2013年 日本の市民と村人の取り組み
〜Rafikiプロジェクト〜 活動履歴


   ●2013年  12月 Rafikiプロジェクト作成物の方向性について('13/12)
            9月 Natiro中学校保護者向けイベントにて('13/9)
                2013年7-8月現地渡航調査報告A('13/9)
                2013年7-8月現地渡航調査報告@('13/9)
            7月 2013年7-8月現地渡航調査の目的と実施事項('13/7)
            6月 2月渡航のまとめとRAFIKIプロジェクトの今後の見通し('13/6)
            5月 村役場訪問と新たな小学校へのカルタ配布('13/5-2)
                村人との座談会実施('13/5-1)
            4月 現地渡航調査報告('13/4)
            2月 2013年2月現地渡航調査の目的と実施事項('13/2)


         
■Rafikiプロジェクト作成物の方向性について('13/12)■



Rafiki Projectで作成している各作成物について、今夏渡航を踏まえて検討した今後の方向性と改善点についてご報告いたします。


■全体の方向性
森を守っていく機運を村全体で盛り上げるために、今夏渡航において座談会でキーパーソンの方々が集まって議論し、"Hekima(尊敬)"という名前と範囲が暫定的に決定されました(詳細についてはこちら)。これから村の意志決定プロセスに則って全村民の意見を踏まえて正式な名前と範囲が決定することになる予定ですが、Rafiki Projectとして森の名前が正式に決まった後どのように活動していくかを検討しました。Rafiki Projectで作成しているガイドブック・カルタ・イラストマップ・森林利用調査ポスターは今まで全て「テマ村」というくくりで作成していましたが、森の名前についても今後近隣の村と横につながり森を守っていくことを視野に入れ決定されたことから、ツールのくくりを「Hekimaの森」に範囲を拡げる方向です。また、ツール同士の併用が可能になるよう全てをひとつながりの連係したものにしていき、村の人々の"森を守りたい"という気持ちを支える一連のツールとしていきます。


■各作成物の改善点と次回渡航に向けて
今夏渡航において、テマ村ガイドブックについて村の人たちから意見を聞いたり、3つの小学校でカルタの説明を行って生徒さんたちに遊んでもらいました。ガイドブックに対して実際に村の皆さんから出た意見や、実際にガイドブックやカルタを使用されている様子を見て次回渡航までに改善すべき点と、次回渡航での活用方法の予定については以下の通りです。

(1)ガイドブック
ガイドブックには、森にまつわる植物や伝統儀式、伝統農法、伝統料理を掲載しています。これらは村の方々が後世に伝えたい自慢で、自慢を形にすることで村の皆さんが「森にはこれだけ豊富な資源がある」「森にまつわる豊富な知識を有している」と感じて、森を守りたいという気持ちにつながることを期待しています。今年の渡航において村の皆さんからの意見を聞く際にこの説明を丁寧に行うことを心がけましたが、説明なしではガイドブック単体だけだと図鑑にしか捉えられない可能性があります。よって目次の後に作成目的と意図を表すページを挿入することにしました。

次回の渡航では、インタビューの際に多かった「教会や学校に設置したらよい」という意見をもとに、この二つの場所での設置を検討しています。学校に対しては村の文化を学ぶ授業での活用を提案したいと考えています。また、Natiro中学校の環境クラブに対しては、環境クラブの生徒さんと一緒に山歩きを行なって森にまつわる知識や伝統を学び、クラブの活動として学んだことを小学校へ出向いてレクチャーを行なうことをできないか提案したいと思っています。教会に対しては環境セミナーがあるという話があったので、その機会を活かしてガイドブックを紹介することや、すでに各教会に配布してある森林利用調査ポスターや衛星写真と共に誰もが自由にいつでも見られるように常時設置して頂けるよう依頼する予定です。


(2) カルタ
3つの小学校で遊んでもらった際に過去に作成された「テマ村カルタのルール」に従って説明を行いましたが、説明順序に問題があったり、「じゃんけん」といった日本特有のものが含まれていたので、分かりやすいものに改訂します。また、現在のカルタにはテマ村の「オリモ小学校」「TEACA」「FARAJA」「KIWAKABO」などの学校や団体の札がありますが、今夏渡航で訪問した「フンブフ小学校」「フォイェニ小学校」は含まれておりません。今後、新しく訪問する小学校は追加していきますが、村内のほかの地域や近隣の村への普及を考慮すると、特定の地域に特化した団体の札は削除した方が良いということになりました。また植林地も含まれていない個所もあるので「植林地」という括りの札を作成して、その中に各植林地名を盛り込むこととしました。

これまでに学校同士のカルタ大会の提案をすることが検討されましたが、各学校での遊ばれている頻度や先生方の理解度に差があるため、次回渡航ではまだ難しい状況です。ただし、生徒さんたちが飽きずに遊んでもらうために学校内でのカルタ大会は提案しようと考えています。


(3)イラストマップ
イラストマップは、製作が2年近く滞った状態になっています。今夏渡航で初めてテマ村を訪れたRafiki Projectメンバー2人は実際に今まで作成されたマップを持参して山歩きをしましたが、道幅・水路の幅・目印となる物や場所の位置の記載について、実際に使用するにあたり改善が必要だと感じました。ランドマークの位置を正確に掲載すると共に、地図を読み慣れていない村の方々のことも鑑み、キリマンジャロ全体でのテマ村の位置が分かるようにする必要があると考えています。



Rafiki Projectミーティングの様子
Rafiki Projectミーティングでの話し合いの様子
 



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■Natiro中学校保護者向けイベントにて('13/9)■



