タンザニア・キリマンジャロ植林ワークキャンプ2009報告

(開催概要は→こちら
モシの街からのぞむキリマンジャロ山
モシの街からのぞむキリマンジャロ山

出発前の準備会
出発前の準備会
キリマンジャロ山麓テマ村到着
キリマンジャロ山麓テマ村到着
ブッシュの刈り払い
ブッシュの刈り払い
地拵え
地拵え
休憩中!
休憩中!
植え穴掘り
植え穴掘り
穴掘り後の植林地
穴掘り後の植林地
子供達が苗木を運んでくれました
子供達が苗木を運んでくれました
やっと苗木の植え付け!
やっと苗木の植え付け!
植林作業には470人が参加しました
植林作業には470人が参加しました
植林が終わった植林地
植林が終わった植林地

今年も2月11日〜3月6日にかけての24日間の日程で、キリマンジャロ山麓テマ村において植林ワークキャンプを開催しました。日程としては過去最長となった今回のワークキャンプは、日本からの参加者のほとんどが女性(男性2名、女性15名)という、これまでにない男女比となり、女性パワーに圧倒されるとても賑やかなワークキャンプとなりました。

折しもキリマンジャロ州では、昨年通年の平均気温がタンザニア全土で一番高くなるという異常気象が続いており、村からは「雨がまったく降らない」との情報が寄せられていました。ワークキャンプ中は村で自炊生活となるため、水不足が懸念されましたが、ちょうど私たちが村に入る頃からまとまった雨が降り始め、村人たちは「一緒に雨も連れてきてくれたね!!」と喜びの声をかけてくれました。

植林地は昨年に引き続き、村からキリマンジャロ山を1時間ほどかけて登った森林保護区内にあるレカラ・マムンダ植林地(面積7ha)。ここは村の水源地の一つとなっており、近年、ほかの多くの水源が涸れたり水量が落ちてきている中で、年間を通して水が涸れることのない貴重な水源となっている場所です。

キリマンジャロ山では標高約1,700m以上に属する森林帯は森林保護区に指定されていますが、山麓に生活する村人たちを支えている水のほとんどは、この森林保護区の森に降った雨に由来する沢水です。しかしこの一世紀の間、伐採や農地転換(現在は森林保護区となり、耕作放棄されている)等によって森林の荒廃が進み、それとともに雨量は約30%も減少してしまいました。さらにそれが水源の枯渇や水量の低下を招く結果となっており、人々の生活にも影響を及ぼすようになっています。

こうしたことから村人たちは、レカラ・マムンダにいまも残る貴重な水源を保護しようと、一帯で失われた森林を回復するめに2000年から植林に取り組み始めました。 いったん森林が破壊された同植林地では繁茂するブッシュの勢いが極めて強く、これまでに植えた苗木の活着や生育の大きな阻害要因となっています。植林では苗木を植えることももちろん大切ですが、その後の育林管理が必要不可欠となってきます。ワークキャンプでも、まずこれまでに植林された場所の手入れ(=ブッシュの刈払いと補植作業)から始めます。村人たちはこの刈払作業と枯れた苗木の補植を丹念に繰り返すことで、少しずつ活着率の向上に結びつけており、最終的に80%程度の活着率を目指しています。

毎日最初に植林現場に到着するのは、私たち日本人組。村人たちは子供や家畜の世話など、朝一番の仕事を片付けてからやってきます。少ないときは30人、多いときは70人を超える人数で一緒に植林作業に取り組みます。子どもたちもやってきます。これまでは小学校の子どもたちが多かったのですが、最近では遠い隣尾根の中学校からも生徒さんたちがやって来るようになりました。テマ村で長く取り組まれている植林活動が、地域や世代を超えて少しずつ広まり、浸透していっていることを実感します。

植林作業の合間の休憩時間やお昼の時間は、そうした村人や生徒たちとのおしゃべりタイム(といっても村の人たちはほとんど英語が分からないので、ジェスチャー混じりのスワヒリ語!)。初めのうちは日本人同士でまとまりがちですが、そのうち日本人、村人たち、子どもたちが入り交じって、あっちにひとかたまり、こっちにひとかたまりと、笑い声が植林地にこだまするようになります。じつは実際の植林作業以上に、こうしたことが村人たちの長年の植林活動の励みとなり、また勇気づけるとても大きな力となっているのです。

今回の植林作業は曇天が多く、例年に比べると楽にやれた方でした。日本人参加者も女性が多かったこともあり、いつもの年のように千本を超える植林は厳しいかなと思っていたのですが、終わってみれば1,102本の苗木を植えることができました。植林作業の内容は、ブッシュの刈り払いと地拵えが3日間、植え穴掘りが3日間、苗木の植え付けが1日の計7日間でした。また植林樹種は、キリマンジャロ山の原生種であるマカランガ・キリマンジャリカが310本、土壌水分をよく保持するグレビレア・ロブスタが622本、この地域では活着率がもっとも良いピナス・パトゥラが40本、そして水源近くにカップレサス・ルシタニカを130本の計4樹種。そして今回の植林には、私たち日本人を含め、のべ472人が参加しました。

