事務局日誌: 街はクリスマス

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事務所のある桜新町の駅前には、5mはあろうかという大きなモミの木のクリスマ
スツリーが、もう飾られている。夜はちりばめられたイルミネーションがそれは綺麗
である。

キラキラと輝くクリスマスツリーを眺めながら、思いはタンザニアの村人たちへと馳
せる。私たちが活動しているキリマンジャロ山麓の村人たちは、ほとんどが敬虔な
クリスチャンである。

彼らにももちろんクリスマスはある。しかし村でのクリスマスは、“クリスマス”という
言葉がもとはアングロサクソン語の“キリストのミサ”(礼拝)から由来しているよう
に、きわめて宗教的な行事である。

12月25日、イエス・キリストの降誕を祝うその日の夜、村人たちは夜道を歩いて
次々と教会に集まる。電気などない村の暗い闇の中に、扉が大きく開け放たれた
教会の入り口だけが、漏れてくる明かりでボーッと浮かび上がっている。教会の外
には大きなバナナの木が2本、幹の繊維で飾られ、門柱のように立てられている。
向き合う葉が重なって、まるで鳥居のような厳粛な雰囲気。

数百人もの村人が集まった教会で、やがて厳かに礼拝が執り行われる。静かな闇
に響く牧師の声、人々の祈り、透き通るようなアカペラの賛美歌。闇と相まって、そ
こだけ世界から切り取られたような、不思議な感覚にとらわれる。

サンタとも、赤鼻のトナカイとも、クリスマスケーキとも無縁の、しかし厳かで、祈りに
充ちたクリスマス。イルミネーションに輝くクリスマスツリーの向こうに、そんな村の
クリスマスを思った。

もうすぐクリスマス。みなさんはどんなクリスマスを過ごされるだろうか。

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