村の伝統的な生活文化の継承に向けて

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キリマンジャロ山に暮らしているチャガ民族。彼らはアグロフォレストリーを組み込んだ”Kihamba”と呼ばれる独自の土地集約的な農法に、ゼログレイジングによる家畜飼育と、森林に由来する水資源を利用した精緻な伝統灌漑水路を組み合わせることで、持続的で安定した農業生産を実現してきた。

 

しかし人口の増加やチャガ民族の男子均等相続を基本とする土地相続制度などと相まって、この農耕システムの限界も露呈してきている。近年ではこれにさらに水源となっている森林の劣化、破壊が加わり、森と共存してきたこのシステムそのものが危機にさらされている。

 

そこで私たちは、多くの村人たちが自分たちの先祖が長い時間をかけて築いてきた伝統的な生活スタイル、農耕文化、システムを分かりやすく伝えていくための取り組みを始めている。その一環として、これまでにワークキャンプを利用した「チャガ民族の歴史と知恵を訪ねる山歩き」による生活文化の掘り起こしを行ってきたが、今回さらにチャガ民族の歴史やかつての暮らしぶりを伝える小ミュージアムに、村の長老と若者を案内した。

 

チャガ民族博物館で説明を受ける村人たち

 

ポレポレクラブでは今後、村の子どもたちにかつての暮らしや、その背後にある昔ながらの知恵や自然と繋がりを理解できるようなプログラムを作っていくことを考えている。それを私たちからではなく、村の大人たちから上手く伝えていくための方法を検討している。

 

今回ミュージアムに案内したのは、そこで「何を」、「どのように」伝えているのか、訴求点や話し方の工夫といった点も含めて、学んで貰う貴会として貰うためである。

 

今後もなるべくこうした機会を積極的に設けていき、自分たちの村の中で次代に継承していくべきもの、それを如何に伝えていくかといったことを、村人たち自身の中で探り、深めていけるようにしたいと思っている

 

 

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