TANZANIA POLE POLE CLUB

2015年度事業計画


■ 村落植林活動 ■



◆1.国立公園化問題への対応

(1) 県議会での 『 HMFS返還決議 』 の可決を目指す

 国立公園に編入されたHMHSを地域の手に取り戻し、またその森の地域主体による持続的保全・管理の実現を目指すため、これまで当会はモシ県下(Moshi rural district)のHMFSに沿った39村をまとめ、これらの村々を代表する地域横断組織としてのKIHACONEの立ち上げに取り組んできました。
 この結果、39村はHMFSの森林を一体となって管理していくための協議体制を整えることができました。また単独では困難だった政府との交渉力をつけ、HMFSを管轄するKINAPAの所轄官庁である天然資源観光省との協議や国会議員との関係構築を図り、キリマンジャロ山における国立公園の問題を認知させることに成功しました。
 さらに2014年度は、政権与党CCMのナンバー2であるキナナ書記長にこの問題を直接伝え、HMFSの返還を約束させるところまで辿り着きました。しかし未だこの問題を取り上げ解決に向けて動くかどうかは、政府側の裁量に委ねられているといえます。
 そこで2015年度は、その政府内部から公式に問題解決の具体的動きを求める声が上がることを目標の一つとします。具体的には地方政府であるモシ県議会において、HMFSの地域ないし地域住民への返還決議の可決を目指します。


(2) CCM書記長の直接訪問

 CCMのキナナ書記長は、モシ県で開催した大衆集会において、国立公園問題の解決を求めたKIHACONE代表ムバンド氏の発言に対し、その返還に同意しました。
 この約束が政府レベルでの具体的行動として実行に移されるよう、首都ドドマにムバンド氏を派遣、書記長と直接会談を行い、発言が反故にされることがないようフォローします。
 またその結果次第では、39村全首長による天然資源観光省大臣への直談判を考慮します。ただしこれについては、10月に実施される総選挙が迫ってくることから、実行が困難となることが予想されます。


(3) 森林管理・保全の枠組み策定

 HMFS返還後を睨み、その森を一体のものとして地域全体で管理していくための、新たな森林保全・管理の枠組み策定に2014年度に取り組みましたが、内容に問題が多かったことから、2015年度にあらためてゼロベースで策定し直すこととします。
 策定にあたってはKHACONE内に策定委員会を設置し、また将来的な森林条例による枠組みの法制化を目指し、県法務部からも法令専門家に委員として加わってもらうよう要請します。


(4) 各村の新環境諸規則の策定

 KIHACONEによる森林保全・管理の枠組み策定が遅れていることから、これに基づく各村における新たな環境諸規則の策定作業も手が付けられていません。
 この環境諸規則は、保全・管理枠組みを指針として各村が定める森林の管理・利用に関する具体的運用規定、細則であり、保全・管理枠組みと一体をなすものです。
 枠組の策定には時間を要すと思われることから、この諸規則の策定作業にまで取りかかれるかは判断の難しいところですが、2015年度の着手を目指したいと考えています。


◆2.小規模苗畑グループ支援及び植林計画

(1) 既存9苗畑: 村主導体制の強化

 2015年度も既存の9苗畑体制を維持し、キリマンジャロ山での植林活動支援に取り組みます(各苗畑での育苗計画は表5参照)。
 ただし既存の苗畑については、今後各地域でそれぞれの村が主体となって実行していく森林保全・管理のためにも、一層当該村(計7村)の保全計画の中に組み込まれていくことが望まれます。そこでこうした村主導の方向性を明確に打ち出していくいくために、3苗畑(Maua教会苗畑、Lole小学校苗畑、Mshiri中学校苗畑)をより村の管理がしやすいロケーションに移設します。
 また将来的にKIHACONEがHMFSにおける地域の植林計画を取りまとめていくことを視野に入れ、植林計画立案の全面的な村への移管を実施します。具体的には村から委託を受ける形での育苗への切り替えを行います(ただし当該村の植林計画分のみ)。
 これら7村により、2015年度はキリマンジャロ山で約2万9千本の植林に取り組みます。このうちの約1万本を、地域による森林保全能力を示していくためのHMFS内植林用とし、地域横断による協力体制のもとに実施します。具体的にどのエリアのHMFSで実施するかは、39村の決定によるものとします。ただし、KINAPAの植林許可が下りない場合は、全数を村落エリアでの裸地化した尾根での植林に振り向けることとします。


