最近の検討会では、主にメンバーによる現地協力の取り組みについて議論を深めています。現地で必要とされていることは何か、その中で自分たちに出来ることは何なのか、やれるとしたらどのような方法が良いのか、将来的なビジョンをどう持つのか、といった点について話し合っています。
そうした議論を通して、現在検討されているのが、「手作り辞書」、「タンザニア・オリジナル絵葉書」、「手工芸品」の3つの取り組みです。「手作り辞書」、「タンザニア・オリジナル絵葉書」については、既にこの事務局日記の中で触れましたので、今日は「手工芸品」の取り組みについて、昨日の検討会で打ち合わせた内容まで含めて、最新の状況をご報告します。
手工芸品として検討されているのは、現地にある資源を使って村人なら誰でも取り組むことの出来るバナナの茎の皮を使った手工芸品(カードなど)です。そこで最初に課題となったのは、実際に村人が作れるのか、そして需要はあるのか、という2点です。
幸い、村には以前この手工芸品を作っていたことのある元職人さんがおり、その人を講師として、何人かの村の人に作り方を指導してもらいました。昨年から一年をかけて、カードであれば村人でも作れることが分かってきました。その間にもバナナを利用して他にも作れるアイテムが発掘され、その検討も始められています。
次にマーケティングですが、既に入手しているサンプルや、現地で販売されている同様のものを、イベントやあるいはお店に置いてもらって、価格設定や売れ行き状況をモニターしてみることにしました。またこれらについては、現地でも一部の土産物屋などでは売られているものなので、製作技術と品質が上がれば、日本のマーケットだけに頼らなくてはならない、という状況にはなりません。折しも隣の村が新たなキリマンジャロ山の下山ルートとなり、そこでの販売も可能になるでしょう。
さらに今後検討をしなくてはならないこととして、手工芸品の取り組みを、どの村人(村人たち、グループ等々)と協力してやっていくのが良いか、という課題が残っています。機会は広く均等に、というのが理想(例えば全村人を対象とした手工芸品ワークショップの開催など)ですが、逆に多くの村人に手工芸品への確かな手応え(=希望)とやる気、製作技術と品質の向上を根付かせていくには、まずは少数を対象として質の良いものを作れるようにし、販売実績として他の村人に示していく必要があるだろうということになりました。
そこで問題となるのが、「では一体その少数とは誰なのか」という点です。理想論をいえば、やはりより困っている人たちとこそ、お互いに励まし合いながらやっていけるのが一番良いでしょう。そこで、そのターゲットの絞り込みは、今後現地調査をかけて調べていこうということになりました。その際には、ただ困っているだけではなく、厳しい状況の中であっても、何かしら一生懸命に自分(たち)で、状況の改善に向けた取り組みを行っているところ、というのが大きな判断基準となってくるはずです。
また、たとえターゲットは絞っても、それはあくまで最初のステップであり、機会は広く均等に、という視点のもとに、多くの村人に手工芸品の道を広げていく仕組みを、初めから作っておいてから始めるという方向で検討されています。
今後イベントなどで、メンバーが村で作られたバナナの手工芸品やサンプルを紹介していると思いますので(数がまだ少ないので、販売は少ししかできません。ゴメンナサイ!)、もし見かけましたら、ぜひ覗いていって下さいね!!(※ 4/20~21に代々木で開催される「アースデイ」に出店しています)。