事務局日誌: テロ

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タンザニアから2ヶ月ぶりに帰ってくると、日本は2つの大きな台風のニュースに揺れていた。たまにシトシト雨も降る、寒いキリマンジャロの山の中で震えていた身には、たとえ過ぎ去ろうとしているとはいえ、日本の夏を意識に刷り込むに十分なニュースだった。

「まだ暫くは暑いかな・・・・」などと呑気な思いに浸っていたら、次に飛び込んできたニュースはとんでもないものであった。言うまでもない、米国で起きたハイジャック機による世界貿易センタービル、国防総省に対する体当たりテロである。ブラウン管に映し出された映像に、自分の目を疑った。

イスラム過激派による犯行と目されている。これと米国を標的としたテロであることを重ね合わせると、どうしても3年前に起きたタンザニア、ケニアでの米大使館同時爆破テロを思い起こさずにはいられない。事件は私の現地滞在中に起こった。しかもテロにあったダルエスサラームにある米大使館は、ダルエスサラーム苗畑に行くときに必ず前を通っていくところである。爆薬を載せたタンクローリーが突っ込んだ大使館ビルは、半分近くが吹き飛んでいた。今回と同じ自爆テロであった。そして今回と同じように多くの犠牲者を出した。

自分も巻き添えになったかも知れないと思うと、恐怖に鳥肌が立った。しかしそれ以上に、ふつふつと怒りが湧き上がった。

何人たりとも、人を不幸にしてよい権利などありはしない。その前にいかなる理由も理屈もありはしない。人を不幸にしてよい権利など誰にもない。誰にもないのだ。

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