2005年 自立支援事業の活動履歴


 2005年 11月 伝統養蜂箱を新設
         7月 養蜂プロジェクト状況
         4月 恐るべし、アフリカミツバチ!



■ 伝統養蜂箱を新設 ('05/11) ■


 東アフリカを訪ねたことのある方なら、バスなどでの移動中、サバンナにまばらに生えるアカシアの木などに、丸太のようなものがぶら下げられているのをご覧になったことがあると思う。あれは何だろう、と不思議に思われた方もおられるのではないでしょうか?

 あの丸太は、ハチを飼うための現地の伝統的な養蜂箱(養蜂丸太?)なのです。中は空洞に掘り抜いてあって、両側に木製の蓋がしてあります。片方の蓋の下側に小さな穴が空けてあり、そこからハチが出入りします。

 低地のサバンナ地帯では、飼っている蜂はたいがい、いわゆるミツバチです。ミツバチといっても、私たちになじみの深い、大人しい西洋ミツバチではなく、ちょっと気性の荒いアフリカミツバチ(素人目には区別が付きません)です。

 キリマンジャロ山の中の村のように標高が高くなると、ミツバチを飼っている人もいますが、同じ養蜂箱を使って、蠅のように小さい、針のない“ハリナシバチ”を飼っています。標高が高い所は気温が低く、ミツバチで安定的な収量を得るのが難しいためです。

 私たちも現地のカウンターパートであるTEACAと協力して、タンザニアの低地、高地の両方で養蜂事業に取り組んでいますが、前者はミツバチ、後者はミツバチとハリナシバチの両方で取り組んでいます。
 しかし現在高地のプロジェクト地では、徐々にミツバチからハリナシバチへ比重を移しつつあります。理由は先にも触れましたが、ミツバチだと安定的に収量をあげるのが難しいためです。

 現在キリマンジャロ山麓では、2つの村でこのハリナシバチによる養蜂に取り組んでいます。設置されている養蜂箱の数は5個ですが、この11月にも新しい養蜂箱を2個追加設置しました。(下写真右側)。

 ハリナシバチは体が小さい分、1箱当たりの収量は少ないのですが、毎年確実に収穫が図れるうえ、ハチミツの単価も高いため(普通のミツバチの倍)、今後さらに設置数を増やし、高地における収入向上の要の取り組みとしていく方針です。



新しく設置された伝統養蜂箱 伝統養蜂箱収穫の様子















        新しく設置された伝統養蜂箱           ハリナシバチのハチミツ収穫の様子


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■ 養蜂プロジェクト状況 ('05/7) ■


 大雨期の雨不足は、低地で取り組んでいる養蜂プロジェクトにも打撃を与えている。まず花が咲かないため、営巣しているハチが養蜂箱を捨てて逃亡してしまう。残っているハチも花がないため、ほとんどミツを貯めることが出来ない。これまで内検の徹底などにより苦労して上げてきた営巣率であるが、この降雨不足で一気にダウンしてしまった。

 天候には何とも抗しがたいが、「緑が多かった頃は、ハチがいなくなるなんてことはなかった」という古老の言葉に、森林の減少によって失うものの多さを、あらためて実感している。

 その後多少雨が降ったため、ハチも少しは戻り始めている。しかし花が咲かなかった影響がすぐに回復することはなく、本来一番ハチミツの収量が多いはずの8月の収穫は、ほとんど見込めないとみている。


半乾燥地で小規模苗畑グループの収入向上のために取り組んでいる養蜂。
今年は大雨期の雨に恵まれず、ハチが逃亡してしまい苦労している。


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■ 恐るべし、アフリカミツバチ! ('05/4) ■


 養蜂といえばハチを飼うのであるから、もちろんみなさんはミツバチのことを思い浮かべるであろう。TEACAが養蜂事業で飼っているのも、ご多分に漏れずこのミツバチである(いや、実はもう一種類“ハリナシバチ”というのも飼っているが、今回はミツバチの方を話題としましょう)。

