山頂に万年の氷雪をいただくアフリカの最高峰キリマンジャロ。そのキリマンジャロの懐、テマ村のオリモ小学校に、たくさんの子供たちの歌声が響く。  赤道直下の太陽と氷雪輝くキリマンジャロ、こぼれんばかりの笑顔と白い歯、はずむ歌声に迎えられ、今年もワークキャンプの幕は切って落とされた。



現地の人たちとの集合写真【これまでで最長となったワークキャンプ】  ワークキャンプが開催されたのは、2月6日〜27日までの22日間(参加者25名)。このワークキャンプは、私たちが村落植林活動を支援しているタンザニアのキリマンジャロ山麓にあるテマ村で、失われた森林を取り戻すために村人たちが取り組んでいる植林活動に、私たちも共に参加するものだ。  キャンプ地となるオリモ小学校へは、四駆車を使って、キリマンジャロの麓の町モシから1時間ほど山を登る。昨年、オリモへと至る道の拡幅工事がなされ、雨期には車で近づくことを拒否するかのように立ちはだかっていた幾つかの難所が、見事にならされていた。雨期には重大な事故を招くこともあった道である。多くの村人には、「やっとこれで」という思いがあるだろう。  さあ、もうすぐ学校だ。待ち構えている子供たちには、もうこの車のエンジン音が聞こえているに違いない。ほら、聞こてきた、子供たちのあの歌が!

♪ Welcome our guests welcome, Welcome our guests welcome,
We are happy, we are happy, We are happy to say welcome ♪


子供たちと



【レカラ植林地】  今年の植林作業は昨年と同様、レカラ(植林地名)で行った。レカラはかつて村人が入植し、畑とするため森林を切り開いた場所である。その後森林保護区となって村人が追い出されたため、切り開かれた約3haの森林伐採跡地だけが残された。  レカラ一帯はこの付近の水源の一角をなしており、ここ30年ほどの間に減ってしまった地域的な水量をこれ以上減らさないためにも、かつてのような森林を取り戻すことが望まれていた。

【予想された厳しい活着率】 長い年月、裸地化したまま放置されてきたレカラの状況は厳しい。また単に放置されてきただけでなく、土壌と水分条件が厳しい。同じ3haの中でも、それらの条件はかなり変化し、その変化がそのまま上部植生(ブッシュなど)の変化となって現れている。  このようなレカラでの植林計画とその見通しについて、2000年のワークキャンプ報告書の中で次のようにまとめている。  “今回の植林地であるレカラは、約3haの面積がある。ワークキャンプでは、ここをすべて植林していく計画である。植林が完了するまでに3年、原生種を取り入れながらの植林という点も考えると、活着率もこれまでのような80〜90%台という高率の数字を期待するのは無理だろう。初期生長の調査を経て3年後から補植を始めるとして、ある程度の結果を出すのに最低6年、そしてこのレカラに森林が回復するのには、15年〜20年の年月が必要となる。ワークキャンプに参加したみなさんが関わった植林とはそういう植林なのだ”。  現状はまさにこの通りに推移しているといって良いだろう。3年目にあたる今年、レカラでの植林はプロットFを残したとはいえ、当初の計画通りほぼ完了した(図1、表1)。そのプロットFも、今年中に村人たちによって植林を完了する予定である。  そして今回のワークキャンプで特徴的だったのは、植林開始後3年が経ち、過去2年間の植林結果を受けて、いよいよ本格的な補植作業に入ったことである。表1からも分かるように、今回のワークキャンプにおける植林総数1,467本のうち、実に77%、1,112本が補植である。繰り返し繰り返し、粘り強く補植をかけていくことで低い活着率を補い、確実に森林の回復に結びつけていくというのが、ここレカラでの植林の取り組み手法である。


