2011年 自立支援事業の活動履歴


      2011年  11月 TEACAの自立
              6月 ハチミツ収量好調を記録
              4月 今後問われる協力のあり方
              1月 ハリナシバチの逃亡相次ぐ



■ TEACAの自立 ('11/11)■


 今夏行ったタンザニアでの事業調査では、協力相手である女性グループの、グループ貯蓄実施状況についても詳細な調査を行ってきた。

現在グループ貯蓄に取り組んでいるのは3グループであるが、うち1グループの積立が滞っており(少なくとも日本でウォッチしていたデータでは)、その原因究明がとくに課題となっていた。ところが実際に現地で調べてみると、問題なのはグループではなく、積立を行っているマイクロクレジット銀行の側にあることが分かった。銀行の担当者の通帳管理がずさんで、積立額の確認がタイムリーに出来ないことが原因であった。マイクロクレジット銀行も、地域に置かれた支所によって管理レベルが異なることが、今回の調査で浮き彫りになり、担当者の能力次第でこうした問題が発生することが分かった。通帳管理については銀行側に改善を求めた。が、何にしても、グループ自体の積立はしっかり行われており、メンバーの意欲も十分に高いことが確認できたのでまずは一安心であった。


女性グループメンバーの意欲は十分に高い

キランガ女性グループとグループ貯蓄について打ち合わせ中



さて、自立といえば、カウンターパートであるTEACAの自立も大きな課題だ。今夏立案した事業予算では、予算額に占める自己資金比率は47%であった。しかし収入予算がかなり強めで、意気込みは評価するが、実力的には34%程度だと見ている。不足分は当然外部資金に頼らざるを得ないが、残りの半分(実力的には7割弱)を、すぐに自力で確保していくことは難しい。

もっとも、展望がないわけではない。昨年度完工したレンタルハウスは、今後コンスタントな収入をTEACAにもたらすことは間違いない。実力的に見ても、その時点で自己資金比率は40%台に乗るだろう。また自己資金というわけではないが、最近のTEACAの活動が、地方政府やロータリークラブあるいは海外のNGOなどから高い評価を受けていることは、今後の収入源の多様化に道を開くものだろう。それもTEACAの実力の一つといえるだろうか。

今後ポレポレクラブでは、TEACAの自立や活動のさらなる強化、安定に向けて、政府(副首相府による環境プログラムへの資金支援)や、国際機関による同様のプログラム(COMPACT)の導入も視野に入れ、活動に取り組んでいきたいと考えている。ただし将来的には、キリマンジャロ山での地域主導による環境保全活動を長期的に支えていくためにも、それを目的とした基金が設立されることが一番望ましいと考えている。

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■ ハチミツ収量好調を記録 ('11/6)■


 養蜂事業は、キリマンジャロ山の高地、半乾燥低地とも、低温や雨量不足の影響で多くの養蜂箱からハチが逃げ出し、事業継続に大きな打撃を受けている。

 半乾燥地ではミツバチの住みやすい環境の整備(=蜜源樹の植林)からやり直しとなっており、再度軌道に乗せるには長い時間がかかりそうである。

 このように養蜂事業は、天候という不可避の問題のため営巣率の大幅な低下に悩まされており、ハチミツの収穫も期待できないと思われていた。ところが僅かに残り営巣を継続していた養蜂箱からいざ収穫してみると、予想以上のハチミツが収穫ができ、20リットルを超える収量となった。このためハチミツ販売による収入も好調で193,000シリングとなった。これは現地公務員の最低賃金が月額13万5千シリングであることを考えると、決して少ないものではない。

 養蜂事業ではこのほか、伝統養蜂の知識・技術に学ぶため、高地、低地とも養蜂に詳しい古老を事業地に招き、指導を仰いでいる。高地では新しい養蜂小屋も完成し、今後少しでも気候が安定し、ミツバチたちが戻ってきてくれることを期待している。


TEACAの養蜂事業を取材するテレビ局スタッフ。



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■ 今後問われる協力のあり方 ('11/4)■


つい先日、タンザニア(キリマンジャロ山麓)のローカルNGOからメールが届いた。内容は植林活動のために約50万円の資金支援をして欲しいというものであった。

こうした要請が現地から届くことは、けっして珍しいことではない。今回メールを送ってきた団体は、これまで何回か調査で訪れている団体であったが、どうやって調べたか、初めて名前を聞くような団体から、突然多額の支援要請が入ることもある。要請のメールや手紙には、(当たり前のことではあるけれど)当該団体の説明としてかなり立派なことが書いてあるが、実際に現場を訪れてみると、実態とはかけ離れているというケースが殆どである。

