1.グループ積み立て
各苗畑グループの自己資金は、主に苗木販売による収入に頼っている。しかし市場アクセスの悪いグループは苗木販売にも限界があること、また比較的コンスタントに苗木販売ができるグループでも、販売収入をグループ内で配分してしまうことから、なかなかグループの自立に結びつかない現実があった。
そこで2007年度は、初めての試みとしてグループ内積み立ての実施に踏み切った。これはグループのメンバーが毎月500シリングもしくは1,000シリングの積み立て(そのいずれにするかはグループで選択)を行うもので、毎月少額ずつ地道に積み立てをしていくことで、少しでも自分たちの活動維持に役立てられる資金を確保すること、またそれを原資に、新たな事業に取り組めるようにすることを目的としている。
小学校苗畑などは積み立ての対象から除いたため、残る7苗畑グループが対象となった。
2007年度は積み立てに対する合意形成および口座開設、テストランの順で実施した。積み立てに関してはすべてのグループが同意したものの、テストランの段階でFoyeni女性グループのみが未実施となった。
グループ積み立てを軌道に乗せるには、この1年の実施を通してのグループメンバーの意識調査と、問題点の洗い出しをした上で、継続性、実効性のある仕組みとして確立していく必要がある。
キランガ女性グループとグループ積み立てについて話し合い
2.養 蜂
(1)低地養蜂事業(モシ県Kahe事業地)
・事業集約化(養蜂小屋の建設)
養蜂箱を集中設置し、内検の効率化を図ることを目的とした養蜂小屋の建設を完了した。 これにより、養蜂箱が分散設置されていた頃に比べ、内検効率は飛躍的に改善されることとなった。
・ラングストース改良養蜂箱の導入完了
従来のNjiroタイプ及びバンカータイプ改良養蜂箱から、可動巣枠を備えたラングストース改良養蜂箱への全面切替(12箱)を完了。地元技術での制作が暗礁に乗り上げていた隔王板も、自転車のスポークを利用することで現地調達の目処をつけることが出来た。
・蜜源樹植林継続実施
Kahe養蜂事業地における蜜源樹Callistemon Speciosusの植林を引き続き実施した。一方、苗木の調達が出来れば実施したかったCordia Abyssinicaの植林は、結局苗木の調達が出来なかった。
(2)高地養蜂事業(テマ村)
ハリナシバチ養蜂の近代化・集中設置を可能とするための改良養蜂箱の増設を実施した。これで従来の2箱に加え、計6箱の改良養蜂箱が設置されたことになる。伝統養蜂箱と合わせた総設置数は13箱で、このうち12箱で営巣しており、着実に収量増に結びつきつつある。
3.養魚池
・TEACA事務所の建設にともない、2006年度に新事務所脇に造成した養魚池は、2007年度に1回の漁獲、販売をしたものの、森林保護区にわずかにはみ出していることが分かり、中止のやむなきに至った。
その後新たな用地確保の目処が立っていないことから、当面再開できる見込みがない。
・一方、キリマンジャロ山麓のオリモ小学校に新たな養魚池を造成し、テラピアの稚魚200匹を放流した。子どもたちが毎日餌やりなどの世話をしており、販売収入は学校の備品購入費など、学校の運営費として役立てられる。
4.穀物貯蔵
タンザニア全土での物価高騰にともない、TEACAの貯蔵する安価なメイズ(モロコシ)の村人たちのニーズは高く、貯蔵する7.5tのほぼ全量を販売した。