2012年 その他事業の活動履歴


 ●2012年  12月 TEACA裁縫教室、両親とのミーティングを実施
          10月 伝統水路とキリマンジャロ山の農業の未来
           7月 タンザニアのイベント「環境デー」にTEACAが参加
           5月 今年も子どもたちのスタディツアーを開催しました
            1月 小学校への文具支援を実施しました



■ TEACA裁縫教室、両親とのミーティングを実施('12/12)■


 カウンターパートのTEACA(Tanzania Environmental Action Association)が事務所に併設された教場で運営している裁縫教室(2年間コース)。その裁縫教室で、生徒のご両親を集めたミーティングが開催された。TEACAはこうしたミーティングを年3回開催しており、生徒の技術進度のフィードバックやカリキュラムに関する要望の聞き取り、また授業料の納入状況などについて話し合っている。

 ただ今回は、これまで受験していた国家試験が政府の方針転換により、公立の技術学校卒業の生徒しか認められなくなったことから、その対応を話し合うために緊急に開催したものだ(これまでは、政府が受験のための条件を備えていると認めた民間の公認校も受験が出来た)。

 政府の突然の決定に、現在のところ有効な打開策がない状況であるが、この方針転換は公認を得ていたその他の多くの民間校にも大きな打撃を与えており、当会とTEACAは、今後こうした他の学校とともに、まずは公立校であるVETA(Vocational Education and Training Authority、職業教育訓練公社)を通し、監督省び教育職業訓練省に善処を求めていくこととした。


 TEACAの裁縫教室では、最近はほぼ生徒全員が国家試験に合格する結果を出していただけに、ミーティングに出席した両親たちの落胆も大きい。何とか再度受験資格が得られるよう、粘り強く交渉していくつもりである。




 (写真1、2)ミーティングに集まってきた両親と生徒たち



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■ 伝統水路とキリマンジャロ山の農業の未来('12/10)■


 ここ数年の現地調査では、毎回キリマンジャロ山に暮らすチャガ民族が建設した伝統水路の調査を実施している。今夏の調査では、前回に引き続き、"キセレチャ水路"(テマ村)の調査を行った。

このキセレチャ水路はすでに放棄された水路であるが、その長さ、流路・設計の複雑さ、カバーするエリアの広さ等において、他の伝統水路を圧倒する高度で精緻なものであったことが分かっている。たとえば同じエリアにあるマチャ水路、ムボヤ水路、マエダ水路、ムレマ水路の全長がそれぞれ2.7km、2km、4.3km、4.1kmであるのに対し、キセレチャ水路のそれは7.6kmに達し、なおかつ名前を変えてさらに低地まで流下していた。また水源と水路末端との高低差も、同223m、234m、294m、330mに対し、同679mと、他の水路の2〜3倍、スカイツリーの高さを超える高低差のエリアに配水をしていた。

この水路が卓越しているのは、長さや高低差といった水路の規模のみならず、主水源となっている川の流量安定確保のために、尾根を越えた他の水系から補助水路を引き、水を増量させていたり、家ほどもある巨岩の下を掘り抜いて水を通していたり、小さな谷や崖の縁を、チャガ語で"Ilalo"(写真)と呼ばれる木の筧を使って水を渡していたりと、技術的にもたいへん高度な点である。




 (写真1)かつてこの道の上に"Ilalo"が設置され、そこを水が流れていたという。




 (写真2,3)"Ilalo"によって崖の脇を流れる水。



 冒頭にも触れたように、この水路はその後、政府が敷設した給水パイプラインとの水源の競合や、複雑な流路ゆえのメンテナンスの困難さ、コーヒー産業の不振等による、村からの若年層の流出(=メンテナンスに不可欠)等々、時代の変遷とともに巻き起こった様々な要因により、現在は放棄されてしまっている。いまや多くの村の若者達は、この水路の存在すら知らない。

その一方で、降雨の減少等により、現在も運用されている伝統水路の重要性は増すばかりである。その水源をいかに守り、そして時代の流れの中で、これからも伝統水路の持続的な維持・管理をいかに担保していくか、いけるのかは、キリマンジャロ山の農業の未来を握る、重要な要素となってくるであろう。


 当会では引き続き伝統水路に高い関心を持って活動に取り組んでいくつもりである。当面はテマ村内の主要水路をすべて踏査調査し、GPSデータををもとにした水路マップを作成していく。それにより森ー伝統水路ー伝統農法の強い繋がりが誰の目にも明らかになるようにし、とくに農業における水路の重要性を、若年層にも伝えられるようにしていく。また放棄水路の復旧、既存水路の改修支援にも同時並行して取り組んでいく。

さらに、伝統水路の維持管理は、地域やその住人の自助努力のみに課題を預けてしまうのではなく、今後外的な要素によっても支えられていく仕組みを考えていく必要があるだろう。たとえば先のキセレチャ水路のような先人の卓越した知恵と技術がいかされていた水路は、観光資源としても十分価値があると考えられる。今後コミュニティベースドツーリズムの導入などによって、資金的側面からも、持続的メンテナンスをサポートしていけるような取り組みも行っていきたいと考えている。(ただし、これについてはまだまだ先の課題である)。



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■ タンザニアのイベント「環境デー」にTEACAが参加('12/07) ■