少し古い話になりますが、8/17にテマ村のNatiro中学校で保護者参観日がありました。

Natiro中学校の環境クラブの生徒さん達とは『テマ村ガイドブック』を協同で作成しております。今夏渡航でのクラブの皆さんとのミーティングにおいて、ガイドブックは生徒さん達の活動の成果であることを強調してお話しました。生徒さん達の主体性を尊重して今後共に活動していきたいと考えており、このガイドブックを自分達の活動として紹介する機会がないかと尋ねたところ、我々の訪問後の8/17に参観日があるとの意見が出され、その様子を先生が送ってきて下さいました。

今夏の渡航では、日曜礼拝の場をお借りして『テマ村ガイドブック』について村の皆さんから意見を聞く機会を得ることができ、環境クラブの6人の生徒さん達に通訳として協力して頂きました。その際、このガイドブックが村の自慢を集めたものであること、森にまつわる自慢が多くあればあるほど森への愛着が沸き、その愛着が「森を守りたい」という気持ちに繋がるのではないかと考えて作成していることを生徒さん達自らの言葉で村の皆さんへ説明して頂きました。また1976年と2000年のキリマンジャロ全体写真とテマ村周辺を拡大した衛星写真を使いながら、テマ村周辺の森が緑を保っていることも説明して頂きました。

参観日当日は上記の教会でのガイドブックについてのヒアリングにご協力頂いた6人が中心となり、ガイドブックに掲載したキハンバについてのレポートと、衛星写真を用いてテマ村周辺の森が守られていることを保護者の方々にしっかりと説明されていたそうです。

キリマンジャロの衛星写真を使いながら保護者に説明する環境クラブの生徒さん1キリマンジャロの衛星写真を使いながら保護者に説明する環境クラブの生徒さん2
キリマンジャロの衛星写真を使いながら保護者に説明する環境クラブの生徒さん
 

今後も環境クラブの皆さんとはガイドブック作成だけでなく、このように生徒さん達が主体的に取り組めることや、現地で具体的な活動を一緒に行うことも検討していきたいと考えております。
 



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■2013年7-8月現地渡航調査報告 A('13/9)■



  Rafikiプロジェクトでは7月24〜8月9日にかけて現地渡航調査を行いました。今回は渡航調査報告第二回目として、テマ村ガイドブックの配布、森林利用調査ポスターとキリマンジャロ衛星写真の配布、小学校訪問とNatiro中学校環境クラブとのミーティングについて報告します。


1.テマ村ガイドブック(簡易版)の配布
 Rafiki Projectでは「森を守るには気持ちが大切」という考えの下、森に関する古くからの知恵・知識を集めたテマ村ガイドブックを作成しました。誇りに思うものが多くあればあるほど、森への愛情しいては森を守りたいという気持ちに繋がるのではないかと考えているためです。今回は、そういった概念的な話よりもまずガイドブックそのものに触れてもらうため、また、ガイドブックを通じてより多くの方にRafiki Projectの事を知り参画してもらうことを目的に、アンケートを添付したテマ村ガイドブックの簡易版を配布し意見を聞きました。1つ目の方法としては、教会の日曜礼拝でガイドブックを配布し、1週間後にアンケートを回収しました。

<アンケート配布を行った各教会での配布数に対する回収数>  
 教会名:回収数/配布数
 Maideni教会 : 18 / 30
 Natiro 教会: 9 / 10
 Foyeni 教会: 9 / 10

 Maideni教会では、教会内で別に場所を借りアンケートを持参した方に回答理由のヒアリングを実施し、また持参した方々以外で回収場所を訪れた方にもガイドブックを見せ、その場でアンケートに沿ってヒアリングを行うという方法をとりました。上記の通りアンケートの回収率は7割でした。Maideni教会での意見のヒアリングにおいてはヒアリング場所が人々の教会からの動線と反対であり、また回収・ヒアリングの準備が予定通り行えず、意見を聞けたのは8名のみで、回収率・ヒアリング数共に結果は良くありませんでした。二つ目の方法としては、数人の方々を訪問しインタビュー実施する方法をとりました。
 アンケート中で、「このガイドブックに掲載されているような知識や知恵を誰に伝えたいか」という設問があったのですが、これに対して多くの方が「家族、特に子どもや孫に伝えたい」と答え、やはり昔から引き継がれてきた大切な知恵や知識は多くの方が次世代にも残していきたいと考えていることがわかりました。一方、ガイドブック中のスペルミスや、お年寄りからは字が小さくて読めないなどこれからの課題となる意見も多く出されました。
 今回ガイドブックの頒布を行い、今まで全くRafiki Projectを知らなかった方々にガイドブックを渡し触れてもらえたことは一歩前進となりました。しかし大多数への大量配布では、ガイドブックは単なる図鑑ではなく、森の大切さを感じてもらうためのものであるという意図を説明し理解を確認することは難しいこともわかりました。今後は、人数は少なくとも我々の意図を伝えながら渡していくことが必要だと実感しました。


2.森林利用調査ポスターとキリマンジャロ衛星写真の配布
 森林利用調査のポスター(2012年8月の現地渡航で森林利用調査を実施。森に入る人数/森から得ている物の種類と量/森から得ている物を貨幣換算した金額をまとめたもの)を前回の渡航で要望があった全5村区に配布しました。またキリマンジャロの衛星写真(1976年と2000年のキリマンジャロ全体とテマ村周辺の森を撮影したもの)を村役場・5村区・教会等村の人々が訪れる場所に掲示してもらえるよう配布しました。これらの資料は上述のとおり各グループとの個別ミーティングでも併用し、森から多量の木を得ているにも関わらずテマ村周辺の森が守られているという証拠を村の人々に示すことができました。


