今年も2月10日から約3週間の日程で、タンザニアのキリマンジャロ山麓にあるテマ村で、植林ワークキャンプを開催した。参加者はこれまでで一番多い27名。今年で4年目に入るレカラ植林地には、これまでになく様々な村から村人たちが集まった。そして期間中、2回開催したワークショップ。ワークキャンプも少しずつ、次のステップへと踏み出しつつある。


現地の人たちとの集合写真【レカラ植林地】  ワークキャンプが開催されたのは、2月10日〜3月4日までの23日間。  このワークキャンプは、私たちが村落植林活動を支援している、タンザニアのキリマンジャロ山麓、テマ村において、失われた森林を取り戻すために村人たちが取り組んでいる植林活動に、私たちも共に参加するものだ。  ベースキャンプ地であるテマ村オリモへは、キリマンジャロ山の麓の町モシから四輪駆動車を使って、1時間ほどキリマンジャロ山を登っていく。標高は約1,600m。 大雨期の始まりである3月を間近に控えているとはいえ、少乾期を経た未舗装の山道は、隊を連ねる私たちの車のあげる土埃でもうもうとなる。道々、世界的な価格暴落に喘いでいるコーヒー栽培の様子を注視していくが、栽培放棄からもはやコーヒーの木そのものが減ってきているとの印象を受けた。現地の状況は、悪化の一途を辿るばかりである。 植林作業は村に着いた翌日から始まる。植林地であるレカラ(地名)では、既にこの4年間、村人による植林が取り組まれている。レカラは、かつてそこが森林保護区となる以前、政府の進めるアグロフォレストリー策とともに村人が入植し、畑とするため森林を切り開いた場所である。結局政府の財政難からアグロフォレストリー策は放棄され、約3haの森林伐採跡地だけが残された。

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【多くの村からやってきた村人たち】 昨年同様、今年のワークキャンプも、まず補植作業から入った。もちろんいきなり苗木を植えられるわけではない。場所によっては鬱蒼と繁茂したブッシュの刈り払い作業から始めなければならない。そうした場所でのブッシュの勢いは凄まじく、小さな苗木などはすべて覆い尽くされてしまっている。そのブッシュを、パンガと呼ばれる現地の山刀で、バッサバッサと切り払っていく。 レカラ植林地 ここ1、2年のワークキャンプでは、植林作業中に何度か雨に恵まれたのだが、今年は初日こそ降られはしたものの、その後はピーカンか良くて曇天という天気で、植林作業もかなりキツかったようである。リピーター参加者からも、「用意した水の減り方が、前とは全然違うよ」との声があがる。 今回のワークキャンプの特徴として、これまでにないくらい多くの村や地区から村人たちが参加したことが挙げられるだろう。多いときで6つの村からやってきていた。平坦地であればまだしも、遠いところでは5km以上も山道を登って来なければならない。彼らの植林への努力に、本当に頭が下がる。  もともとレカラは、今回ももっとも参加が多かったテマ村には属していない。隣のキディア村に属している。しかし長年植林に取り組んできたテマ村の村人と、キディア及びそれ以外の近隣の村人との間では、植林に対する取り組み意識に大きな開きがあった。これまでは、自分たちを取り囲む環境、とくに失われた森林を回復しようと植林に立ち上がったテマ村の村人たちが、たとえそこが自分たちの村に属していなくとも、植林活動を担い、引っ張ってきた。 しかしテマ村周辺での植林にほぼ目処がついてきたことから、TEACAも近隣の村に少しずつ植林活動を広げてきた。特にこれまでの森林保護区を中心とした植林活動から、住民居住区での植林に活動の主力が移ってきた結果、これまで以上に住民の自発性や意識を引き出していくことが、植林活動定着の鍵となってきた。Old Moshi(キディア村)における土地利用者植林は、その代表格といえるだろう。  TEACAによるそうした視点での取り組みの結果が、今回のワークキャンプに見られるような、多くの村からの村人達の参加に結びついてきているのは間違いない。

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ブッシュ刈り払い 【植林ワーク】  ワークキャンプ中の植林ワークは、先にも触れたように、まず植林地に繁茂する小灌木や雑草の刈り払い作業から始める。そしてそれらをまとめる地拵え作業、苗木の植栽位置を確定するメジャリングとマーキング作業と続き、次が植え穴掘り作業、そして最後にやっと苗木の植え付け作業に辿りつく。そのあとも期間中の降雨状況をみながら、必要な場合は灌水作業を行う。  ワークキャンプ中に一本でも多くの苗木を植えたいところではあるが、こうした一連のプロセスは外せない。できるだけ普段から村人たちが取り組んでいる植林の手順を、きちんと踏むようにしたいと考えるからである。 大雨期になれば、ときにその雨の中を村人たちは植林に取り組んでいる。彼らと共に鍬をふるっていると、村を守るための彼らの努力が、並大抵のことでないことが実感される。  今回のワークキャンプでは、レカラ植林地の主要なプロット(図1、A〜F)への補植、再補植をすべて終え、さらに新規プロット(図1、G)のブッシュの刈り払いまで完了した。植林樹種、本数は以下の通りである。

