2013年7月ガイドブック簡易版表紙
Rafikiプロジェクトは2013年7月24日~8月9日の日程でタンザニアでの現地渡航調査を行います。渡航調査の目的と主な実施事項についてお知らせいたします。結果につきましては、帰国後報告させて頂きます。
◆目 的
① 森を守りたいという強い動機を村全体のムーヴメントに広げるため、「森に名前をつける」ことを提案する。
② Rafikiプロジェクトの取り組みの理念(森を守るには人々の「森を守りたい」という意思や気持ちが重要である)をより多くの人に知ってもらう。
◆実施事項
1.座談会実施と各グループへの事前個別ミーティング
2013年2月渡航において座談会を実施し、出席した約20名の村の方々とRAFIKIプロジェクトの理念である”森を守るには人々の「森を守りたい」という意思や気持ちが重要である”ことを共有しました。その意思や気持ちを支えるために村全体で何かできること(ムーヴメント)はないかという議論を行ない「展覧会実施」という結論に至りました。しかし、2月渡航の報告でも書きましたように具体的なことは決定できなかったことと、どこまで我々の意図するムーヴメントが伝わっているか曖昧という課題が残りました。今回はこのムーヴメントをより多くの方々と共に掘り下げようと、ムーヴメントの一案として「森に名前をつける」のはどうかと提案しようと考えています。
今回の渡航でも座談会を実施しようとしており、前回出席してくださった方々と今までRAFIKIプロジェクトとあまり接点のなかった方々にも参加して頂く予定です。前回より人数が多くなるのと、しっかりと我々の思いを説明したいため座談会の前に出席予定の各グループを訪問します。
出席グループと個別ミーティングでどのような話を予定しているか、また個別ミーティング後の座談会の流れの予定は以下の通りです。
<出席グループ>
① 村長、助役、各村区長(計7名)
② FARAJA(14名)
③ 森に詳しいお年寄り(5~10名)
④ 4水路の水路委員会議長と書記(8名)
⑤ Olimo小学校 学校委員会(5~10名)
⑥ 5教会の牧師、各教会委員会(15名)
<各個別ミーティングでの話の流れ>
① テマ村の森は村にとって偉大な財産であることの共有
② そのような唯一無二で貴重な森に名前をつけることの提案(名前をつければ森をもっと身近に感じられるから)
③ 村人自身によって決められた名前は村全体に広がる。(ムーヴメントとなりうる)
④ このムーヴメントは世代間問わず広がり、楽しめるものとなるだろう。
(例として日本でのご当地キャラを紹介)
<座談会の流れ>
① 個別ミーティングで共有した「テマ村の森は唯一無二」ということを全体の場で再度共有
② 各グループで考えてきてもらった名前を披露してもらう
③ 出された候補名をどのように村全体で決めていくかを議論する
2.テマ村ガイドブック(簡易版)の配布
RAFIKIプロジェクトの掲げる”森を守るには人々の「森を守りたい」という意思や気持ちが重要である”理念は説明しようとすると多大な時間を要しますし、座談会のような場でも参加して頂くのは村の一部の方々です。
今回は、概念的な話よりもまずは具体的なものから触れてもらおうと、またより多くの村の方々にRAFIKIプロジェクトを知って・参画して頂こうと、RAFIKIプロジェクトで作成したテマ村ガイドブックを配布しようと考えています。ガイドブックは森に詳しい村の方々からお聞きした古くからの知識、自慢だと思うものを掲載しています。プロジェクトの製作物としては一番完成しており、テマ村の森には、こんなに多くの自慢といえるようなことがあるということを伝えるツールとして有用と考えたからです。今回はより多くの人に手に取って見てもらいたい・読んでもらいたいと考え、昨年の教会で村の方々に投票して頂いた「森の自慢」の上位を抜粋した簡易版を作成し、日曜礼拝の場をお借りして配布する予定です。また村の人々にランダムにインタビューを行う予定です。アンケートも添付し、できればお話もさせていただいて村の皆さんの意見を聞きます。意見を聞く理由は、RAFIKIプロジェクトで作成しているものは現在主に日本側中心ですべての工程を行なっており、これからはもっと村の人々に参画して頂きたいと考えているからです。より多くの村の方々のRAFIKIプロジェクトへの参画の第一歩として、まず何をやっているか(作っているか)を知ってもらい、それに意見や感想を述べて頂くことから始めていきたいと思っています。
3.森林利用調査ポスターとキリマンジャロ衛星写真の配布
2月渡航の際に森林利用調査ポスター(2012年8月の現地渡航で森林利用調査を実施。森に入る人数/何をどれくらいの重さのものを得ているか/そのものは貨幣換算するといくらになるかの3点をまとめたもの)を村役場に寄贈した際、好評を頂きました。森林保全活動の励みになるということで各村区(5)への配布の要望もありましたので今回も持参し、各村区での掲示をお願いする予定です。
またポスターと共に、実際にテマ村周辺の森がキリマンジャロの他の地域に比べて守られていることを表す衛星写真のデータも持参し、各村区をはじめ教会や座談会前の個別ミーティングでも配布する予定です。
4.3小学校訪問
2月渡航時にはFumvuhu小学校とFoyeni小学校を初めて訪問し、RAFIKIプロジェクトのもう一つの製作物であるテマ村カルタを紹介しに行きました。ただ残念ながら先生方はお忙しく、なぜカルタというものを作成したのか、なぜ生徒さんたちに遊んでもらいたいのかという説明をするのに十分な時間が取れませんでした。今回、再度、説明の時間を頂き、実際に生徒さんと遊びながらルールのデモンストレーションを行います。また以前からカルタで遊んでいただいているOlimo小学校は2月に訪問ができなかったため、生徒さんたちが遊んでいるかどうかの状況確認などを行う予定です。
5.Natiro中学校環境クラブとの調査協力継続確認
3年前からNatiro中学校の環境クラブの生徒さんにテマ村ガイドブックの調査に加わって頂き、記事を書いて頂いています。新入生も加入したので、再度、一緒にテマ村の森の豊かさを知る・伝える活動をしていくことを生徒さん達と共有したいと思います。