各村区長に衛星写真と森林利用調査ポスターを配布

各村区長に衛星写真と森林利用調査ポスターを配布


3.小学校訪問
 これまでの訪問でテマ村カルタを渡したFumvufu・Olimo・Foyeniの各小学校を訪問しました。(テマ村カルタの説明についてはこちら)今回は、カルタの各小学校での使用状況のヒアリングと、今まで時間が無かったためできていなかった、「生徒たちに森に関する知識を楽しく覚えてもらうため」というカルタ作成の意図を各小学校の先生方に時間をかけて説明し、理解して頂くことを大きな目的として臨みました。説明後、生徒の皆さんと一緒にカルタのルールを確認し遊びました。生徒のみなさんが非常にカルタに関心を持ち、カルタに書いてある民族の伝統や植物などをよく覚え、終始喜んで遊んでいる様子から、「楽しみながらカルタに書いてある知識を覚えられる」というカルタの効果を見てとれました。また、各小学校の先生方も生徒の皆さんの様子を見て、カルタの効果を納得され、「子どもたちが森の知識を知るために効果的なツールである」といったコメントを下さいました。
 今後はカルタに載せている民族の伝統や植物が村の人々が子どもたちに伝えていきたいものと合致しているのか、まずは小学校の先生方を中心に聞き、実際の村の人々の意見を反映していく予定です。


Foyeni小学校の生徒たちがカルタで遊んでいる様子

Foyeni小学校の生徒たちがカルタで遊んでいる様子


4.Natiro中学校環境クラブとのミーティング
 Natiro中学校の環境クラブの生徒さんに、3年前からテマ村ガイドブックに掲載する記事を書いて頂いています。記事を書くことはRafiki Projectからの依頼ではなく、村の人々の「森を守りたい」という気持ちを支える活動を共に行っていきたいということを伝え、理解していただくためミーティングを行ないました。その際、調査し執筆して頂いた生徒さん達自身の活動の成果を紹介できる機会があるかどうか聞いたところ、8月17日に保護者を招待して行われる発表会を使い発表できるという意見が出されました。自分たちの調査・レポートを発表することにより、それらが自分たちの活動の成果であることを実感できるよい機会になったのではないかと考えています。
 さらに、環境クラブの生徒さんたちの中から数人、テマ村ガイドブックの教会での意見回収の際に通訳なども手伝って頂きました。この時に手伝ってくれた生徒さんたちは、Rafiki Projectの取り組みの目的やガイドブック作成の意図についてよく理解し、自分たちの言葉でその内容や主旨を村の人々に説明していました。このように私たちの取り組みを理解してくれた生徒さんたちが、クラブのメンバーや他の生徒さん達、学校以外での若い方々に対してそれを広めてくれるスピーカーとなってくれることを期待しています。また今回の活動を通し、メールだけのやり取りやミーティングでのこちらからの説明だけでなく実際に顔を合わせて話し共に活動したことで、生徒さんたちのRafiki Projectの取り組みへの理解も確認でき、今後も協力関係を築いていくことができると実感しました。


Natiro中学校環境クラブの生徒さんたち

Natiro中学校環境クラブの生徒さんたち


5.まとめ  
 今回の渡航調査では、村の人々と対話する機会が多くあり渡航メンバーにとって今まで想像でしかなかった村の人々の森に対する思いを聞くことができました。また、村の大人たちが自分たちの民族の伝統や森に関する知識を子どもや孫といった次の世代に伝えていきたいと願っていることを認識しました。その思いや願いを今後のツール作成や今後のプロジェクトの活動に反映していこうと考えています。
 またこれまでもワークショップや座談会を行ってきましたが、今回のようにこちらからの「森に名前をつける」という提案に対し村の人々が自身の問題として熱のこもった議論を行い、それが結論に至り、今後の方針が決まったことは一定の成果であると考えています。しかしそれぞれの取り組みに対しフォローの継続が不可欠です。森の名前については、村の意思決定プロセスに則っていくか見守る必要があります。森の名前が決まったとしてその先はどうするか、村の人々と共に考えていきます。また各村区や教会に配布したポスターや衛星写真が有効に活用されているか確認が重要です。カルタに関しては、生徒さんたちが継続的にカルタで遊んでくれる仕掛けを検討する必要であると考えています。Natiro中学校環境クラブの生徒さん達と実感できた協力関係を維持していくために、現地で我々と具体的な活動を行うことや、レポート以外で生徒さん達が主体的に取り組めるものを考えていく必要があります。それぞれの活動が滞ってしまわないよう、皆で考え、取り組みを続けていきます。
 



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■ 2013年7-8月現地渡航調査報告@('13/9)■



 Rafiki Projectは7月24日〜8月9日にかけて、現地渡航調査を行いました。2回に分けてその結果をご報告します。(今渡航の目的と実施事項の詳細についてはこちら。)第1回目は、「森に名前を付ける」ことを提案するために行った個別ミーティングと座談会についてです。


◆渡航の目的
@森を守りたいという強い動機を村全体のムーヴメントに広げるため、「森に名前をつける」ことを提案する。
ARafikiプロジェクトの取り組みの理念(森を守るには人々の「森を守りたい」という意思や気持ちが重要である)をより多くの人に知ってもらう。

◆各実施事項の結果
1.各グループとの個別ミーティングと座談会
 今回の渡航では目的@に向け、より多くの村の方々と森を守っていくための村全体のムーヴメントを展開していくために今まであまり接点のなかった人々ともお話をする機会を設定して頂き、「森に名前をつける」という提案を行ないました。この提案に対して強い同意と納得がない限り、村人自身の活動・ムーヴメントにはつながらないため集まって頂く方々への丁寧な説明と対話が必要と考え、まず各グループを個別に訪問しミーティングを行いました。その上で座談会という場に全グループが集まって頂き、議論して頂くことにしました。


