第53号 トップページより抜粋 (2018/09)
 
月に雨は降るのか?


月

月に雨は降るのか?」そんな質問をされたら、きっとみなさん「降らない」と答えますよね。もちろん月に雨は降りません。というより当たり前すぎて、そんな質問をする人自体いません。

ところがかつて、その質問を真顔でされたことがあります。タンザニア・ポレポレクラブが活動を始める以前、タンザニアのとある村の小学校で校長先生から受けた質問でした。月に雨は降らないことを伝えると、校長先生は「そうか、月に雨は降らんのか」と言って、長い間の疑問が解けたようで満足げな表情を浮かべていました。

質問を受けたその時は小学校の校長先生でも知らないんだなぁと驚いてしまったのですが、すぐにちょっと待てよと考えさせられてしまいました。

確かに彼らは月に雨は降らないという、私たちにとっては常識のようなことを知りません。環境問題であれば先進国なら小学生でも知っている温暖化やオゾンホールといった言葉も、アフリカの村では大人でも知らない人はたくさんいます。実際、先の校長先生も「温暖化?何それ??」といった具合でした。

しかしその彼らがやっていたのは、大切な農繁期(雨季)に農作業の手を休めてでも一本一本苗木を植えることでした。本当に大切なこととは一体何だろう。深く考えずにはいられませんでした。自分にできることをやる、やれば何かが変わる、やらなければ何も変わらない。「で、君たちは?」。黙々と苗木を植え続ける彼らの姿に、そう問われている気がしました。

知識も大切だけれども、それにペアで加えた方が良いものがある。「行動すること」。彼らの姿が問うている強烈なメッセージでした。

あれから25年。キリマンジャロ山の夜空に浮かぶカミソリの刃で切り取ったようなシャープな月。その月を見上げるたびに、彼らから受け取ったメッセージを思い起こします。そして今も行動し続ける彼らの姿がそこにあります。


 



 
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