事務局日誌: タンザニアの教育事情と村の状況(その2)

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前回はタンザニアの一般的な教育事情について触れたが、今回は私たちが活動を行っている、キリマンジャロ州モシ県のテマ村と付近の村の小学校の状況について触れてみたい。

私たちにとってもっとも馴染みが深いオリモ小学校(生徒数300名、教師数11名)はキリマンジャロ山の標高約1,600mにあって、テマ村の中でももっとも高所にある小学校である。比較的成績優秀な学校で、1998年にはモシ県に全部で192ある小学校のうち、7年生のときに実施される国家試験で上位14番目の成績をおさめ、県からも表彰されたことがあった。

しかし、昨年度(2002年度)は7年生51名のうち、中学校へ進学できた生徒が4名しかおらず、県内でも168番目の成績となってしまった。進学率8%はタンザニアの全国平均18%をも大きく下回る数字で、先生方にはかなりの衝撃が走っている。

成績不振の理由には生徒のパフォーマンスの問題も勿論あるのだろうが、先生方の間では、政府による無理な教師の配置換えが問題視されていた。オリモ小学校では11人いる教師のうち5人も入れ替えがあり、しかも入れ替えのあった教師の専門教科が異なったりしたため、かなりの歪みが出ている。これでは教えられる生徒たちもたまったものではないだろう。先生方も必死の立て直しを図っているが、容易なことではあるまい。

一方、同じテマ村にあるフォイェニ小学校の昨年度の進学率は9人/43人で21%、隣村のフンブフ小学校は18人/35人で51%(!)という驚異的な結果であった。

もともとキリマンジャロ山麓を中心に住んでいるチャガの人々は、タンザニアの中でも教育熱心なことで知られており、進学率でもタンザニアをリードしてきただけに、今回のオリモ小学校の成績不振は、先生方のみならず村人の中にも波紋を広げているのである。

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