<個別ミーティングを行ったグループ>
@Faraja(村の伝統料理や薬草の使い方伝える活動をしている女性グループ、14名)
A森に関する知識が豊富なお年寄りグループ(8名) 
B3水路のリーダーと書記(5名。1水路欠席)
COlimo小学校の先生と教育委員会(6名)
D村長、助役、4村区の村区長(6名。1村区欠席)
E4教会の牧師、教会委員会(12名。1教会欠席)


<個別ミーティングの流れ>
 以下の流れでミーティングを行いました。
(1)何故テマ村の人々が森林保護に関心が高く、その取り組みを長い間続けているか理由を聞く。
(2)1976年と2000年のキリマンジャロ山全体およびテマ村周辺の森の衛星写真と森林利用調査ポスターを使い、人々の植林活動の成果を提示。
(3)テマ村の森に名前を付けることを提案。
 ・人々によって守られ豊かである森は名前を付ける価値があるほど特別なものである、と説明。
 ・各グループ内で座談会までに@名前Aその理由B範囲について話し合ってもらうよう依頼。
(4)日本の事例紹介として、全国ご当地ゆるキャラの紹介。
・名前を付けることと同じく、世代を超えて地域への愛着が深まり、外部へのアピールにもなる、と説明。


<結果>
(1)の森を守ってきた理由については、それぞれのグループで「森は雨をもたらし、そのおかげで薪や家畜の餌を得、自分たちの生活を支えてくれるから」、「50年以上もずっと昔から守ってきたから」といった答えが多く出されました。また (2)の衛星写真と森林利用調査のポスターを提示したことで、多くの人が「自分たちの森は他と比べて守られており、それは自分たちが長い間木を植えてきた成果であるから、自分たちの森は特別である」ということに納得して下さり、(3)の自分たちの森に名前を付けるという提案にもほとんどの方が賛同して下さいました。(4)の日本の事例紹介を受けて「自分たちも森を一生懸命守っていることを外部に向けアピールしていこう」といった反応がありました。


<座談会の流れ>
参加者30名
(1)衛星写真を用いて「テマ村の森は守られている特別な森」という事実を全体の場で再度共有。
(2)各グループで考えてきて頂いた名前と森の範囲を披露してもらう。
(3)出された候補名をどのように村全体で決めていくかを議論する。

   各グループで話し合ってきてもらった森の名前の案としては、「テマ(の森)」という案が多かったのですが、「特定の地名を森の名前に付けることは、これから他の多くの村と協力して森を守っていくときに支障が出るのではないか。」また、「テマ村が森を所有しているのかという様に思われるのではないか。」といった意見が出されました。最終的には、特定の地名ではない「Hekima(知恵の森)」という名前が選出されました。今回の座談会では、自分たちの森に名前を付けるということに対し、村の人々が真剣に自分たちの事としてそれを捉え、白熱した議論が行われました。一方で、座談会は村の一部の人のみでの議論だったため今後、村の意思決定プロセスにおいて「森に名前をつけること」と「Hekima」という森の名前の一案をほかの村人がその理由・経緯と合わせて説明されることが重要になってきます。その上で村の最高意思決定機関であり全ての村民が出席する村会議にかけるということで決定しました。今後の経過についてはTEACAと連絡を取り合い、フォローして参ります。また、将来正式に村の総意で森に名前を付けることが決定した場合、名前をどう村全体に広げていくか、名前をどのような活動につなげていくか現地の皆さんと共に考えていくことが今後の検討課題です。


個別ミーティングでの説明

個別ミーティングにて衛星写真を用いて説明する様子



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■ 2013年7-8月現地渡航調査の目的と実施事項('13/7)■


  Rafikiプロジェクトは2013年7月24日〜8月9日の日程でタンザニアでの現地渡航調査を行います。渡航調査の目的と主な実施事項についてお知らせいたします。結果につきましては、帰国後報告させて頂きます。


◆目的
@森を守りたいという強い動機を村全体のムーヴメントに広げるため、「森に名前をつける」ことを提案する。
ARafikiプロジェクトの取り組みの理念(森を守るには人々の「森を守りたい」という意思や気持ちが重要である)をより多くの人に知ってもらう。

◆実施事項
1.座談会実施と各グループへの事前個別ミーティング

 2013年2月渡航において座談会を実施し、出席した約20名の村の方々とRAFIKIプロジェクトの理念である"森を守るには人々の「森を守りたい」という意思や気持ちが重要である"ことを共有しました。その意思や気持ちを支えるために村全体で何かできること(ムーヴメント)はないかという議論を行ない「展覧会実施」という結論に至りました。しかし、2月渡航の報告でも書きましたように具体的なことは決定できなかったことと、どこまで我々の意図するムーヴメントが伝わっているか曖昧という課題が残りました。今回はこのムーヴメントをより多くの方々と共に掘り下げようと、ムーヴメントの一案として「森に名前をつける」のはどうかと提案しようと考えています。
 今回の渡航でも座談会を実施しようとしており、前回出席してくださった方々と今までRAFIKIプロジェクトとあまり接点のなかった方々にも参加して頂く予定です。前回より人数が多くなるのと、しっかりと我々の思いを説明したいため座談会の前に出席予定の各グループを訪問します。
 出席グループと個別ミーティングでどのような話を予定しているか、また個別ミーティング後の座談会の流れの予定は以下の通りです。

<出席グループ>
@村長、助役、各村区長(計7名)
AFARAJA(14名)
B森に詳しいお年寄り(5〜10名)
C4水路の水路委員会議長と書記(8名)
DOlimo小学校 学校委員会(5〜10名)
E5教会の牧師、各教会委員会(15名)

