タイトル

   今年も2/12〜3/3までの21日間の日程で、タンザニアのキリマンジャロ山麓にある テマ村で植林ワークキャンプを開催した。年齢も職業も様々に異なる参加者を迎えたのは、屈託のない笑顔と 日々を逞しく生きる村人たち。そしてちょっとはにかみ屋で、しかしやんちゃな子供たち。毎日の植林ワーク は大変だが、ワークキャンプの毎日が、アフリカとこの同じ地球に生きるアフリカの人々の息づかいを感じ、 懐に抱かれる、豊かで貴重な瞬間瞬間である。


現地の人たちとの集合写真
現地の人たちとの集合写真
【緑の恵み】
    今回のワークキャンプは、ナイロビからの陸路国境越えでタンザニアに入るルート をとった。このルートでは、ナマンガ国境から先、タンザニア側のアルーシャまでの道中、車窓から緑を失っ た大地を延々見ていくことが出来る。
    この地はもともと隣接する地域と同様、かつては疎林が展開するサバンナであった と思われるが、現在の切り株すら残らず、遙か彼方まできれいにならされた状況や、一部に残されている植生 から、以前サイザル麻の大規模農場として、サバンナ林が伐開されたのではないかと推察している。
    しかしこうした状況は、何もこのような半乾燥地に限ったことではない。ワークキ ャンプ開催地であるキリマンジャロ山も実は同じ状況に置かれている。私達が植林活動を支援している、モシ の町の東方約30kmに位置しているキルアブンジョーというキリマンジャロ山中の村では、尾根はすべて森 林を剥ぎ取られ、キリマンジャロコーヒーはおろか、主食のモロコシや豆すら育たず、村人たちは土を切り出 し、日干しレンガとして売ることで生計を立てている。

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村に到着
村に到着。興味津々の子供たちに囲まれて。
【村へ】
    ベースキャンプ地であるテマ村オリモは、キリマンジャロ山の標高約1,600mの場所 にあり、麓の町モシから四輪駆動車で山を登って1時間程の距離である。距離的には大したことなさそうである が、道はなかなか険しく、雨期ともなれば四輪駆動車でも走行が困難となる。
    前日の夕方に降った雨でぬかるんだ道を、まるで嵐の海に乗り出した小船のように、 車体を激しく揺らしながら進む私たちの車列。
    ベースキャンプ地にあるオリモ小学校に到着すると、待ちきれなかったように、 たくさんの子供たちの歓声と歌声が、私たちを迎えてくれた───

♪ Welcome our guests welcome,
        Welcome our guests welcome,    
        We are happy, we are happy,     
        We are happy to say welcome ♪

忘れられない瞬間。そして村での生活が始まったことを告げる歌でもある。

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朝食の準備
只今、朝食の準備中。「朝の果物はマンゴーです!」
【村での生活】
    村に滞在中は、村の空き家に全員で共同泊をする。男女別に部屋に分かれ、ベッド等 の家具はないので、 日本から持参した銀ロールマットに寝袋という山小屋スタイルである。
    基本的に村に電気、ガス、上水道はなく、これまで夜はランプ、調理は薪(ワークキ ャンプ中は食事当番グループを編成しての自炊生活)、水は、飲み水は用意したミネラルウォーターを使い、調 理・洗濯・水浴びなどにはキリマンジャロの湧き水を引き込んだ給水パイプラインの水を使っていた。しかし今 年ついに、共同泊で使っている空き家に電気が入った。電球の明るさは、それまでの漆黒のワークキャンプの夜 を一変させた。
    ワークキャンプ中の朝は、まだ暗いうちから準備に取りかかる食事当番グループを除 いて、みんな6時半頃には起き出す。この時期のタンザニアは、一年で一番暑い時期であるが、標高の高い朝の 村の空気は凛と冷え、とても爽やか。蒼く澄んだ空のもと、牛から搾りたてのミルクを入れて飲むチャイの美味 しいこと!眼前には朝日に輝くキリマンジャロの雄大な頂き。まさに至福の時である。

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【新たな植林地での植林開始】
    植林作業は村に着いた翌日から始まる。植林地は今年で5年目に入り、補植が中心と なるレカラ(図1)と、新たに植林を開始するレカラ・マムンダの2カ所。今回のワークキャンプでは、一度植 林を行った後も、補植をかけながら地道に活着率を上げていき、また新たな植林地(裸地化した森林伐採跡地) に移っていくという、 TEACAとテマ村の村人たちが取り組んでいる植林のプロセスを実感できるものとなった。
    植林地へは毎朝8時に宿泊所を出発し、1時間ほどキリマンジャロの山道を登ってい く。今回のワークキャンプでは、次のような手順、内容で植林作業に取り組んだ。

日程 場所 内容
1日目 レカラ 補植地の下草刈り
2日目 レカラ・マムンダ ブッシュ刈り払い
3日目 レカラ・マムンダ ブッシュ刈り払い
レカラ 補植用植え穴掘り
4日目 レカラ 穴の埋め戻し
植林(補植)
レカラ・マムンダ メジャリング&マーキング
植え穴掘り
5日目 レカラ・マムンダ 植え穴位置決め測量
植え穴掘り
6日目 レカラ・マムンダ 植え穴位置決め測量
植え穴掘り
7日目 レカラ・マムンダ 穴の埋め戻し
植 林


