事務局日誌: 人口増加の裏側で(1/2)

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タンザニアにおける森林減少の主要因は、日々の煮炊きに使うための薪炭材伐採である。そしてそこには、自然の再生産能力を上回る人口の増加という問題が横たわっている。

2002年にタンザニアで行われた国勢調査の結果では、1988年~2002年の5年間におけるタンザニア全体での人口増加率は、年率2.9%(それ以前の1978年~1988年は同2.8%)であったから、相変わらず高水準に留まったままといえるだろう。

キリマンジャロ山でも人口圧からくる伐採によって、とくに東南側の斜面は森林を剥ぎ取られ、地肌の見るも無惨な姿を晒している。先の国勢調査によれば、タンザニア本土の1平方キロ当たり人口密度は38人であるが、キリマンジャロ山とその森林ゆえの降雨に恵まれ、コーヒーという基幹産業を得ることもできたキリマンジャロ州の人口密度は104人にもなる。この数字を上回るのは、タンザニアの実質的な首都であるダルエスサラームのあるダルエスサラーム州(1,793人)と、タンザニア第2の都市ムワンザ(150人)だけである。

しかもこれを州レベルではなく、キリマンジャロ山の南部斜面にまで絞ると、その人口密度は500人にも達するとの推計すらある。


(次回に続く)

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