<各個別ミーティングでの話の流れ>
@テマ村の森は村にとって偉大な財産であることの共有
Aそのような唯一無二で貴重な森に名前をつけることの提案(名前をつければ森をもっと身近に感じられるから)
B村人自身によって決められた名前は村全体に広がる。(ムーヴメントとなりうる)
Cこのムーヴメントは世代間問わず広がり、楽しめるものとなるだろう。
(例として日本でのご当地キャラを紹介)

<座談会の流れ>
@個別ミーティングで共有した「テマ村の森は唯一無二」ということを全体の場で
再度共有
A各グループで考えてきてもらった名前を披露してもらう
B出された候補名をどのように村全体で決めていくかを議論する

2.テマ村ガイドブック(簡易版)の配布
 RAFIKIプロジェクトの掲げる"森を守るには人々の「森を守りたい」という意思や気持ちが重要である"理念は説明しようとすると多大な時間を要しますし、座談会のような場でも参加して頂くのは村の一部の方々です。
 今回は、概念的な話よりもまずは具体的なものから触れてもらおうと、またより多くの村の方々にRAFIKIプロジェクトを知って・参画して頂こうと、RAFIKIプロジェクトで作成したテマ村ガイドブックを配布しようと考えています。ガイドブックは森に詳しい村の方々からお聞きした古くからの知識、自慢だと思うものを掲載しています。プロジェクトの製作物としては一番完成しており、テマ村の森には、こんなに多くの自慢といえるようなことがあるということを伝えるツールとして有用と考えたからです。今回はより多くの人に手に取って見てもらいたい・読んでもらいたいと考え、昨年の教会で村の方々に投票して頂いた「森の自慢」の上位を抜粋した簡易版を作成し、日曜礼拝の場をお借りして配布する予定です。また村の人々にランダムにインタビューを行う予定です。アンケートも添付し、できればお話もさせていただいて村の皆さんの意見を聞きます。意見を聞く理由は、RAFIKIプロジェクトで作成しているものは現在主に日本側中心ですべての工程を行なっており、これからはもっと村の人々に参画して頂きたいと考えているからです。より多くの村の方々のRAFIKIプロジェクトへの参画の第一歩として、まず何をやっているか(作っているか)を知ってもらい、それに意見や感想を述べて頂くことから始めていきたいと思っています。

3.森林利用調査ポスターとキリマンジャロ衛星写真の配布
 2月渡航の際に森林利用調査ポスター(2012年8月の現地渡航で森林利用調査を実施。森に入る人数/何をどれくらいの重さのものを得ているか/そのものは貨幣換算するといくらになるかの3点をまとめたもの)を村役場に寄贈した際、好評を頂きました。森林保全活動の励みになるということで各村区(5)への配布の要望もありましたので今回も持参し、各村区での掲示をお願いする予定です。
またポスターと共に、実際にテマ村周辺の森がキリマンジャロの他の地域に比べて守られていることを表す衛星写真のデータも持参し、各村区をはじめ教会や座談会前の個別ミーティングでも配布する予定です。

4.3小学校訪問
 2月渡航時にはFumvuhu小学校とFoyeni小学校を初めて訪問し、RAFIKIプロジェクトのもう一つの製作物であるテマ村カルタを紹介しに行きました。ただ残念ながら先生方はお忙しく、なぜカルタというものを作成したのか、なぜ生徒さんたちに遊んでもらいたいのかという説明をするのに十分な時間が取れませんでした。今回、再度、説明の時間を頂き、実際に生徒さんと遊びながらルールのデモンストレーションを行います。また以前からカルタで遊んでいただいているOlimo小学校は2月に訪問ができなかったため、生徒さんたちが遊んでいるかどうかの状況確認などを行う予定です。

5.Natiro中学校環境クラブとの調査協力継続確認
 3年前からNatiro中学校の環境クラブの生徒さんにテマ村ガイドブックの調査に加わって頂き、記事を書いて頂いています。新入生も加入したので、再度、一緒にテマ村の森の豊かさを知る・伝える活動をしていくことを生徒さん達と共有したいと思います。


2013年7月ガイドブック簡易版表紙

2013年7月ガイドブック簡易版表紙



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■ 2月渡航のまとめとRAFIKIプロジェクトの今後の見通し('13/6)■



 今回は2月に行った現地渡航のまとめとRAFIKIプロジェクトの今後の見通しについてご報告させていただきます。

 これまでのRafiki Projectは、「森を守る気持ちを支えるためにはどうしたら良いか」という手探りの初期段階で、ゼロから作り上げていく必要があるため、どうしても日本人が活動の中心とならざるを得ませんでした。現在のRafiki Projectは、「森を守る気持ちを支えるにはこうしたら良いのではないか」ということの1つの提案として村の人たちに提示できる段階まで達しつつあります。その中で、Rafiki Projectは、日本人中心に行っている段階から村の人を本格的に巻き込む段階にようやく達しつつあります。2月の渡航は、基本的にこの段階の第1歩を踏み出すために実施しました。  実際の成果としては、村の人を巻き込むために必須な「森を守るためには、守っていこうという気持ちが大事であり、それを支えることが必要である」といった目的や理念を村の人と共有することが出来たことであります。また、座談会の報告の回(詳しくはこちら)で書かせていただいたように、まだ「アイディア」程度ながらも村の人もそういった活動を始めようという方向が打ち出せたことも成果であります。

 一方で、目的や理念を共有できた村の人の数はごく一部であり、また、そのための具体的な動きはいささか曖昧な部分があります。これが実際に動いていくかは、今後のフォローアップにかかっており、今の段階で村全体の動きに確実に繋がっていくであろうとは言える状況にはありません。目的や理念を共有し、さらには具体的な動きにつなげていくためには、信頼関係の構築や議論の積み重ねなど時間がある程度必要です。そのため、まだ曖昧なアイディアしか出ていないというこの状態もやむをえないと考えております。一方、この状況は時間が必要なためというだけでなく、やり方にも少し問題があったかという意見も事務局内で出ております。つまり、いきなり村の人と、たとえ理念や目的を共有できたとしても、「では、全く新しい独自の活動を考えていきましょう」と提案すること自体が少々一足飛びであったのではないかということです。