最近では、植林地に少しずつ小型のアンテロープ(ディクディク)などの動物たちが戻りはじめています(一部の村人によれば、ヒョウも戻ってきているとか。嬉しいような怖いような・・・)。そうなると今度は苗木の食害の心配もでてきますが、村人たちは植林による森林回復の成果として、彼らを温かく見守っています。

このほか今回のワークキャンプでは、村に入る前に同じキリマンジャロ山麓のマラングー村への、チャガ民族の伝統的な生活スタイルを学ぶデイトリップ、村に入ってからは、同じくチャガ民族の伝統と知恵を訪ねる山歩き、TEACAの事業である養魚池・裁縫教室の見学、キリマンジャロコーヒー農家を対象とした新品種接ぎ木セミナーへの参加、村の女性たちとの話し合い、村でのボランティア活動(道普請)、ホームステイ、子どもたちへの絵本の読み聞かせなどなど、盛りだくさんのプログラムでした。また村を離れてからは、インド洋岸のバガモヨに移動し、タンザニアの民族舞踏を青空の下で存分に観賞し、大地の上で一緒になって踊りました。

帰国後TEACAからは、大雨期の雨が比較的順調に降っているとの連絡が入ってきました。レカラ・マムンダでは、植林後のケアによって、確実に活着率が高まってきているのを実感できます。この雨が多くの苗木の恵みとなり、力強く大地に根をはってくれることを祈っています。


『ワークキャンプ参加者の作業日記から』

・植林地のレカラまでの道のりに、村の水源地や滝、これまでに実施した植林地を見ることが出来て、これから取り組む植林に向けてやる気が出ました。
・木陰に植えてある苗木は大きく育っていましたが、むき出しの地肌に植えられた苗木は育っておらず、木陰の大切さを実感しました。
・2000年に植えられた木々が天高く生長している姿は感慨深かったです。
・3日間、過去植林地の草刈り作業を行って、植林後の手入れの大変さをつくづく感じました。今日は中学生と一緒に作業をしましたが、女子生徒たちは軍手も使わずスカートのまま作業をしていました。「痛い痛い」と作業が中断してしまう自分がとても恥ずかしくなりました。
・植林地への行き帰り、森の新鮮な香りに癒されます。作業は老いの身に少々こたえますが、かわいい子どもたちの未来のためと思うと元気が沸いてきます。新しい体験は素敵です。
・今日はみんなでブッシュを端にどけたり、協力して進める作業に喜びを感じました。作業中の村人の顔は決して苦しそうではなくて、雑談もするし、とても穏やかでした。やっぱり植林は、みんなでなきゃできない、続かないとあらためて思いました。 ・毎朝、今日こそがんばって掘り続けようと思うのですが、いつも体力が続かなくて手伝って貰っています。植林の継続がどれだけ大変なのか、ほんの一部かも知れませんが、ワークキャンプを通じて理解できました。明日はいよいよ苗木の植え付け。気合いを入れて頑張ります!

・今日はついに苗木の植え付け。作業は今までの苦労と比べものにならないほど、あっけなく進んだけれど、1本1本心を込めて植え付けました。今日植えた苗木が1本でも多く、キリマンジャロ山の森として、大きく育って欲しいと願っています。
・今日は植林作業の最終日。はじめはやる気満々で体力の心配もなかったけれど、実際に行ってみて自分の体力のなさと、一度失われた緑を取り戻すことが、こんなに大変なことなのかと身にしみて感じました。私たちが植えた苗木が生長して育った姿を、いつかきっと見てみたいです!毎日植林に取り組んだ村の人たち、今回一緒に参加された皆さん、本当にお疲れ様でした。そしてありがとう!


『ワークキャンプ中のプログラム紹介』

コーヒー接ぎ木セミナー
TEACA裁縫教室訪問
「コーヒー接ぎ木セミナー」

TEACAが取り組んでいるキリマンジャロコーヒー新品種普及のための「接ぎ木セミナー」に、コーヒー農家でもある村人たちとともに参加。


「TEACA裁縫教室訪問」

小学校卒業後、様々な理由から中学校への進学の道を閉ざされた少女達の自活支援事業として、TEACAが運営している裁縫教室を訪問。


絵本の読み聞かせ
村でのボランティア活動
「絵本の読み聞かせ」

キリマンジャロ山に暮らしているチャガ民族。彼らの昔の暮らしぶりを、Siaという少女を通して描いた紙芝居をスワヒリ語でお話ししました。


「村でのボランティア活動」

お世話になった村に、ほんのちょっとの恩返し。大雨期に備えて村の道路の補修にみんなで取り組みました。


◆このワークキャンプには、現地の人々の考え方や生き方、伝統や習慣を尊重し理解しようという気持ちのある方ならどなたでも参加できます。ワークキャンプに関するご質問、資料請求等は、以下までお気軽にお問い合わせ下さい(資料請求の方は、住所等の連絡先を忘れずにご記入下さい)。


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