もっとも、どんな機会も逃さないという姿勢は大事だし、東アフリカでは一般的に「ダメもと」精神も旺盛である。支援獲得のためには、多少(?)身の丈と合わない、背伸びした文書を書いてきたとしても、不思議なことではない。逆に、実態とかけ離れていることだけをとらえて判断材料としてしまうことは、現地にある本当のニーズを見逃したり、これから育つ可能性を切り捨ててしまうことにも繋がりかねない。

今回支援要請をしてきた団体はこれまでの調査でも、地道に植林活動を積み重ねてきていることが分かっている。村に展示プロットを確保して、地域住民へのアグロフォレストリーの実践的啓蒙に努めたり、コーヒー栽培などでも先取的取り組みを行っている。ただ組織の運営実態や財政状況、村や地域住民との連携、協力度合いなど、まだ詳細が把握できている訳ではない。多くの現地団体を見てきた中でも、実質を伴う、比較的しっかりした活動に取り組んでいる団体ではあるが、それだけで支援の要請にはとても応えられない。

一方で、タンザニア・ポレポレクラブが現在もっとも重要な課題として取り組んでいる、キリマンジャロ山における国立公園領域の拡大問題(※)解決のためには、広大な森林帯に沿って存在する村々やローカルNGOを繋ぎ、地域が一体となって立ち向かっていけるようにしなければならない。それは異なる認識や意識のレベル、実力を持った多くの村々、NGOを如何に横に繋いでいくことが出来るか、ということを意味している。

資金の支援は、ともに活動に取り組んでいこうとする協力相手の活動を支え、或いはその自立を図っていくためにも必要かつ重要な要素ではあるが、いま、そしてこれから私たちが一層問われるのは、"資金の要らない"「地域連携」という目標に向けて、如何に村々、NGO、そして地域の人々の意識をまとめ、持続的で自律的な行動に繋げていけるか、いけるのかということである。

資金の支援を要請するメールを受け取り、そのことへの自覚をあらたにした。


地域連携の実現に向けた村同士の話し合いの様子



※ 生活のための、最小限度の森林資源利用を可能としていた「緩衝帯」を国立公園化し、地域住民の追い出しを図った

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■ ハリナシバチの逃亡相次ぐ ('11/1)■


当会はタンザニアで養蜂事業を実施しているが、飼っているハチにはミツバチ(アフリカミツバチ、Apis mellifera monticola)とハリナシバチ(Trigona/Meliponula spp)の2種類がある。現地のミツバチが環境の変化に極めてナイーブで、すぐに巣を放棄して逃亡してしまうのに対して、ハリナシバチは定住性が高く、安定した養蜂が可能である。

   
Ndidiの木をくり抜いて伝統養蜂筒を作っているところ


ところがこのハリナシバチに、昨年から異変が起きている。次々と巣を捨て、逃げ出しているのである。私たちの事業地ではボックス型の改良養蜂箱からの逃亡が中心であるが、村人たちが使っている丸太をくり抜いた養蜂筒からも逃げ出している。

原因については、事業地であるキリマンジャロ山麓では昨年気温が低かったこと、2年続きで降雨が少なく(一昨年は山麓低地は干魃)、花が不足したことなどが挙げられている。また調べてみると、養蜂箱/筒の材質に、地元で"サイプレス"と呼ばれているヒノキ科の木(Cupressus Lusitanica、グレタドアマリロ)を使ったものからの逃亡が多いことも分かってきた。もっともこの木は従来から使われており、これまで問題もなく、またミツの収穫も出来ていたことから、材質だけが原因とは考えにくい。

低気温、降雨不足といった環境要因が重なった時に、特定材質の養蜂箱/筒での営巣に、重大な困難が生じる等といった複合要因なのかも知れない。ハリナシバチ養蜂はコンスタントに事業拡大を続ける方針であったため、詳しい原因は不明とはいえ、今後養蜂箱材質の変更を余儀なくされそうである。伝統的に養蜂用に用いられてきた樹種も存在するが、たとえば地元のチャガ語で"Ndidi"と呼ばれるモニミア科の木(Xymalos monospora、レモンウッド)などは昨今では希少性が高くなっており、容易に調達できないためである。



ハリナシバチ



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