〜 子供たちのスタディツアー 〜


今回のワークキャンプでは『子供たちのスタディツアー』にも同行した。

『子供たちのスタディツアー』とは、タンザニア・ポレポレクラブが教育支援の一環として実施している事業の一つで、毎年現地の小学校を対象として、子供たちが環境破壊の現場を見たり、村の外で活躍している国際/ローカルNGOの活動地を訪問したり、公共・社会施設あるいは現地民間企業の工場を見学したりなどの機会を設けている。いわば日本の小学校の社会科見学のようなものである。

現地の多くの子供たちにとって、自分たちの世界とは家と学校と教会とを結んだ限られた範囲の中であり(牧畜民はその限りではないが)、村の外の環境や人々の暮らしぶり、様々な活動や知識に触れる機会がほとんどない。たとえば村の多くの子供たちは、キリンやゾウなどの大型の野生動物を見たことがない(!)。そうした動物たちは、高い入園料や宿泊費を払わないといけない国立公園にいるからである。

そこで、子供たちに少しでも自分たち自身の国のことや村の外のことにも触れられる機会を設けたいということでこの支援事業は始まった。

毎年どこの小学校を対象とするかはTEACAと協議して決定し、どこを訪問するかは、当該の小学校の先生方を含め、話し合ってが決めている。今回は外資系の鉱物掘削・加工工場、乾燥地の小学校、飛行場、刑務所、苗畑グループを訪ねた。

先生方の説明がちょっと行き当たりばったりかなー、という印象はあったが、なにせ貸切りバスで出掛けるなどは子供たちは生まれて初めてのことなので、随分前からワクワクドキドキでこの日を楽しみに待っている。当日ともなればもう、バスの中は大騒ぎである!!

そんな中で訪れた乾燥地の小学校。近くの井戸の水には塩分が混じり、飲用、調理用には適さず、生活のためには毎日片道3kmほどの道のりを歩いて、バケツに水を汲んでこなければならない。しかもその水はタダではない。水位が下がると、その水自体が手に入らない。学校には700人の生徒に対して教師は8人しかおらず、しかもイスも机も足りない。給食はなく、お金のない子はお腹をペコペコに空かせたまま授業を受けている。

キリマンジャロの山から来た子供たちは、思わず「ここでは暮らせないよ」と言っていた。しかしその小学校の先生方は言った。「昔はこの辺でも水があったんだよ。山にまだ木が沢山あった頃はね。でも、山や村の周りから木がなくなっていくと、水もなくなってしまったんだ」。

キリマンジャロの村から来た子供たちは、自分たちが暮らしている山と、この乾燥地の思わぬ繋がりを実感できただろうか?まだピンとこなかったかな??

キリマンジャロの山の中はほとんどがチャガ民族で占められている。だから学校の子供たちも、ほとんど100%がチャガの子供たちである。しかし平地では、タンザニアのいろいろな民族の子供たちが一緒に仲良く学んでいる。牧畜民もいれば農耕民もいる。するとまた乾燥地の小学校の先生が言った。「そうか、君たちはチャガか。みんな仲間だ、握手しよう!」。言われた子供たちはちょっとキョトンとしていたが、そんな自分たちの国のことも、実感を持って感じてくれたかも知れない。

今度はぜひ乾燥地の子供たちが、キリマンジャロ山の小学校を訪れる機会をつくってあげたいと思う。


バスの中は大騒ぎ! 「この水、飲めないんだって」















     (写真上) バスの中は大騒ぎ!

     (写真右) 「この水、飲めないんだって」










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