(2) 拠点苗畑の拡充

 HMFSでの植林能力の拡大可能性を探るために、昨年度新規村に立ち上げた試験苗畑のうち1箇所を選定し、苗木の買い取りによらない村の拠点苗畑としていきます(育苗規模は約3千本を予定)。
 選定にあたってはTEACA、KIHACONEと協議のうえ、苗木生産能力だけでなく、村との連携を円滑に図れるかどうかを重視して決定することとします。


■ 活動の自立支援事業 ■



◆1.KIHACONEの自立と森林利用料の徴収

 HMFSの地域による持続的保全・管理のためには、それを支える資金基盤が必須となります。それはとりもなおさず、39村の保全・管理計画及びその実行を要となってまとめていく地域代表組織であるKIHACONEの持続性を確保し、自立を図っていくこと他なりません。
 当会はそれを可能とする最良の方法は、KINAPAが観光客から徴収しているキリマンジャロ国立公園入園料の一部を利用した基金の創設であると考えています(HMFSが国立公園から外れようとも)。
 しかしその実現は、現在に至るも地域住民の排除しか考えていないKINAPAにとって検討の対象にすらならないものだといえます。現段階では、KINAPAに対してはHMFSの返還を求めていくことが先決で、その先まで求めるのは時期尚早であると考えています。
 一方、森林を利用する地域住民自身も、森林はただ利用できる存在ではないことを理解していく必要があります。今後は森林を利用する者からは利用料を徴収し、それをKIHACONEの財政基盤とした上で各村に再配分し、各村における毎年の森林保全・管理の実行予算としていく必要があると考えています。
 ただしこの考えには、地域住民からの相当な拒否反応と反発が予想されます。こちらも単年度で容易に実現できる目標ではありませんが、持ち出すだけの自然資源はもはや存在しないこと、持続的利用のためにはその保全が欠かせないこと、それには資金が必要であり、利用する者にはその負担をする義務があることを説き、時間をかけて理解を深めていって貰うしかありません。
 2015年度はKIHACONE及びTEACAのリーダー内で利用料徴収に対する理解が得られ、またその実現に向けた合意が形成されることを目標とします。


◆2.グループ積み立て及び養鶏事業

 グループ積み立ては、グループ自身の力で自立のための新しい収入事業を始められるように取り組んできたものです。昨年度のキランガ女性グループをもって、グループ積み立てを実施してきたキディア、キランガの両女性グループとも積み立て目標額(100万シリング)を達成し、その資金を元手にした自立のための新規事業(キランガ:イスの貸し出し事業、キディア:養鶏事業)を開始しました。またキランガ女性グループはグループ積み立てとパッケージで実施してきた養鶏事業が大成功を収め、すでに自立を達成しました。
 この段階でグループ積み立ては事業目標を達成し、現在その継続はそれぞれのグループの自主判断に任せていますが、両グループとも継続することを決めています。したがって当会はその適切な運営と監査をサポートしていくこととします。
 今後はグループ積み立てによる新規事業である養鶏事業、なかでもまだ採算ラインに達していないキディア女性グループを重点的にフォローしていくこととします。飼育数を採算ラインの30羽まで増やすことを目標とし、そのために昨年度に続き、養鶏セミナーを実施します。また問題となっているニワトリの盗難防止策を講じることとします。


◆3.養 蜂

 ミツバチ養蜂については、中間技術を用いたケニア式トップバー改良養蜂箱を地元モシの製材所で製作できる目処が立ったことから、傷みが激しい現行のTEACAのラングストロス式改良養蜂箱からの切り替えを継続します。ただし数量は2箱程度に留め、2015年度は経過観察によるトップバー養蜂箱のポテンシャル確認を行うこととします。
 ハリナシバチは新群確保による養蜂数の拡大に努めます。