 現在、事務局で話し合われていることは、ゼロから新たに村の人が行動を起こすことを今後も狙うと同時に、現在まで我々がやってきた活動に村の人に少しずつ「関与してもらう」ことも並行して行っていこう、というものであります。これは、我々の今まで行ってきたガイドブックなどのツールが、村の人にとって「森を守る気持ちを支える」1つのヒントやきっかけとなり、それに実際に関わってもらう中で、村人自身が考える新しいツールや具体的な行動に繋がっていくのではないかと考えるためです。

 次回の渡航で、上記を実現するために、具体的にどのようなことを行うかは検討中です。渡航が近づきましたら、その方針や内容をご報告させていただきます。皆様からのご意見を頂ければ、是非参考にさせていただければと思います。

TEACAとのミーティング
TEACAとのミーティングの様子



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■  村役場訪問と新たな小学校へのカルタ配布('13/5-2) ■



 今回は、村役場訪問とカルタの2小学校への持ち込みについてご報告させていただきます。

1. 村役場訪問

 2013年2月の渡航は「森を守ろうという気持ちや意思が大切であり、それを支えていこう」というRafiki Projectの目的・理念を共有し、実質的に日本人が主体となってしまっている活動を、村人とともに行う活動にする第一歩とすることを目的としていました。

 前回お伝えした座談会はそのために組んだものでした。その2日の日程の内、村長、助役、各村区長の参加が、どうしても外せない会合が入ったために1日のみの参加となってしまったことを報告させていただきました。彼らは、村に様々な活動を広げていく際に重要な人物であることは間違いなく、仕方がなかったこととはいえ、かなりの懸案として残ってしまっています。

 ただ、その中で幸いであったのは村役場を訪ねる日程を別に確保しており、その中で我々の活動の理念や目的についてある程度説明をする機会があったことです。2012年8月に森林利用調査を行った際に助役さんから助言と協力を頂いており、訪問の目的自体はその結果報告とお礼であり、Rafiki Projectの目的・理念を説明することとは別個に設定した日程ではありました。森林利用調査は、森からの恵みを数値で換算することで森に対する新たな視点を得られるのではないかと実施したものなのですが(森林利用調査の詳細についてはこちら)、「これだけの数値を得られているのは今までの植林活動の成果の1つである」という流れでその結果を表すポスターを作成しました。これは、現在様々な困難な状況にあり、また、結果・成果が見えにくい植林活動を行う村人達の「森を守りたいという気持ち」を支えることに繋がるのではと考えて作成しました。また、ポスターとは別に、実際にテマ村周辺の森がキリマンジャロの他の地域に比べて守られていることを表す衛星写真のデータを持込み、それは「森を守ろうとする気持ちが強かったからではないか」という説明を行いました。これらの資料とその説明は「森を守ろうという気持ちや意思が大切である」というRafiki Projectの理念の部分を表しているものであります。

 下が実際に説明を行っているシーンの写真なのですが、右手前が助役さん、右奥が村長さん、真ん中奥と左手前の女性が村の評議員の2名となっております。森林利用調査のポスターとテマ村の植林成果を表すために持ち込んだ衛星写真の資料もともに「村の人を勇気づけられる」「テマ村の行ってきた成果を外にも示せる」と好評でありました。また、今回は森林利用調査の結果報告と言うことでポスターのみ村役場に寄贈したのですが、衛星写真の資料も是非ほしいとのことを助役さんから言われ、また評議員の女性からは「このポスターを各村区に是非ほしい」とのことで、それを実際に使って村の人の気持ちを高められると感じていただけたようです。Rafiki Projectの理念を伝えるのとは別個に設定した日程ではありましたが、一定程度その理念が伝わり、それに共感していただいたと考えております。

村役場訪問
村役場訪問


2. カルタ持ち込み

 次に、小学校へのカルタの持ち込みをご報告させていただきます。
Rafiki Projectは「森の中や森に関連する自慢を探し、それを知ってもらうこと」が森を守る気持ちに繋がる1つの手法であると考えております。その中で、次世代を担うであろう小学生にその自慢を引き継ぐために作成してきたのがこのカルタになります。カルタは森の自慢を集め、それを遊びながら覚えてもらうことを目的としております。このカルタはテマ村のOlimo小学校に今回の渡航の前にすでに持ち込まれプレイされていますが、近隣のFumvufu及びFoyeni小学校の2校にカルタを普及させ、さらには、これら3校を合わせてカルタ大会なるものを開催し、村全体でこうした子ども達に自慢を伝える活動が盛り上がるのではないかと考えています。そのために、2小学校を訪問し、カルタをプレイしてもらった上で寄贈してきました。

実際のプレイでは、両小学校ともに盛り上がり、これであれば遊びながら森に関わる自慢を覚えてもらえるという手応えを得られました。一方、カルタ大会を開催するにあたっては、「おてつき」などの複雑なルールが伝えきれず、また、誰が一番先に触ったのかの判定も難しく、離れた小学校同士を集めてカルタ大会をするには、まだまだルール整備や伝達が必要であるようです。また、先生方に授業の時間を縫ってミーティングに参加してもらったため、Rafiki Projectの理念が伝えきれず、このままカルタ大会を開催しても、運営側である学校の認識が、「単に日本から面白い遊びが持ち込まれた」という状態での実施となってしまい、村全体に与えるインパクトが小さくなってしまうことが懸念される状態となってしまいました。そのため、早ければ今夏に実施できると考えていたカルタ大会は、これらの問題をクリアしてからの実施とすることにしました。

