山麓にあるキディア村も、そんな村の一つです。この村の主力水路の一つであったキディア水路は、尾根の森林が失われたことから土砂崩れが発生し、埋没、寸断し、使用できなくなってしまいました。

 

土砂崩れで埋まった水路を掘り起こしている現場

土砂崩れで埋まった水路を掘り起こしている現場

 

私たちは村からの強い要請を受け、その復旧を支援することにしました。水路の総延長は約2km。120世帯、720名の村人たちがこの水路の水を使っています。昨年10月から復旧のための工事をはじめましたが、予想以上に損壊が激しく、手間取っています。掘り起こしは一通り完了しましたが、いまも土砂流入が続いています。崖際を流れている部分については、コンクリで固め、また流量確保のためにあらたな小規模ダムの設置が必要になっています。

3月までには流路確保を完了させたい考えでですが、小規模ダムの設置は4月に本格化する大雨期前に着手するのは難しく、今夏以降になる予定です。

 

一部復旧が完了した区間に水を流す試験をしているところ

一部復旧が完了した区間に水を流す試験をしているところ

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