2020年 植林活動の履歴


 ●2020年
   11月  キリマンジャロ山の森林火災から1カ月半
    8月  プロサバンナ事業の中止に思う
    5月  キリマンジャロ山で植林実施
    4月  村人たちと目指す夢−『みつばちの森』
    3月  植林にもコロナウィルスの影響
    1月  2019年の年間降雨結果出る



■キリマンジャロ山の森林火災から1カ月半 ('20/11)■


10月11日に発生したキリマンジャロ山の森林火災

10月11日に発生したキリマンジャロ山の森林火災


10月11日にキリマンジャロ山の登山ルート・マラングルート上で大規模な森林火災が発生して1カ月半。炎は推定95.5平方キロメートルといわれる植生を焼いて鎮火しました。

以下の当会フェイスブック記事でも触れたように、森林火災自体は昔からキリマンジャロ山で発生していました。

・フェイスブック「キリマンジャロ山で大規模な火災発生」 → こちら

しかし減り続ける降雨と乾燥化のため、発生する火災の頻度は増える傾向にあります。さらに今回の火災は規模も大きく、キリマンジャロ山にある植生の約6〜7%ほどが失われたと考えています(以下の記事でタンザニア国立公園公社は山の総面積の5%としていますが、これは国立公園面積の間違いでしょう)

・現地紙Citizen(10/17付)記事
“Kilimanjaro fire has destroyed 95.5 square KM of vegetation” → こちら

東京ドーム2千個分以上が燃えてしまったことになり、当会が山麓住民と取り組んでいる植林でこれをカバーしようとすれば100年以上かかってしまいます。世界遺産でもあるキリマンジャロ山での深刻な森林火災にユネスコも懸念を表明しています。

今回の火災を受けて、さっそくキリマンジャロ山の火災とそれが森林に及ぼしてきた影響に関するレポートなども出されています。

・“Fires shaped Mount Kilimanjaro’s unique environment. Now they threaten it”
 → こちら

このレポートは、キリマンジャロ山の植生を長く研究している著名な植物分類学者が今回の火災後に発表したものですが、キリマンジャロ山では人為及び火災によって、この1世紀ほどの間に50%の森林が失われたと指摘しています。

このような森林減少に立ち向かい、キリマンジャロ山の貴重な自然生態系を守っていく取り組みは欠かせません。しかしその方策としてこのレポートで述べられている国立公園公社による森林帯の一元的管理、国立公園の山麓低地へのさらなる拡大には異論のあるところです。

キリマンジャロ山にはそこに長く住み暮らしてきた人々がいることを忘れてはならないでしょう。人の視点を欠いた自然保護論は今のキリマンジャロ山が実際にそうであるように、極めていびつな結果しかもたらしません。

今回の火災を契機にまたぞろ人間排除による自然保護論が持ち上がることを懸念しています。


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■プロサバンナ事業の中止に思う ('20/8)■


キリマンジャロ山とその森

キリマンジャロ山とその森


タンザニアの隣国モザンビークでJICAが35億円のODAを使って進めてきた大規模農業開発プロジェクト「プロサバンナ事業」が中止されました。

地域住民の声を受け止めることなく、現地裁判所から違憲の判決が下されようとも、それらを顧みることなく進められてきたこの事業。中止は当然の判断なのですが、それでも本当によく止まったものと思います。プロサバンナ事業が開始されて8年、この事業の問題点を指摘し続け、声を上げ続けた方々の不屈の努力の結果だと心から敬意を表したいと思います。そして命の危険さえある中で反対の声を上げてきた現地農民の方々の恐怖はいかばかりであったかと想像します。

茂木外務大臣は会見で「中止ではありません、完了です」と言っていましたが、本当に落胆させられました。検証しないということでしょうか。巨額の国費を投入したにも関わらず、中止に追い込まれたODA事業のどこに問題があったのか、二度と同じ問題を他国や同じ国で繰り返さないためにも、事業の検証とその反省を今後に活かすべき貴重な機会ととらえるのがあるべき姿勢ではないでしょうか。

今回のプロサバンナ事業の中止に、あらためてキリマンジャロ山の森の問題を重ねてみていました。そしてその解決の困難さを、あらためてひしひしと感じていました。キリマンジャロ山の森を守るためとして山麓住民の生活の森(日本の里山にあたる)にまで広げられた国立公園。日本のODAは幸いにしてからんでいませんが、地域住民の声を無視し、声を上げる者が恐怖する事態となっていることはプロサバンナ事業と変わるところはありません。

しかしキリマンジャロ山の住民は孤立無援の状態に置かれています。プロサバンナ事業では様々な国の組織、人々が、そして日本のNGO、市民、国会議員が、この問題に立ち向かっていきました。それでさえ解決まで8年の年月を要しました(まだ手放しで喜べる状況とまではいかないようですが)。一方、キリマンジャロ山では世界遺産という魔物の前に、世界のどのNGOも声を上げません。山麓住民は孤立無援の中で苦しみ、声を上げることさえ難しくなっています。当会は国立公園が里山の森にまで拡大された2005年以来、山麓住民と力を合わせ、彼らの命と生活が守られるよう取り組んできました。しかし問題が起きてすでに15年。いったい解決まで何年かかるのか、そもそも解決できるのか、そんな思いがしました。

