2010年 その他事業の活動履歴


 ●2010年   10月 地域主導の森林管理の実践事例の調査を実施
            7月 2010年度事業方針
            5月 TEACA事務所にパソコン導入
            3月 キリマンジャロ山のコミュニティツーリズム視察を実施



■ 地域主導の森林管理の実践事例の調査を実施('10/10)■


キリマンジャロ山の森林を守り、地域住民の生活を守るために、当会は地域主導による森林管理の実現が必要だと考えている。そしてその実現を図るために必要な取り組みとして次の4つを掲げている。(1)緩衝帯にまで拡大適用された国立公園の押し戻し、(2)地域主導による森林管理の仕組み作りと体制構築、(3)その法制化、(4)地域住民の森林保全に対する内発的意思の側面支援。

この4つのうち4番目の課題は、事務局アルバイトが業務ミッションとして取り組んでいることである(詳しくは当会ホームページ http://polepoleclub.jp/civic_activities.html を参照)。同時に、現地の村人たちに地域主導による森林管理の実例を見てもらい、現場で学んでもらうことも、彼らの森林を守る/守れるという意識を強化し、後押しする大きな機会となる。

そこでタンザニアにおいてその先進的事例である「SULEDOプロジェクト」(アルーシャ州キテト県)の視察調査を、TEACAのリーダーとともに実施した。"SULEDO"はプロジェクトの中心となっているSunya、Lengatei、Dongoの3つの区の頭文字を取ったもので、その中の9つの村が連合して統一的な森林管理を行っている。

SULEDOにおける森林管理はタンザニアの森林管理制度上"CBFM"(Community Based Forest Management)と位置づけられるものであるが、その実現に至るプロセス及び管理実践のあり方は、まさに上記の4つの課題を一つ一つ住民たちがクリアしていった結果ともいえるものであり、私たちが予想していた以上のものであった。

集まった村のリーダーたち

SULEDOで森林管理を担う村のリーダーたちとの打ち合わせ

自らの森林管理に寄せる彼らの自信と誇りは、「私たちは100%グラスルーツだ」と言い切るその言葉に集約されていた。対象となる森林面積や気候、住民の生活体系などが異なることから、キリマンジャロ山の森林管理とSULEDOの実践例をそのまま一律に見ることは出来ない。しかしキリマンジャロ山の村のリーダー、村人たち、そしてそこを管轄する政府の森林部局関係者にとっても、SULEDOでの取り組みには学べることが山ほどあると思われた。

そこで当会では今年度、これらの関係者すべてを対象として、SULEDOプロジェクトへの研修を行う予定である。


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■ 2010年度事業方針 ('10/7)■

【 教育支援 】

1.小学校への文具支援

 文具支援は、子どもたちが学ぶ環境と学業意欲の向上をはかり、さらには植林や育苗活動等、普段の努力に対する努力賞としての意味合いもあり、2010年度も継続実施する。
 実施対象校は、2010年度同様、小学校4〜5校を検討している。ただし予算の制約から、スタディツアー実施校については、支援を見送る可能性がある。

2.子どもたちのスタディツアー支援

 昨年度初の試みとして、「自分たちの伝統、文化」をテーマに設定したスタディツアーを実施した。その実施後評価を、対象校であったフォイェニ小学校側と行う。その結果を受けて、2010年度も同じテーマで実施するか、あるいは従来実施してきた環境教育をテーマとしたものに戻すかどうかを決定する。
 ただし実施対象校は、フォイェニ小学校に限らず、TEACAと協議のうえ決定することとする。


【 研 修 】

1.民族の知恵と生活文化の伝承に向けて

 2009年度に実施した、村人を対象としたスタディツアー(コミュニティベースドツアーの視察)に関しては、自分たちの身の回りにある自然やその資源、森との関わりを再認識していくうえで継続していくことが重要だと考えている。
 ただし同じ場所で実施する(=より幅広い村人に、同等の学ぶ機会を提供する)か、さらに新たな知識の吸収に努める(=前年度と同じ村人を対象に、別の場所で実施する)かについては検討の余地がある。
 キリマンジャロ州の隣、アルーシャ州で質の高いコミュニティベースドツアーが実施されているとの情報もキャッチしており、2010年度はなるべくその実態把握に努めたいと考えており、スタディツアーの実施はその上での判断としたい。



