事務局日誌: 計画停電終わる

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Heri ya mwaka mpya ! (スワヒリ語で 「明けましておめでとうございます」 )

当会は今年もタンザニアで、村人たちと手を携え、植林、自立、生活改善のための活動に精一杯努力してまいります。本年もどうぞ宜しくお願い致します。

さて、年明けを控えた昨年12月29日、現地から「計画停電終わる」のニュースが入ってきた。タンザニアでは、一昨年から昨年前半にかけて続いた降雨不足から、発電用ダムの貯水量が極端に不足し、ほぼ1年近くにわたって計画停電が実施されてきた。ひどい時は1日18時間の停電が実施された。この時の通電時間は深夜0時~朝6時まで。現地の人たちが「一体こんな時簡に誰が電気使うんだよ!」と言っていたのも頷ける。

深夜の治安維持のためにはたとえ昼間に工場が止まろうと、「この時間に通電し、家や店の街頭を点灯させねばならぬ」といった理由だったやに記憶している。たんに昼間の需要に応えられないことへの詭弁とも思えたが・・・。

当初10月一杯で終わらせるとしていたこの計画停電、政府としてはメンツをかけてでも”年越し”だけはさせられなかったというところだろうか。何はともあれ、目出度い新年の幕開け・・・ではある。

「・・・」を入れたのには理由がある。計画停電を解除できたのは、政府のメンツや努力とは別に、昨年の大雨期と小雨期に豊富な雨に恵まれたから、という理由がもちろん一番大きい。ところがこの雨、適度を超えて、今度は一気に「降り過ぎ」に振れている。

タンザニアの重要な発電ダムであるKidatuダムは、ダムの安全を維持するために緊急放水が必要なレベルにまで貯水量が達している。ダムを管理する電力会社のTANESCOは、下流域のKidatu渓谷に住む住民に対し、洪水に対する警告を発した。

それでもタンザニア全体的に見れば、昨年、そして現在も続いている小雨期の潤沢な雨は、それまでの降雨不足を解消する「幸運の雨」であったと言える。しかし東アフリカ全体にまで視野を広げると、昨年一番過酷な干魃に苦しんだケニア東北部、そしてソマリア、エチオピアの一部が、今度はこの”大豪雨”の直撃を受けている。発生した大洪水のため、これらの地域で180人が深刻な被害を受けている。

“雨乞い”に加えて”適度な雨”まで神に乞うのは、贅沢なことだろうか。数年間続いた降雨不足に今度は大豪雨。これは東アフリカに特化した局地的な出来事なのか、それとも世界的な異常気象の大きなうねりの一つなのか。それは分からない。分からないが、村人たちと1本の苗木を植え続けるという行動によって、世界の中では小さな一点かもしれないが、こうした現実に立ち向かっていきたい。

今年が世界の人々にとって希望に満ちた年となりますよう。

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