ただ、カウンターパートであるTEACAリーダーの1人が校長を務める、ある種「身内」のOlimo小学校以外にカルタ渡ったことで、カルタそのものだけでどれだけ「自慢」を子どもたちに伝えられるものかがわかると思います。今後、再度両小学校を訪問し、生徒や先生方からその感想を聞きたいと考えております。

カルタで遊ぶ子どもたち
カルタで遊ぶ子どもたち



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■  村人との座談会実施('13/5-1) ■



 さて、前回お伝えした「森を守りたい、守っていこうという気持ちが重要である」という点を村人と議論をするための座談会を今回はご報告させていただきます。
 前回のご報告のスケジュールにおいて
2月22日(金) : 村人との座談会(第1回)・・・取り組みの認識共有等
2月28日(木) : 座談会 (第2回)
となっている部分がそれにあたります。

1. 座談会の目的
 「森を守ろうという気持ちや意思が大切である」という目的・理念を議論・共有することは、現在の日本人が中心になって行われているRafiki Projectを、真に「日本の市民と村人との活動」にするための一環であると考え行ってきました。前回述べたように、村人に活動に関わってもらうためにも、まずは知ってもらう、特に理念などの根幹の部分を共有することが最も重要であると考えております。

 そのため、「森を守るためには、その気持ちの重要性」を確認し、村全体で一致した取り組みにすることが1つの大きな原動力になると考えています。つまりは、たとえ取り組みは各個人やグループでバラバラであっても、お互いに理念を共有して行う活動は村全体への波及力が高く、また、全員一致の取り組みには大きな力を持つだろうという考え方です。

 この座談会では、村長や助役、各村区長(村区とは村の1つ下の行政単位)、教会の委員会、学校の委員会、村を流れる各水路の長老、活発に活動している女性グループ、中学校の先生という村のキーパーソンに集まってもらい、理念を共有した上でRafiki Projectのような「森を守りたい、守っていこうという気持ちを支え、それを長く継続していく」活動を一緒に行うことを意図しています。また、村の「長老」とも言うべきお年寄りにもアドバイザー的な位置づけで集まってもらいました。もし、彼らが理念に基づき様々な活動を行えば、自然に村全体に理念や活動が広がっていくと考え、参加していただきました。

2. 座談会(1日目)
 さて、実際の座談会のスケジュールについてですが、このような理念に関わる部分の議論は1日で終わるほど簡単ではないと考えたことに加え、可能であれば、1日目に理念を共有できたならば、2日目までに、そのためには「どうのようなことができそうか」ということを議論し、少しでも実際の村での動きにつなげようということから2日に分け実施しました。

1日目のスケジュールは以下の通りとなっています。
第1段階:なぜ植林活動など、森を守ろうとしてきたのかを聞かせてもらう。
第2段階:その実績としてテマ村周辺の森の豊かさのデータを示し説明
第3段階:「森を守る気持ち・心が大事」という点を議論・共有
第4段階:その「気持ち」を守るために作っている我々のツールに対して意見や感想をもらう

 まず、1段階目で聞いたテマ村の人たちが植林を行ってきた動機を聞き、その後、2段階目でその植林活動が実際にデータとして現れるほどに効果を上げている点をこちらから示すのが導入部分でした。そして、3段階目の「なぜ、テマ村だけが、これほどまでに成果を上げられたのか」の議論につなげるために設定しました。この議論の答えは1つの正解があるとは考えておりません。例えば、「植林活動を行ってきたから」「森は生活に欠かせないため大事だと思っているから」など様々な意見が想定されます。ただ、そうした活動はキリマンジャロ全体にあり、また、森が生活に欠かせないのは他の地域も変わらないはずです。では、「なぜテマ村だけが成功したのか?」という議論の中で我々の意見として「気持ち」が違ったのだ、という点に繋げるつもりでした。実際に、参加者の議論からは、教育であったり、伝統であったり、こちらの考えている「気持ち」に関連するものもいくつか出て、その後に示した我々の考えである「気持ちが違ったのだ」「この気持ちが森を守っていくために、今後も重要なのだ」との意見にもある程度の同意を得ることができました。

 一方で、開始時間が大幅に遅れてしまったこと、予想以上にこちらの説明や議論に時間がかかってしまったことなどから、それ以降の部分がかなり駆け足になってしまいました。また、「気持ちが大事」に対する同意も得られたと書きましたが、時間がない中で何人かから同意の発言を得られただけであり、一人一人にしっかり確認をとっていったわけではありません。そのため、「比較的発言が少ない参加者がどう思っているのか」といったことに加え、「そうだ」といってくれた参加者も、あくまで会話の流れの中での発言である可能性もあるのではと考えざるを得ませんでした。

 どこまでしっかりと同意をもらえたのか、参加者全体でもらえたのか、といったことに対して若干の不安が残ってしまう状態でした。

3. 座談会(2日目)
 渡航前には、2日目の座談会では全ての時間をとって「気持ちを支えるために村全体で何を行えるか」を議論していくつもりでした。

 しかし、前述のように理念をどこまで共有できたのかが不確かであったため、2日目の前半で前日の議論を再び確認しなおし、どこまで同意をもらえているのかを確認する時間を大幅に確保し、同時に後半駆け足になった我々の現在の取り組みに意見をもらうことをまず行い、余った時間で「気持ちを守るためには村で何ができそうか」という点について話し合うことにいたしました。

2日目の予定
第1段階:「森を守る気持ちの重要性」の確認・議論
第2段階:我々のツールに対して意見や感想をもらう
第3段階:「気持ちを守るためには村で何ができそうか」を議論