    基本的に、ブッシュの刈り払い→メジャリング&マーキング(=植え穴位置決め)→ 植え穴掘り→穴の埋め戻し→植林という流れである。ワークキャンプ中の天候次第では、最後に苗木への灌水作 業が入るが、今回は期間中に何度か雨が降ってくれたので、この灌水作業は行わなかった。
    曇天が多かったこともあり、例年に比べると楽な方ではあったが、それでも慣れない 私たち日本人には どの作業も大変である。
ブッシュ刈払い作業
ブッシュの刈払い作業。
右側が刈払い済み。左側がまだの場所。
苗木の植え付け
たくさんの子供たちと一緒に苗木を植え付ける。



    作業のスピードも持続力も、村の人たちにとても敵わない。果たして自分が役に立っ ているのか、 そんな疑問が湧いてくる瞬間でもある。しかしムチャロ村長は言う。 「確かに作業は私たちに比 べると遅いかも知れない。しかし一つ一つの作業の丁寧さ、正確さを見てみなさい。学ばなければならいのは私 たちの方だ。日本の人たちのそういう姿勢が、村人や子供たちにも伝わるものだと私は思っているんだ。少しず つだろうとね」。
    「キューケーデース!(休憩です!)」。カンカンカンという甲高い鐘の音とともに 、いつの間にやら覚えた日本語で、TEACAリーダーの1人であり、森林官でもあるジャウ氏の声が植林地に響く。 待ちに待った瞬間だ。どんなに遠くにいても、この音だけは聞き逃さない。これが昼食時になると、「メーシー !(飯)」に変わる。こちらはもっと聞き逃さない。
    植林作業は、毎日朝9時から午後2時半まで。作業には多くの村人やママ、そして子 供たちが参加する。特に子供たちがいるときの植林地は賑やか!ときに子供たちに囲まれて質問攻めにあい、作 業ができなくなることも。「ちゃんと作業しなけりゃダメだろ!」などといっても、多勢に無勢では旗色悪く、 そういうときは開き直ってお相手仕るしかない。
    今回のワークキャンプ中の植林作業には、私達日本人を含め、のべ599名が参加し た。植林樹種及び本数は次の通りである。

<< ワークキャンプ植林樹種 >>

【レカラ(補植)】
Plot D:
・AcrocurpusFraxinifolius(豆科)       35本
・Croton Macrostachys(トウダイグサ科)   216本
Plot E:
・AcrocurpusFraxinifolius(豆科)      205本
Plot F:
・Ficus Thonningii(クワ科、補植)      152本
・     〃     ( 〃 、新規)         68本
                     小計 676本

【レカラ・マムンダ(新規植林地)】
・AcrocurpusFraxinifolius(豆科)      175本
・Cedrela Odorata(センダン科)      232本
・Croton Macrostachys(トウダイグサ科)   479本
・Ficus Thonningii(クワ科)           95本
                     小計 981本

4樹種(東アフリカ原産2樹種)、合計1,657本

       レカラ植林地全図
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【今後の見通し】
    失われた森林を取り戻すこと、それがテマ村でTEACAや村人たちが取り組んでい る植林の目的である。そのためには、その地域の気候に適した樹種を選択することはもちろんのこと、森林を失 い痩せてしまった土壌でも育つ、強い樹種の選択が必要となってくる。その方が活着率を上げられるからである 。しかしその場合、どうしても樹種の偏重を招きやすい。
    一方、ある程度樹種の多様性を確保しつつ、さらになるべく原産種を取り入れながら 植林を進めるとなると、活着率は低くなる。 テマ村でTEACAや村人たちが選択したのは後者の植林である。森を 蘇らせることを目標としつつも、活着率だけにとらわれることなく、樹種の多様性も確保していく。低下する活 着率は、その分手厚く補植をかけていくことで補っていく。
    昨年の報告でも触れたが、レカラ(およびレカラ・マムンダ)では、補植を重ねなが ら最終的には活着率80%程度までもっていくことを目標としている。しかしこれまでの経過や昨年までの結果 から判断して、レカラで活着率80%を目指すには、まだ3年は補植をかけていく必要があると思われる。また 新規植林地のレカラ・マムンダは、植林を完了するのにあと2〜3年、その後の補植の期間まで含めると、6〜 8年を要するだろう。今回のワークキャンプ期間中、植林に参加した人数は、村人、子供たち、ママ、苗畑グル ープメンバー、そして私たち日本人を合わせてのべ490人、植林本数は合計1,467本であった。

(写真左)

ママと。チャガ民族の主食、
揚げバナナの調理を手伝う。


(写真右)

どこまでがホームステイ先の子供?まずはその把握が大変!現地ではお互いの垣根はとても低いのです。


◆このワークキャンプには、現地の人々の考え方や生き方、伝統や習慣を尊重し理解しようという気持ちのあ
 る方ならどなたでも参加できます。ワークキャンプに関するご質問、資料請求等は、以下までお気軽にお問
 い合わせ下さい(資料請求の方は、住所等の連絡先を忘れずにご記入下さい)。


            タンザニア・ポレポレクラブ
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