・Acrocurpus Fraxinifolius(豆科)       675本
・Cedrela Odorata(センダン科)        611本
・Grevillea Robusta(ヤマモガシ科)      68本
・Albizia Schimperiana(マメ科)         12本
・Cordia Abyssinica(ムラサキ科)         8本
・Croton Macrostachys(トウダイグサ科)    2本
・Mnevu(現地名、学名不詳)            4本
・計7樹種(うち東アフリカ原産4樹種)  1,380本

また、ワークキャンプ期間中の植林への参加者数は、村人、子供たち、ママ、苗畑グループメンバー、そして私たち日本人を合わせて、のべ521人であった。  村人たちによる植林活動は、ワークキャンプが終わった今も続けられている。本格的な大雨期を迎えたこれからが、彼らにとっての植林の本番である。

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【今後の見通し】 植林樹種の偏重を避け、ある程度の多様性を確保しつつ、なおかつなるべく原産種を取り入れながら植林を進めることを考えると、これまでの周辺地での実績から考えて、活着率80%がおおよその目標値として設定できる(それ以上は厳しい)。 今回初めて手掛けたプロットGを除く、プロットFまでを一区切りとして考えた場合、各プロットにおける活着率80%以上を目指すなら、これまでの補植結果と推移(表1、2)から考えてあと2〜3年は補植の網をかけていく必要があるだろう。  プロットA〜Cにかけては、植林地の特性も掴めており、ほぼ問題はない。プロットD〜Fにかけては、今回新たに取り入れたCedrela Odorataの正否が鍵を握っているといえる(レカラよりやや標高の低い植林地では、良好な結果を示している)。そして植林地全体での活着率は表2に示される通り、前年比約6%の上昇という状況である。


レカラ植林地全図


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手工芸品 【ワークショップ】  また今回のワークキャンプでは、現地協力活動に絡む2つのワークショップも開催した。  一つは、村人たちの収入向上に向けた取り組みとして検討を始めている「手工芸品」のワークショップ、もう一つは、コーヒー生産者グループ支援の一環として、現地の伝統的なコーヒーの作り方(焙煎、粉砕)を学ぶ「コーヒーワークショップ」である。  手工芸品ワークショップでは、キリマンジャロ山麓に住むチャガの人々の主食である、バナナの茎の皮を使った「手作りカード」の作成に全員で取り組んだ。  お互いに協力活動を進めていく上で、その実際を知っておくことはとても大切である。たとえば手工芸品ワークショップでは、検討会などで出されていた作成プロセス上の疑問点(=謎)を村人に教えてもらったり、逆にメンバーからは、日本で検討していた「型」のアイデアなどを提案した。  このように、お互いに一回で終わってしまう関係ではなく、双方で学びあい、アイデアや工夫を出し合いながら、その後も息長く共に考えていけるような関係作りを、これからも心掛けていきたいと考えている。




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【〜植林実績班の記録メモから抜粋〜】

交流 ・自分は体力に自身があると思ってたけど、すぐに疲れてしまってショックだった。現地の人はすごい。ナメクジを何匹か刈っちゃった、ごめんなさい。
・パンガを使うのはまだ難しいけど、少しずつコツが分かってきた。今日はくもが多くてあまり照らなかったけど、やっぱりバテた。
・プロットEでは急な斜面での刈り払いが大変で転んでしまった。明日からは穴掘りです。ガンバルぞー!
・初穴掘り。初くわ。皆さんいくつ掘れましたか?穴掘りでは、下草刈りの重要さがとてもよく分かった。


・今日で植林も最後となりました。村人と共に作業することは、とても楽しかったです。村長さんをはじめ、とても私たち日本人に感謝してくださり、すごく嬉しく思います。キリマンジャロのために、タンザニアのために、そして村人のために、少しでも役に立てたということをすごく嬉しく思います。私たち日本人こそが自信をつけさせてもらいました。20年後、このキリマンジャロが木でいっぱいになることをとても楽しみにしています。みんなで20年後に集合だっ!

伝統舞踏


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このワークキャンプには、現地の人々の考え方や生き方、伝統や習慣を尊重し理解しようという気持ちのある方ならどなたでも参加できます。ワークキャンプに関するご質問、資料請求等は、以下までお気軽にお問い合わせ下さい(資料請求の方は、住所等の連絡先を忘れずにご記入下さい)。



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