■ 生活改善事業 ■



◆1.改良カマド普及

 改良カマドの最終バージョンであり、もっとも廉価な普及タイプである普通石タイプ改良カマドの普及用パンフレットを作成、KIHACONEのメンバー村である39村に配布します。


◆2.コーヒー農家支援

 コーヒー生産農家グループKIWAKABOに対する支援は、回転資金流用問題の決着なしに継続することは出来ませんが、技術指導員による農家の巡回指導は2015年度も継続実施します。
 KIWAKABOが問題の決着を図った場合は、以下の支援を検討します。
 (1) KNCUでの接ぎ木研修実施  (2) データ管理能力向上指導  (3) コーヒー普及指導員の拡充


◆3.その他

(1) 診療所支援
 着工が決まったテマ村の新診療所用の土地の聖地を実施。


(2) 伝統水路支援
 キディア伝統水路の漏水防止工事を実施。


(3) 給水パイプライン敷設
 学校に水道がないルワ村のキライ・ルワ小学校に給水パイプラインを敷設します。これにより629人の生徒が毎日学校で水にアクセスできるようになるほか、苗畑用の水も確保できるようになります。


■ 研修/セミナー等 ■



◆1.2015年度に実施する研修

 (1) キディア女性グループへの養鶏研修
 (2) KIHACONEに対する養蜂研修
 (3) KIWAKABOに対する接ぎ木研修


■ 日本の市民とタンザニアの村人の取り組みRafikiプロジェクト ■



◆1.「エデンの森」エンブレムの決定

 昨年度、キリマンジャロ山のテマ村、キディア村、モヲ村、リャコンビラ村の4村の村人たちが、自分たちが守ってきた自慢の森を「エデンの森」と命名しました。
 2015年度はその「エデンの森」のエンブレムを4村の協力のもとに作成、決定します。これはこれまでRafikiプロジェクトが一貫して取り組んできた森の自慢の「見える化」、「意識化」の一環であり、村人たちが日常的にもっとも目に触れる機会の多いものとなります。


◆2.森の自慢データの最終まとめ

 昨年度実施したキリマンジャロ山のテマ村、キディア村、モヲ村、リャコンビラ村の4村の村人たちへのアンケート調査をもって、2010年以来5年間にわたって調査してきた彼らが長く守ってきた自慢の森「エデンの森」にある大切なもののデータ収集が完了しました。
 2015年度は森の自慢をまとめた各ツール(ガイドブック/カルタ/イラストマップ)の最終版作製に向けて、ここで得られたデータの精査、確認のための現地調査を実施し、内容を確定させます。


◆3.森の自慢ツールのアイテム最終確定

 現地編集委員会と協力して、カルタ、イラストマップ用に森自慢の全カテゴリー(植物/動物/昆虫/人物/人工物・遺構/森の利用方法・森に関わる知恵/慣習・言い伝え/各氏族と森に関わるもの/その他)から掲載対象の再選定を行い内容を確定させます。


◆4.新アイテム調査

 昨年度のアンケート調査で得られた森の自慢に関わる新アイテムのデータ(GPSデータを含む)取得及び画像データ取得のための現地調査を実施します。


◆5.村でのムーブメントを目指す

 「エデンの森」を守ってきた4村において、彼らが持ち続けてきた"森を大切に守っていきたい"という気持ちを、これからも長く側面から支えていくための活動に取り組みます。
 そのキーワードとなるのは、地域住民の内発性を支える地域的"ムーブメント"であると考えています。
 @ 地域住民も参加した4村の小学校による学校対抗森の自慢カルタ大会の開催。
   これには政府、報道関係者も招き、行政レベルにおける地域によるキリマンジャ
   ロ山の森林保全活動への理解促進の機会ともしたいと考えています。
 A 「エデンの森」エンブレム活用方法の策定。
   ステッカーの作成、村へのボード設置等のアイデアがありますが、4村と協議の
   うえ決定します。ただし2015年度は方法の策定のみで、実行は翌年度となります。


■ 2015年度予算 ■



    ◆
2015年度予算書 (PDF)



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