2013年 生活改善事業の活動履歴


  2013年   11月 養鶏事業を開始します
           8月 改良カマド普及方法の変更を検討
           6月 半乾燥地での省水農法再開
           4月 支援コーヒー農家グループの生豆品質状況
           2月 コーヒー接ぎ木で問題発生
        


■養鶏事業を開始します ('13/11)■


 現地カウンターパートのTEACAは、これまで活動協力をしている女性グループの自立を促すために、メンバーによるグループ積み立てを指導してきました。このグループ積み立てでは、メンバーが積立目標額に達するまでメンバーへの貸付けなどは行わない取り決めになっています。そのかわり積立に見合う収入を各メンバーが得られるように、ニワトリ支援プログラムをこのグループ積立てのパッケージプログラムとして併行実施しています。

 このたびTEACAは、上記のニワトリ支援プログラムとは別に、あらたな支援事業として養鶏事業を開始することにしました。女性たちでも手がけることのできる生計向上のための取り組みとして、村のママさんたちからも強い要望が出されていたためです。

 この事業では、病気に強い地鶏と産卵数の多い改良種を掛け合わせ、両者の特徴を合わせ持った混交種を導入します。日本の近代品種では毎日卵を産む強者(産卵率100%)もいるようですが、上記の掛け合わせ品種では、産卵率は6割ほどになります。

 事業では、生後3ヵ月の幼鶏数羽を支援します。ニワトリは普通生後6ヵ月ほどで産卵を開始しますので、卵や生まれて増えたニワトリの販売を通して家計収入を向上させていくことが出来ます。もちろん飼育にかかる経費(とくにニワトリが安定して卵を産み続けるための餌代)があるので、導入したらすぐに利益が出るというわけにはいきませんが、しっかり育てれば、2年後には、最低でも年間で公務員の最低賃金の1ヵ月分以上の純利益を生み出すようになります。

 TEACAはこの養鶏事業を、キリマンジャロ東南山麓にあるキディア村で活動しているキディア女性グループ(メンバー10人)を対象として、最初に実施していく予定にしています。


 画像1:養鶏事業の打ち合わせをするキディア女性グループのメンバーとTEACAのンジャウ氏
画像1:養鶏事業の打ち合わせをするキディア女性グループのメンバーとTEACAのンジャウ氏



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■改良カマド普及方法の変更を検討 ('13/8)■


キリマンジャロ山麓の村々で当会が普及に取り組んでいる改良カマドは、土や石など、現地で調達可能な資材のみで作成可能な最終型が昨年完成した。これまではレンガに代わるものとして、耐熱性に優れた溶岩を使っていたが(キリマンジャロ山は死火山)、溶岩の調達に難のある村もあり、これが普及の足枷の一つとなっていた。

最終型は現在もまだ耐用試験中であるが、これが上手くいけば普通の石が使用可能となる。この結果を待って、今年度から改良カマドの普及方法を変更することにしている。これまでは、各村からカマド職人を選出して貰い、TEACAの事務所にて集合研修方式でカマドの設置方法をレクチャーしていた。村に帰った職人たちは、今度は塾度向上のために、これも村が選出した2〜3人の設置対象者の家にカマドを設置することになっていた。

ところが、村で選出した人々が土や石などの必要な資材の準備を予定通りにしてくれず、せっかく養成した職人の技術定着が滞るケースが発生していた。

そこで今後は、TEACAが行っていた集中研修方式をやめ、各村に直接出向いて設置のデモンストレーションをし、その場で関心のある村人たちの中から職人を選んで貰い、またその場で5人程度の設置希望者を募ることにした。

この希望者全員が設置に必要な資材を集め終わったところで連絡を貰い、TEACAのカマド技術者が実地に設置の指導を行う形式にしていくつもりである。

設置希望者をグループ化し、全体での連帯制とすることで、技術定着や村での普及に遅れがでないようになると期待している。 

 画像1:ルワ村で普及された改良カマド(溶岩タイプ)
画像1:ルワ村で普及された改良カマド(溶岩タイプ)



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■半乾燥地での省水農法再開 ('13/6)■


 事業実施地であるキリマンジャロ山の東方、ケニアの国境付近にあるマワンジェニ村一帯での降雨不足から、昨年は断念していたサックを利用した省水農法を再開した。

 以下の表1に示すように、同村一帯ではここ数年降雨が減少傾向にあり、さらに昨年は大雨季(3月〜5月)にほとんど雨が降らず、実施を見送っていたものだ。付近の村人たちは飲み水の確保にも苦労しており、野菜は市場で買ってくるしかない。