 みなさんはミツバチといえば一種類と思われるかも知れないが、いくつかの種類がある。日本にも“ニホンミツバチ”という古来からの土着のミツバチがいる。しかし残念ながら(?)タンポポと同じで、みなさんが普段よく見かける、そこらへんを飛び回っているミツバチは、“西洋ミツバチ”と呼ばれるヨーロピアンの貴婦人たちである(ミツバチはほとんどがメス)。そのヨーロピアンにもいろいろ種類があって、イタリアンとかコーカシアンとかカーニオランとか、なんだか人間のようである。
 そして、もちろんアフリカン。

 アフリカンといっても、見かけは日本で普段目にする西洋ミツバチと変わりはない。だが、大きく異なる点、そしてその違い故にアフリカにおける事業レベルでの養蜂を困難としている要因が2つある。

 まずその一番目は、その気まぐれさ、“逃亡性”にある。とにかく何が気にくわないのか、ある日突然、プイと巣箱を捨てて全部逃げてしまう。
 もっともアフリカという、一般に日本より厳しい自然条件下を生き抜かなければならないミツバチには、この気難しさ、性格も宜なることかなとも思える。乾期ともなれば花も水もなく、そんな中で長く同じ巣箱に留まれば、それこそ一族の存亡に関わる。何の躊躇も未練もなく巣を捨て逃亡してしまうという、養蜂家にとっての気難しさは、実は大事に至る前に次なる適地を求めて旅立つ、とても自然の理に適った行動原理なのかも知れない。
















 (写真左)低標高地養蜂プロジェクト。ラングストロス式養蜂箱の点検作業
 (同上)タンザニアのバンカータイプ改良養蜂箱の中の蜂の巣




 そして相違点の2つ目。とにかく気が短い。
 養蜂では、「内検」と呼ばれる巣箱の点検が欠かせない。ミツバチが数千匹もいる巣箱を開けて、中の女王蜂や産卵の様子、ミツや花粉のたまり具合、害虫などを点検する作業のことである。この作業では、燻煙器という道具を使って、巣箱にいるハチに煙をかけ、大人しくさせてから巣のチェックをする。

 巣箱の蓋をちょっと開け、ハチが出てきたかな?と思った瞬間、もう3カ所くらい刺されている。防護服替わりに着ているレインコートにバチバチと音を立てて猛然と突撃してくる。「これはマズイ・・・」と巣箱から30mほど後ずさりし、草陰に息を潜めてしゃがみ込む。そして経過すること30分。いまだにバチバチと音を立てて突撃を繰り返してくるアフリカンママの群。もう降参、撤退!逃げ出す。

 それでもなおロケットのような勢いで追いかけてくるから恐ろしい。本当に恐るべき執念である。巣箱から100mほど逃げ、車の中に逃げ込む。これでやっと車の中に5匹くらいに減ってくれる。

 養蜂事業を始めた頃は装備も軽装で、ハチにやられ放題であった。刺されて当たり前の現地の伝統的な収穫方法もあって、ハチをなめていた部分もあった。しかし「自立するのも命懸け」では冗談にもならない。その後、下の写真のように、装備の充実を進めた。

 “逃亡性”と“攻撃性”。とくに後者は、養蜂をする者にはアフリカミツバチの恐怖として知られているところである。このアフリカミツバチ、実はアフリカだけに留まらない。南米、中南米にも進出し、“アフリカ蜂化ミツバチ”としてやはり恐れられている。慣れない地では、ハチがアフリカ蜂化してしまうと、もはや養蜂にならない。しかしアフリカには、幸か不幸か初めからアフリカミツバチしかいないのだから、養蜂はこの気性の荒いアフリカンママたちと正面から向き合って付き合っていくしかない。

 













     (写真左)防護服に身を固めたTEACAリーダー
     (同上)養蜂事業で収穫された蜂蜜





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