しかしプロサバンナ事業の中止は、諦めずに取り組み続けること、声を上げ続けることの大切さを示してくれたと思っています。キリマンジャロ山で起きている問題の解決にはあと10年かかるのかも知れません。さらにそのような長い年月、山麓住民が苦しみの中に置かれ続けるのかと考えると到底受け入れ難いことです。しかし諦めてしまえば解決の日は永遠に来ることはありません。どんなに時間がかかっても、回り道をしてでも、諦めずに取り組んでいく。そんな覚悟をさせられました。



●プロサバンナ事業完了(中止)を含め、事業を追ってきたTBSの
  報道(5本)を以下でみることができます。

 → https://www.youtube.com/playlist?list=PLhoNlZaJqDLawWpwD1bEE7gOvCY4E2SqO


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■キリマンジャロ山で植林実施 ('20/5)■


植林のために苗木を運び出す村人たち

植林のために苗木を運び出す村人たち


キリマンジャロでは大雨期を迎え、本来なら植林の本格シーズンなのですが、新型コロナウィルスの影響で満足な活動ができない状態が続いています。

そんな中で、今年は植林本数をごく少数に絞り、場所も3カ村程度に抑えて大雨期植林を実施することにしました。その皮切りとなる植林にキリマンジャロ山麓ムスニ村で取り組みました。

植林地も村内に限定し、道路沿い、畑周りにヤマモガシ科のGrevillea robusta500本を植えました。

子どもが植えているのがGrevilleaの苗木です

子どもが植えているのがGrevilleaの苗木です


Grevilleaはキリマンジャロの村人たちがもっとも好きな木の一つで、村の中でもよく見かけることができます。もともとの原産はオーストラリアなのですが、キリマンジャロ山でコーヒー栽培が始まると、その庇陰樹として導入されたようです。今では東アフリカで広く見ることができます。

村人たちがこの木を好きな理由は、庇陰樹としてはもちろん、土壌水分をよく保持するため彼らチャガ民族の伝統的な農法である“キハンバ”に必ずと言って良いくらい植えられています。また枝や葉は家畜の餌となり、家畜小屋の敷草代わりとしても使われています。さらに薪によし、材を採るにしてもよしと、日常生活に欠かせない存在となっています。案外知られていませんが、養蜂にとっても良い蜜源樹です。

植林地に育つGrevillea

植林地に育つGrevillea


現地の状況はすぐには好転しそうもありません。しかし村人たちは「取り組める人数は少ないかも知れないけれど、1本でも2本でも植えることが大事なのさ」と決してくじけていません。当会からは健康あってのことなので、無理をせずに苗木配布に切り替えることも考えるように助言をしています。

一方、大雨期の雨の降り方とサバクトビバッタが今後どうなるかも気になります。タンザニア中部のモロゴロでは15日に大豪雨が降り、死者が11人も出てしまいました。キリマンジャロ山でもすでに土砂崩れが発生しています。異常豪雨が続けば、バッタの繁殖が加速する懸念もあります。

何とも気の抜けない毎日が続いています。


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■村人たちと目指す夢−『みつばちの森』 ('20/4)■


ロレ村の苗畑で育つ“Beebee tree”の苗木

ロレ村の苗畑で育つ“Beebee tree”の苗木


前回の報告でもお伝えした通り、タンザニアでも新型コロナウィルスの影響のため、多くの村人たちによって取り組まれる今年の大雨季植林(4月〜6月)はできない状況になりつつあります。

しかし今年は無理でも、植林の機会は毎年やってきます。そして植林の結果は、毎年毎年努力を重ねることで実現していくものです。今の状況は残念で、悲しいですが、それでキリマンジャロ山の森を回復し、守っていくという目標が影響されるわけではありません。

いま現地でともに活動している村人たちと私たちには、一つの夢があります。それは、キリマンジャロ山に『みつばちの森』をつくることです。森林の回復を図りつつ、同時にミツバチの棲みやすい環境を創出し、養蜂によって植林が村人たちの生計向上にも繋がっていようにしようという欲張りな(?)計画です。

ミツバチの棲みやすい環境づくりは、主にたくさんの蜜を出す蜜源樹の植林によって行います。わたしたちはこの蜜源樹として“Beebee tree”を採用することにしました。これまで育苗した経験のない樹種で、昨年初めてロレ村の苗畑で播種しました。みんなでいつ芽が出るかと楽しみに見守っていました。

“Beebee tree”の種

“Beebee tree”の種


育苗ポット200個に試験播種し、発芽したのは約40本、発芽率は20%で、これはかなり低いといえます。昨年は8月の播種後、9月から10月にかけてタンザニア全土で大乾季だというのに大豪雨が降り続き、日照不足や水分過多の影響は間違いなくあるでしょうが、あと何年か育苗を繰り返してみないと正確な発芽率は分かりません。