表1:マワンジェニ村リアタ村区での降雨量推移<BR>
2013年は雨量計が盗難に遭い、データは1月途中まで。<BR>
表1:マワンジェニ村リアタ村区での降雨量推移
    2013年は雨量計が盗難に遭い、データは1月途中まで。


 今回サックを設置したのは同村のリアタ小学校とリアタ村区長の家。村区長のウリオさん(画像1)は、何でも工夫して試してみる努力家で、屋根の雨水を集めたり、改良カマドを自分で作ったりしている。省水農法のサックも、少しでも水の蒸発散を抑えようと、ちょっとした木陰を作ってその下に設置していた。野菜はすくすく育っており、「自分の家で野菜がとれるなんて嬉しいねぇ」ととても喜んでいた。

 リアタ小学校では、土日の学校が休みの時に、育った野菜が盗まれてしまう問題があったため、教師用の空き家に設置場所を移して再開した。


 画像1:省水農法で育つ野菜を前に、喜んでいるリアタ村区長のウリオさん
画像1:省水農法で育つ野菜を前に、喜んでいるリアタ村区長のウリオさん



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■支援コーヒー農家グループの生豆品質状況 ('13/4)■


 当会が新品種苗木の普及を支援しているキリマンジャロコーヒー生産者グループKIWAKABOによる、コーヒーオークションへの生豆の直接出品が、ほぼ実現する見通しとなった。


 当会のコーヒー農家支援の目標は、高品質豆の生産とそれによる高価格販売の実現であるが、高価格販売を実現するためには、従来の協同組合(KNCU)を通した出荷ではなく、自らによるオークションへの直接出品、もしくは直接輸出の道を開拓しなければならない。


 今回、前者すなわちオークションへの直接出品が実現の見通しとなったことは、高価格販売実現に向けて、大きく前進したことを意味する。


 ところで、その前段階である肝心の品質状況はどうなっているだろうか。今回出荷したコーヒーの品質試験結果(格付構成比)は、次のようなものであった。AA=10%、A・B/PB=77.5%、UG=12.5%。これをタンザニアコーヒー公社(TCB)の2003/04年度〜2009/10年度の生産量統計資料から得られるデータと比較してみると、その構成費はおよそAA=20%、A・B/PB=55%、その他(C、E、AF、TT、TEX、Fの合計)=25%となっている。このうち比較的品質の良いAAとA・B/PBを合わせた合計は、KIWAKABOが87.5%、TCBデータが75%となり、KIWAKABOの品質が上回っていることが分かる。


 ただし、最高格付けであるAAは、前者の10%に対して後者は20%であり、上記の結果は決して満足できるものではない。この点は、今後新品種の収穫量が増えてくることから改善が図られると考えているが、さらなる品質の向上を目指して、栽培管理の徹底を求めていく必要がある。


 いずれにしろ、ここで高価格販売が実現すれば、多くのコーヒー栽培農家が勇気づけられることになり、それがまた高品質豆栽培への強いモティベーションとなっていく。


 これまでの低価格→やる気の喪失→品質の低下→低価格のままという負の連鎖から、高価格→やる気の向上→品質の向上→高価格の持続という正の連鎖へと転換を図れるか、オークションの結果は、私たちの取り組みの一つのメルクマールとなってくるだろう。


 KIWAKABOのメンバーの一人、キリホさん(左側)と、彼の畑を指導で訪れた指導員 のキサンガさん(右側)
(写真) KIWAKABOのメンバーの一人、キリホさん(左側)と、
       彼の畑を指導で訪れた指導員 のキサンガさん(右側)



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■コーヒー接ぎ木で問題発生('13/2)■


 コーヒー生産者グループKIWAKABO(Kikundi cha Wakulima wa Kahawa Bora)のコンタクトファーマーに対して実施している、技術レベル維持のための接ぎ木実習で、はじめて問題が発生した。

 5人がそれぞれ10本の接ぎ木を実施し、その経過観察を行っていたが、接ぎ木苗養成用苗床(写真)で養成1ヶ月目に、すべての苗木が枯れてしまった。これは誰かの技術の問題ではなく、養成中の管理の仕方か、養成用苗床に何らかの問題が生じた可能性を示唆しているが、原因がまだ良く分からない状態である。

 カウンターパートのTEACA(Tanzania Environmental Action Association)では、タンザニアコーヒー研究所(TaCRI)から専門家を呼び、原因の究明に当たって貰うことにしている。


接ぎ木苗養成用苗床
(写真)接ぎ木苗養成用苗床



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