ニュースレター第38号抜粋記事
第38号 トップページより抜粋 (2011/10)
 
考えさせられた2つの援助



        
   
ドイツのNGOとアメリカ、タンザニアのロータリークラブによって設置された
給水タンク(写真左)と改良カマド(同右)



 タンザニア・ポレポレクラブがキリマンジャロ州のヒモ近郊にある半乾燥地で協力活動を行っているリアタ小学校。当会はここで省水農法の試行、改良カマド設置、牛乳配布、文具支援を行っている。この地域の年間降雨量は順調であれば600ミリ前後あり、主食作物であるメイズ(モロコシ)が、何とか栽培可能である。しかし2009年には大雨季に通常の半分も雨が降らず、干ばつとなり、家を捨てて移住する人が出る事態となった。

 干ばつでなくとも近年の降雨の不安定化から、同地では水の安定確保に対する強い要望が以前からあり、当会でも風力揚水井戸ないしは重力流下式給水パイプラインの設置を検討したことがあった。結局前者は調査の結果、地下水脈までの深度がありすぎ断念、後者はその後ドイツのNGOと支援が重なることが分かり、当会は支援を見送ることにした。

 今夏の事業調査でリアタ小学校を訪れると、この給水パイプラインがすでに完成しており、学校には大型の給水タンク2基も設置されていた。ところが学校長から出てきたのは、「水を支援して欲しい」という言葉だった。どうしたのか確認してみると、「給水パイプは敷設されたが水量不足で夜間にしか水が来ない。しかもそれでもタンクに水は十分たまらない。別の場所から水を引いてきて欲しい」とのことだった。

 水が来なければ給水パイプライン敷設の意味はない。なぜ支援をする段階できちんとした水量、水圧調査をしなかったのか、疑問を覚えずにはいられなかった。小学校側が水に困り切っている事情はよく理解できたものの、まずは支援をしてくれた先に状況を説明し、改善をしてもらうのが筋であるし、支援側には最後まで事業を完遂する責任があるはずだと伝えておいた。

 リアタ小学校には、同じ支援元の協力によって大型改良カマドも設置されていた。同校にはすでにカウンターパートのTEACAが教員用の改良カマドを設置している(上の写真で、写真中央に写っているのが大型改良カマド。写真左側に写っているのがTEACAの改良カマド)。大型改良カマドの方は、大鍋3つが使える巨大なもので、大きさの違いはTEACAのカマドと比べてみれば歴然である。また3カ所の鍋用にそれぞれ個別に焚き口がある点も、TEACAの改良カマドと大きく異なる点である(TEACAのカマドは、鍋3つに対して焚き口1カ所)。

大型カマドの状況を学校に確認してみると、薪の消費量も少なく助かっているとのことであった。学校側では、生徒の給食用に大型カマド、教員用にTEACAのカマド、大鍋を使うが調理時間が短いものは、従来の3ツ石カマドというふうに使い分けているとのことであった。

 この大型カマドは資金援助という幸運がなければ拡大可能性は望めず、最貧層でも設置可能なカマドを目指したTEACAのカマドとはコンセプトが異なる。ただ、設置された大型カマド自体は自己完結型の事業として、それはそれで良いのかなとも思える。現地の人々の自助努力の有無やそれによる援助依存体質等といった問題も指摘できるが、モノの援助にありがちな持続可能性(運営、維持管理等々)の問題はなく、また現場で感謝され、役立っていることは間違いない。幸運がなければ手にできないが、さてその幸運を皆さんならどう考えるだろうか?


〔No.38 その他の内容〕

 ● 〜キリマンジャロ山は自然の薬屋〜
 ●【キリマンジャロ山の国立公園を巡る動き】
     〜地域連携による森林管理の仕組みづくりを目指す〜
 ●植林活動:今大雨季植林地のその後の状況 ほか
 ●活動の自立支援 : グループ貯蓄順調に進む
 ●生活改善 : カマド設置職人の養成研修に注力 ほか
 ●Rafikiプロジェクト 活動報告 : 3年目を迎えた市民プロジェクトの歩みと
   今後の展望
 ●テマ村自慢コラムC : 困ったときのご先祖頼み−Tambiko(儀式)
 ●グローバルフェスタ2011 出展報告                        ほか



 
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