事務局日誌: タンザニアで旱魃警報

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私たちが主に植林を進めているタンザニアの北部、キリマンジャロ地域では、昨年末の少雨期には久々に雨に恵まれほっと一息ついていたのですが、大雨期を迎えつつある南部地域ではまるで雨の兆しが無く、去る3月11日に農業省が旱魃警報を出したようです。タンザニア南部にはイリンガ、ムベヤ、ソンゲアといった穀倉地帯が控えているのですが、どこも乾燥がひどく少雨期に植えたトウモロコシは立ち枯れを起こしているようです。

原油を100%輸入に頼っているタンザニアではイラク問題の影響もあって、ガソリンをはじめとするあらゆる物価が上昇しています。昨年末から年初にかけて、政府の思惑もあって強めに推移していたシリングの対ドルレートも、ここにきてまた落ち込みをみせています。

米英軍によるイラク攻撃がもはや避けられない状況となったいま、物価の上昇、為替相場の下落、さらには観光収入の減など、国や国民経済にとって、さらには治安面においてもタンザニアにとって何一つ良いことはないといえます。これでさらに穀倉地帯が旱魃に見舞われれでもすれば、庶民の生活には大きな影響が出ることになるでしょう。

多様な民族と多様な宗教を信ずる人々が、平和に共存しているタンザニア。毎日を必死に生きている彼らの、しかしあずかり知らぬ所で起きていることに、彼らは否応なく巻き込まれ、振り回されていきます。そのことを思うと、いたたまれない気持ちになります。

せめて、せめて雨を。雨を彼らに恵み給え。そう願わずにはいられない。

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