チャガのことわざ紹介D |
1920年代にモシ地方の弁務官を務めたチャールズ・ダンダス氏による著書、『KILIMANJARO AND ITS PEOPLE』に掲載されているチャガ民族のことわざをご紹介してきましたが、今回をもちましてこちらの連載は終了となります。 日本にはない風習や生き物が表現されていましたが、ことわざに表される教訓は日本だけでなくどの国や文化でも共通するものがあったのではないでしょうか。 Kowona oroo arure mana na mrewa mbie ruo necha. ("もし子どもを縄で縛りつけている人を見たら、彼にこう言いなさい。「うまく縛りなさい。」と。) 子どもを縛りつけることは野獣のように扱っているのと同じです。しかしそのような間違った行動は、その行ないを正す言葉に触れるべきです。悪い行ないを嘲笑したり、無視してはいけません。改善すべきです。 Manya ulanyc upangenyi cha ipfuve. (自分が寝ていた洞窟を塞いではならない。) ヒヒは自分たちの寝る場所を使えなくなった場合や、移住を余儀なくされたときに塞ぐと言われています。人間はある場所で悪事を働くとほかの地へ移らなければなりません。そこであなたを快く受け入れてくれた人に対して悪くあしらったら、再びその人の助けを必要とするときに拒まれるでしょう。 Manya ulamine upanga ulemuowa. (あなたを護った塹壕を放置してはならない) 戦時では人は洞窟や塹壕に避難しますが、平時ではこれらは放置され、塞がれてしまって使い物にならなくなってしまっています。豊かになった時、自分が経済的困窮にあった時期に支えてくれた人を忘れずにいましょう。 Kyaplo nyikyo sandu kyechikulya. (あなたの富はあなたの破滅の原因である。) 富は妬みを生みます。あなたが欲しがるものが少なければ、あなたの敵も少ないでしょう。 〔No.70 その他の内容〕 ● 「白き山」のおはなし ● 手工芸品プロジェクト 新たな挑戦へ 〜村の中でファッションショー〜 ● 森の本とカルタで知る村と森の自慢 〜Ndidi〜 ● インターンの「ここが知りたい!」 〜養蜂編 第八回〜 ● ポレポレ伝言板 |