ミニニュースレター56号(※)でもご報告しましたように、現地カウンターパートのTEACA(Tanzania Environmental Action Association)が、タンザニア全土で開催
された「環境デー」のイベントに参加しました。ご報告の詳細はそちらに譲るとして、ここでは現地から届いた写真を中心に、当日の様子をお伝えしたいと思います。

※ ミニニュースレター56号 抜粋記事 → こちら



TEACAのブースで熱心に話を聞く訪問者ブースを訪れた小学校の生徒たち

(写真左) TEACAのブースで熱心に話を聞く訪問者。会場にはビデオデッキを持ち込み、キリマンジャロ山の
       国立公園内でこの大雨季に取り組んだ、地域主体による植林の模様を伝えた。
(写真右) ブースには国内で取り組まれている実践的な環境への取り組みを学ぼうと、多くの学校の
       生徒さんたちも訪れ、たくさんの質問をしてくれました。



キクウェテ大統領に取り組みを説明するTEACAのンジャウ氏キリマンジャロ州知事もブースを訪れる

(写真左) キクウェテ大統領に、衛星画像データを用いたキリマンジャロ山の森林減少と住民による
       植林活動の効果について説明するTEACAリーダーのンジャウ氏。
(写真右) キリマンジャロ州知事もTEACAの州内における取り組みに高い関心を示してくれました。



海外のNGOもTEACAの活動に注目養蜂事業によるハチミツの展示

(写真左) 海外のNGOもTEACAの活動に注目していました。TEACAの養蜂事業についての説明を受け、
       ラングストースタイプの改良養蜂箱を見学しています。
(写真右) 養蜂事業により収穫されたハチミツの展示。ミツバチとハリナシバチ両方のハチミツを展示し、
       ブースを訪れた方には、実際に味わっていただきました。



タンザニアにおける最優秀環境NGOに選出養蜂事業によるハチミツの展示

(写真左) この日、副首相府がタンザニア全土を対象に実施していた、環境活動評価に対する結果発表も
       行われTEACAが同国における最優秀環境NGOとして選出された。キリマンジャロ州知事から
       表彰を受けるTEACAリーダーのンジャウ氏
(写真右) 授与された表彰状とトロフィーを手にするTEACAのリーダーの面々。




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■ 今年も子どもたちのスタディツアーを開催しました('12/05)■


当会では、毎年タンザニアの小学校を対象に「子どもたちのスタディツアー」を開催しています。これまでにタンザニアの工場や動物園、飛行場を見学したり、山の小学校と半乾燥地にある小学校との交流を実施したり、放牧民が暮らす地域に行って環境の違いについて学んだり、そんな機会を提供してきました。

ここ数年は、"民族の伝統と文化を学ぶ"をテーマとして、キリマンジャロ山麓の小学校を対象に、彼らの出自民族であるチャガ民族について学ぶツアーを実施しています。今年スタディツアーを実施したのは、キリマンジャロ山の標高約1,500mにあるフォイェニ小学校。

訪れたのは、キリマンジャロ山の登山口として知られるマラングーの近くにあるチャガ民族博物館。ここにはチャガ民族の伝統家屋や穀物貯蔵庫、道具、楽器、武器などがたくさん保存、展示されています。そのどれもが、今ではほとんど見ることの出来なくなったものばかり。そして案内役の館長さんが、ユーモアたっぷりに、昔のチャガ民族の暮らしぶりについて話してくれます。子どもたちは知らなかったことばかりなので、もう目をパチクリ。

そしてクライマックスは、昔(といってもほんの100年ほど前までのこと)、同じチャガ民族同士やマサイ民族との争いの時に使っていた地下トンネルの見学。タンザニアには普通のトンネルすらないので(洞窟はありますが)、子どもたちにとってはまさに驚異の世界!自分たちのご祖先様が人力で掘って、しかも中には煮炊きする場所など、様々な部屋まであったのですから。

タンザニアではキリマンジャロ山に限らず、若い世代からどんどん昔の知恵や伝統が失われています。私たちはこれからも、彼らのような子どもたちが、先人の知恵や自分たち民族の伝統、文化に触れ、学んでいけるようなスタディツアーを続けていきたいと考えています。



地下トンネルを見学しているところ

地下トンネルを見学しているところ



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■ 小学校への文具支援を実施しました('12/01)■


私たちの現地カウンターパートTEACAは、その立ち上げ以来、キリマンジャロ山の各地で村人たちを指導し、その地域の小規模苗畑グループとして育ててきた。

同様に学校でも植林活動を指導しており、現在Fumvuhu、Riata、Manuの各小学校で生徒たちが苗木を育て、学校の周りや地域の村人たちと一緒に植林に取り組んでいる。今年度はさらに小学校2校、中学校2校が加わる予定である。

こうした学校には、生徒たちが環境のこと以外にも様々なことを学べるように、毎年1校ずつのローテーションでスタディツアーを実施している。また彼らの学ぶ環境を少しでも整え、さらに植林活動の励みともしてもらえるよう、ノート、鉛筆、ボールペンを支援している。

写真は、キリマンジャロ山麓キルワ・ブンジョー地区にあるManu小学校にこうした学用品を配布したときのもの。同校には、このほか男子用にサッカーボールを、女子用にバスケットボールを寄贈した。





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