発芽後は今度は虫害をひどく受けることになりました。あれよあれよという間に葉っぱを食い荒らされ、どうなることかとヒヤヒヤしていましたが、何とかしのいでくれ、少しづつ葉も戻ってきました。

苗木の生長もかなりゆっくりで、植林できる大きさになるまでに1年かそれ以上かかりそうです。そして植林してから花を咲かせるまで、さらに6年かかります。長いと思われますか?いえいえ、6年なんてすぐです。私たちがロレ村で村人たちと初めて植林に取り組んだのは2011年。それからもう9年が経ち、当時植えた苗木はもう私たちの背丈の2倍ほどに育っています。

いま木々が育ったその現場を目にできるのですから、10年なんて本当にあっという間なのです。村人たちと、10年後に目の前に広がる『みつばちの森』の話をするのは、とても楽しく、夢があります。

かつて丸裸だったキリマンジャロの尾根に育つ木々

かつて丸裸だったキリマンジャロの尾根に育つ木々


『みつばちの森』づくりでは、他にもやりたいことが沢山あります。それらについてもまたご報告したいと思いますので、お楽しみに!



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■植林にもコロナウィルスの影響 ('20/3)■


キリマンジャロ山麓シンガ村の苗畑

キリマンジャロ山麓シンガ村の苗畑


タンザニアではまもなく大雨季の本格シーズンを迎えます。この大雨季に合わせ、キリマンジャロ山の各村でも植林に取りかかるのですが、これが実施できるか、不安な状況となっています。

新型コロナウィルスの影響です。タンザニア政府は3月16日に初感染者が確認されると矢継ぎ早に対策を打ち出し、多くの人が集まる集会やイベントも中止するよう指示が出されました。このため多くの村人たちによって取り組まれる植林も身動きが取れなくなってしまいました。

植林はおろか、その打ち合わせのための会合さえ開くことができません。今後の状況を見守るしかないのが現状となっています。タンザニア政府は全土の学校を4月19日まで閉鎖することを決定していますが(3月17日から実施済み)、現段階では少なくともその時点までは何もできないと「電話で」話し合っています。

人の命や健康に優先するものはなく、やむを得ない状況ではありますが、苗畑で丈が伸びつつある苗木(写真)を見るにつけやるせない気持ちになります。

村人たちの様子はといえば、普段とまったく変わりません。得体の知れない病の情報に不安を抱きながらも、マスクがあるわけでなし、アルコール洗浄剤があるわけでなし、握手はなるべくしないようにしよう、ぐらいのものでしょうか。彼らの明るい声にこちらが救われる思いがします。

世界の国々の努力によってこの難局が一刻も早く乗り越えられることを願ってやみません。


●弊会ブログでタンザニアでのコロナウィルスの状況(23日現在)を報告しています
 → こちら



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■2019年の年間降雨結果出る ('20/1)■


2019年モシ降雨データ

2019年モシ降雨データ


キリマンジャロ山の麓、モシの町の昨年の降雨データがまとまりました(上グラフ)。総雨量は1815.4mm。これはデータが残っている過去120年間での最高雨量です。日本でも昨年は大豪雨が続きましたが、タンザニアも然りの状況でした。

東アフリカでは2018年も各地に被害を及ぼした大豪雨が降り、グラフからもそれが見て取れますが、2018年と2019年では内容がずいぶん異なることが分かります。昨年2019年は本来大乾季である10月〜11月に、大雨季(4月〜5月)並みの豪雨が降ったことが分かります。

アフリカの雨量では「例年並み」という表現はあまり的確とはいえない側面がありますが、それでもグラフから、2019年はそれまでの10年間の年間雨量の2倍を超える雨が降ったといえるでしょう。

一方、2010年〜2019年までの10年間の雨量を平均すると、ここ100年間の平均雨量をやや下回る程度で済みます。これは裏返せば、記録破りの大豪雨となった昨年、そして2018年の大豪雨がなければ、この10年は記録的な少雨の10年となっていたことを示しています。

この先の気象、天候がどうなるか分かりませんが、現地で減少を続ける雨量というトレンドは、このことからも変わっていないのではないかと感じています。まだ年が明けたばかりですが、早くも4月から始まる大雨季の状況がどうなるのだろうかと心配をしています。


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終了間近 “みつばちの森プロジェクト” へのご協力をお願いします!!

(キャンペーン終了:1月16日(木))

養蜂箱を点検するキリマンジャロの村人たち

キリマンジャロ山では落ち込む村落経済、住民の森林資源利用からの排除によって、彼らの暮らし、命までが脅かされています。
→ (当会関連情報FB記事) こちら

このような問題を解決するため、"みつばちの森プロジェクト" では、養蜂による村経済の立て直しと、森の再生を目指しています。

寄付キャンペーン終了まであと数日と迫ってきましたが、ぜひ多くの皆様のご理解とご協力をいただけますよう、お願い申し上げます!!


『 世界遺産キリマンジャロ "みつばちの森" プロジェクト 』

キャンペーンページ  → こちら


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