ミニニュースレター69号抜粋記事
『 Habari gani?』 第69号 より抜粋 (2014/12)

チャガのことわざ紹介C

 1920年代にモシ地方の弁務官を務めたチャールズ・ダンダス氏による著書、『KILIMANJARO AND ITS PEOPLE』に掲載されているチャガ民族のことわざをご紹介する連載の4回目です。

 今回ご紹介する4つのことわざは、かつてのキリマンジャロ山地域の支配者にまつわるものです。チャガの人々はかつてMangi(マンギ)と呼ばれる諸首長によって統治されていました。右の写真は、1952年にマンギに就いたThomas Marealle(トーマス・マレアレ)です。写真で身に着けている動物の毛皮(クロシロコロブスモンキー)の衣装は、Rafikiプロジェクトで作成している森の本にも掲載されているものです。マレアレの統治していた期間は教育や保健衛生の改善が図られ、中でも司法制度改革や公平な水分配の政策が評価されています。マンギによる統治は1961年にイギリスの植民地からの独立した際に廃止されました。



トーマス・マレアレ 


Pungs nyi imwi urukenyi ikanyasa waka maruwa.
(たった一頭の雄牛がその土地の全ての女性に乳を与えた。)


 戦時では一頭の雄牛さえいれば、ほかの残っている雌牛と交配させることができます。そして雌牛たちが出産した後は、人々に乳を与えることができます。チャガ民族にとってマンギとは“一人だが、大勢を食べさせることができる。”と意味されます。
 ほぼ同じ意味のほかの言い方では、“牛がなくなっても、我々にはマンギがいる。”というものがあります。戦争を経て国が疲弊しても王が存在する限り、その国は再興するという意味だそうです。



Upuru lo mangi lukomekusokia na lo ngora nalochisoka.
(マンギの汚水溜が沈んだら、臣民も没落する。)


 ここで言う汚水溜めとは、牛舎の外にあり、そこから排水されるものが溜まる穴のことを指します。マンギの城の汚水溜めが沈むのは、牛を飼う財政的な余裕がないため、使われることがないからでしょう。さらに、その財政難の原因は敵対する勢力によって国を荒らされたからでしょう。臣民たちは国の再建のために力を尽くさなければなりませんが、その結果、彼らは貧しくなってしまいます。
 このことわざはマンギが敵を作ること、戦争に乗り出すことに対する警告として使われるそうです。



Mangi kakuwika ambo, rika nguwonyi.
(マンギから指輪を与えられたら、服の中に隠せ。)


 かつて、マンギは優れた功労を果たした者たちを報いるために、公の場で彼らに指輪や腕輪を与えたりしていました。褒章を与えられた者たちはその後、非常に裕福になり人々の尊敬を集めました。功労者たちの影響力は絶大で、周囲の人間たちは彼らのひいきや保護を得ようとしました。しかし、これが多くの悪人たちが公正な処罰から逃れることや援助をせがむことに繋がり、世間から憎まれるようになってしまいました。結果として彼らの優れた能力は彼ら自身を没落させ、彼らに不名誉をもたらしたのでした。このことわざの教訓は、王は人をほかの者たちより優れていることを公の場でさらしてはいけない、ということのようです。



Molawa ko mangi na mofurumia ko mangi, nechikuruo kite.
(マンギのもとへ早く訪れる者も遅く来る者も死んだ犬を見つける。)


このことわざでは、王がいる場所に近づくより自分の家に留まり、自分の仕事をしていた方が良いということを表しています。王の周辺にいては争いに巻き込まれ、多くの者が命を落とすからです。


(事務局インターン 宇田)




  〔No.69 その他の内容〕

 ● Natiro中学校環境クラブ 生徒さんご紹介
 ● 手工芸品プロジェクト よこはま国際フェスタ2014報告
 ● 森の本とカルタで知る村と森の自慢 〜Mchihiyo〜
 ● インターンの「ここが知りたい!」 〜養蜂編 第七回〜
 ● ポレポレ伝言板


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