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■ TEACA事務所にパソコン導入 ('10/5)■



現在カウンターパートのTEACAには、5人のリーダーがいる。1988年にTEACAが立ち上がって以来、これまで業務処理はひたすら手書き、手計算、手作りで処理してきた。活動の拠点であるキリマンジャロ山麓のテマ村に電気がなかったという事情もあるが、事業分野の拡大、各事業内容の複雑化から、一人一人の業務負荷は極めて高いものとなっていた。

しかしその後村の一部にも電気が入り、事務所への電線の引き込みも完了したことから、パソコンの導入による業務の効率化と負荷軽減が懸案となっていた。

そこで4年前からリーダーを一人ずつパソコン研修に参加させ、基本操作と知識を習得させるとともに、懇意にしている教会から中古パソコンを借りてきて、練習を続けてきた。そして5年目の今年、ついにパソコンの導入に踏み切った。村に電話回線はないためインターネットは使えないが、文書及びデータ作成に、さっそく大きく貢献している。


導入されたパソコン

導入されたパソコンとTEACAのリーダー


突然の停電が当たり前なので、いざという時に備えて、バックアップ電源を装備しているのが日本とは少し違うところ。

業務の効率化が図れたのは喜ばしいが、さっそく近くの小中学校からテストの原紙作成を頼まれたりして、便利になった分忙しくなるというのは、日本と変わらないようである。


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■ キリマンジャロ山のコミュニティツーリズム視察を実施 ('10/3)■



テマ村の村人たちは、20年間にわたって植林に取り組んできました。それは森林減少によって脅かされつつある自分たちの生活を守るためです。森は雨の恵みをもたらし(=キリマンジャロ山から流れ出る水の96%は、森林帯に降る雨によってもたらされています)、その水を利用した伝統水路は、彼らの農業を支えています。

しかし森の重要性は、もちろん水だけにあるのではありません。薪や家畜の飼料、薬草など、日々の生活に欠かかすことの出来ない多様な資源を直接提供し、あるいは土砂崩れを防ぎ、環境を安定させるなど、間接的にも彼らの生活を支える大きな役割を果たしています。それだけではありません。キリマンジャロ山に住む彼らチャガ民族は、古くから森と深く関わりながら、彼らの生活体系や文化を築いてきました。森の中には、彼らの儀式にとって大切な場所、野生動物を獲るための落とし穴、民族紛争の時に使った塹壕やトンネルなど、いまや少しずつ忘れ去られようとしている彼らの知恵や伝統の痕跡が各所に残っています。

森を「環境」という視点で守ると同時に、彼らの大切な「文化」や「伝統」、「知恵」という視点からもあらためて見つめ直し、その価値を評価できるようになることが、とても大切であると私たちは考えています。

そこで今回、活動地であるテマ村とキディア村の村人たちを対象に、キリマンジャロ山麓ですでにコミュニティベースドツーリズムに取り組んでいる2つの村を訪ねるスタディツアーを実施しました。それぞれの村で自分たちの村、生活、伝統、文化の何を大切なものとして認識し、外に向けて発信しているのか、それはなぜなのか、そうした事を具体的事例の中から学び取ってもらうことを目的として実施したものです。

スタディツアーに参加した村人たち

スタディツアーに参加した村人たち

普段当たり前のように自分たちの身の回りに存在するもの、行っていることなどは、案外その現場にいる人たちにとって、その重要性や希少性に気づきにくいものです。その当たり前の中にどんな価値があるのかを再認識するには、こうしたコミュニティベースドツアーへの参加は打ってつけだといえます。

参加したツアーでは、村に残る遺構や自然が重要な構成要素になっていること、歴史上の出来事を伝えられること、学校に伝統的な家や薬草園を作り、子どもたちに伝える取り組みをしていること、村のNGOが運営に当たり、その収益が村の開発基金となって役立てられていることなど、地域にある有形無形の資源が持っている価値を、あらためて見直す良い機会とヒントに繋がったのではないかと思っています。

一方、とくに歴史的遺構や自然物については、今後の保存状態について懸念されるところでもありました。参加したテマ村、キディア村の村人たちは、その貴重さが失われることのないよう、同じチャガ民族としてしっかり守っていって欲しいと伝えていました。もちろんそれは彼ら自身にとっても言えることなのです。

ポレポレクラブではこうした具体的事例に学ぶスタディツアーを、引き続き支援していく計画です。そこでの学びと経験を、今度は自分たちの村の中に目を向け、活かしていく取り組みも始める予定です。

伝統家屋の中で熱心に説明を聞く

伝統家屋の中で熱心に説明を聞く



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