レカラ植林地全図 レカラ植林実績及び活着率


植林作業 【植林ワーク】 植林作業は、まずパンガを使って生い茂った雑草やブッシュを刈り払うことから始める。過去の植林地の下草刈りも含めた作業であるが、雑草やブッシュは、過去に植えた苗木がどこにあるか分からないほど繁茂しているから大変である。刈り払い後の植林地には、小さな苗木たちが顔を出し、葉を伸び伸びと広げて気持ちよさそう。私たちが刈り払い作業をやっている間に、一部の村人たちが刈り払ったブッシュの等高線配置と、植え穴位置確定のためのメジャリングとマーキングの作業をやってくれている。  その次が植え穴掘り作業。補植が多かった今年は、例年に比べると刈り払い作業も穴掘りも楽な方ではあったが、それでも、慣れない日本のメンバーにはキツイ!なにしろ木を失って硬くなった土壌を、しゃがんだら自分がすっぽり入ってしまうくらい掘らなくてはならないのだから!  カン、カン、カン、カン!植林地に、村人手持ちの鐘の音が響きわたる。「きゅーけー!」もしくは「しょくじー!」の合図である。「待ってました!」の瞬間。食事は植林現場でとる。疲れた体に、甘〜いチャイ(現地のミルクティー)の美味しいことといったら!そして青空の下で食べる食事の、これまた何と気持ちのいいこと!食後は午後の作業が始まるまで子供たちと遊んだり、植林地に大の字になって寝そべったり。これもワークキャンプの風物詩である。  植え穴掘りまで終わると、一番最後がお待ちかねの苗木の植え付け作業。今回植えたのは、Albizia Gummifera(豆科)、Albizia Schimperiana(豆科)、Acrocurpus Fraxinifolius(豆科)、Croton Macrostachys(トウダイグサ科)、C.Megarocurpus(同)、Grevillea Robusta(ヤマモガシ科)、Pinus Patula(マツ科)、Mnevu(現地名、学名不詳)の7樹種である(うち原生種4樹種)。 これまでの植林結果を受けて、今年は植林場所による条件と樹種による適性を相当絞り込んで対応した。ここでの植林結果とその経験は、村人たちが植林活動を進めていく上で、今後大きな指針と判断材料を提供してくれることになるだろう。 今回のワークキャンプ期間中、植林に参加した人数は、村人、子供たち、ママ、苗畑グループメンバー、そして私たち日本人を合わせてのべ490人、植林本数は合計1,467本であった。

【メンバーによる図書プロジェクトの取り組み】  タンザニア・ポレポレクラブでは、メンバーも試行錯誤を重ねながら、独自に現地協力に取り組んでいる。その一つが「図書プロジェクト」である。これは現地で不足している図書の充実に協力していくもので、今回は現地から必要図書をリストアップしてもらい、そのニーズを取り入れながら現地で購入したほか、ワークキャンプメンバーが現地で本屋さんを回り、良さそうだと思う図書を購入するなどした。  今後はさらに、現地で不足している辞書を私たち自身で手作りし、支援していこうという新たな取り組みへも発展していきそうである。

【手工芸品ワークショップ】  さらに今回のワークキャンプでは、収入向上に向けた現地協力の取り組みとして、昨年からメンバーが検討を始めた「手工芸品」のワークショップも開催した。今回開催したのは、バナナを使った手作りカードのワークショップである。  当日はカード作り職人をしていた村人の指導を受け、自分たちで思い思いにデザインしたバナナのカード作りに挑戦してみた。簡単そうに見えて、やってみるとなかなか思うようにはいかないものだ。しかし今後手工芸品プロジェクトを検討していく上でも、そのプロセスを知るだけでなく、実際に体験してみることで役に立つことがたくさんある筈である。

【ワークキャンプという非日常の中の日常】 このワークキャンプは植林を目的としたものである。しかしそれと同時に、私たちがアフリカと、アフリカの人々の素顔に触れ、その日常に体ごと飛び込んでくるものでもある。  ワークキャンプでは、私たちは様々な価値観と出会うことになる。それは自分とは異なる価値観かも知れないし、或いは自分たちと本当は同じなのだという、自分自身に内在してきた価値観との、新たな対峙かも知れない。そうしたすべての気付きが相手への理解であると同時に、自分自身、そして日本という自分の中の日常への問いかけである。  これからも現地の人々と、長くお互いに励まし合い、そしてお互いの存在が元気に繋がっていくような関係を築いていきたいと考えている。それと同時に、彼らが気付かせてくれた私たちの日常への問いかけを、これからの自分たちの生き方の中に少しでも活かしてもらえるなら、ワークキャンプを開催する者として、これ以上の喜びはない。


ワークキャンプ、この一枚! (ホームステイ先にて)

ホームステイ

家事を手伝いながら、何の話題で盛り上がっているのカナ?
現地の主食“ウガリ”の原料であるメイズ(モロコシ)の実を
芯からとっているところですね!



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