 このように設定した2日目の座談会なのですが、村役場において緊急の会合が入ったため、村長、助役と各村区長がこの2日目に出席できないこととなってしまいました。彼らが出席できない中ではありましたが、「森を守りたい、守ろうとする気持ちが大事」であり、それを維持・強化していく活動の重要性は他の出席者とはしっかりと確認ができ共有できたと考えています。また、我々の行っている取り組みとそのツールに対しても、その文脈の中で、高い評価が得られました。 さらに、第3段階の「森を守るための気持ちを支える村全体で行う取り組み」に関する議論でも様々な案が出され、最終的に「村の森に関わる自慢を集めた展覧会を各団体(各水路、学校、教会、女性グループ)で行うことで、村全体で森を守る気持ちを高めていこう」という点にまでたどり着き、それ来年に行うことを確認し座談会を終了いたしました。

 ただ、「来年」・「展覧会」という2点が決まっただけで、その具体的な実施スケジュールや内容等はまだ提案ベースで議論をしただけであります。そのため、具体性に欠けている点と、村長・助役・各村区長が欠席しており、彼らが我々の意図をどこまで把握してくれているのかという点も課題としてあげられます。ともに今後フォローアップを行っていくべき状況であります。今後の見通しは、現在行っている一連の渡航報告の最後で他の活動とあわせてご報告させていただきます。

次回は、
2月20日(水) : 村役場・・・森林利用調査結果報告
2月21日(木) : Fumvuhu小学校&Foyeni小学校・・・カルタプレイ実施
の2つの日程のご報告をさせていただきたいと考えています。

座談会の様子1座談会の様子2
座談会の様子



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■  現地渡航調査報告('13/4) ■



 Rafiki Projectは2月6日〜3月10日にかけて、タンザニアでの現地渡航調査を実施いたしました。
 以下では最初にRafiki Projectの現状を簡単に整理した上で、前回ご報告した渡航目的の詳細とその背景についてご説明させていただきます。また各目的がどのように達成され、課題として何が残ったのかなどについては、次回以降にご報告いたします。

1.Rafiki Projectの状況
 Rafiki Projectは森を守る活動、特にその持続性確保のためには「森を守りたい、守っていこうという気持ち」が重要であると考えています。そしてそうした「内発的な気持ち」が長く支えられていくことを目的として、活動に取り組んでいます。

 たとえば現在、森に関わる村人たちの様々な自慢を調査し、ガイドブックやイラストマップ、カルタなどのツールを作成しています。自慢(=その人にとって大切なもの)は、誰しも"大事に守っていきたい"という気持ちを自然と持ちます。これらのツールを通して(もちろんそれだけではありませんが)、大事なものが明確に視覚化されたり、日頃から意識の下に置かれたり、あるいは再認識に繋がることは、人々の内発的な気持ちを影で長く支える大きな力になってくれると、Rafiki Projectでは考えています。

 一方、この活動の多くの部分が私たち日本人の側によって担われていることが問題となっていました。
 この問題に対して前回の渡航では「村人たち自身のイニシャティブで決めてもらうこと」を目標に掲げて臨みましたが、残念ながらうまくいきませんでした。(前回渡航のまとめはこちら)。原因は決定以前の問題として、この取り組みの目的に対する理解と共有がしっかり図られていなかったことにあると私たちは考えています。そのことなしに「何かを決定してもらう」というのは性急であったということです。

2.今回の目的
 そのため今回は、「森を守りたい、守っていこうという気持ちが重要である」という点について、まず村人と議論を行い、お互いに共有することを第1の目的としました。またその議論・共有を行った上で、これまでに作成したガイドブックやカルタといったツールが有用であるか、別のアイデアはあるかといった彼らの意見や考えをしっかり確認してくることを第2の目的としました。最後に、可能であれば「気持ちを守るための活動」としてそれぞれができることを議論し、村全体での取り組みにしていく一歩にしようということも、目的として設定しました。また、毎年継続してきた伝統水路等の調査についても、引き続き実施してきました。

【今回の調査日程】

2月14日(木) : タンザニア到着
2月15日(金) : テマ村入り
2月16日(土) : 現地カウンターパートTEACAとのミーティング(第1回)
2月19日(火) : TEACAとのミーティング(第2回)
2月20日(水) : 村役場・・・森林利用調査結果報告
         :Natiro中学校・・・ガイドブック共同調査に関するミーティング
2月21日(木) : Fumvuhu小学校&Foyeni小学校・・・カルタプレイ実施
2月22日(金) : 村人との座談会(第1回)・・・取り組みの認識共有等
2月23日(土) : 伝統水路調査・・・GPSを使用した踏査調査
2月25日(月) : 森や村にまつわる歴史や伝説に関する聞き取り調査
2月26日(火) : ガイドブック用写真撮影
2月27日(水) : 森や村のランドマーク調査・・・イラストマップ用
2月28日(木) : 座談会 (第2回)
3月 3日(日) : TEACAへの最終報告

 次回は座談会を中心に、「森を守りたい、守っていこうという気持ちが大事」という認識共有について、どのような議論を村人と行ったのかをご報告させていただきます。


TEACAとの初日ミーティングの様子
TEACAとの初日ミーティングの様子




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■  2013年2月現地渡航調査の目的と実施事項('13/2) ■


 2013年2月6日〜3月10日までタンザニアでの現地渡航調査を行います。Rafikiプロジェクトが今渡航で掲げる目的と実施事項についてお知らせいたします。顛末は帰国後報告させて頂きます。

◆目的
@Rafikiプロジェクトの各ツールやイベントが村の人々の森を守っていこうという気持ちに繋がるのか、現地で直接人々と話して確認する。
ARafikiプロジェクトの意義や理念、目的に対して理解を得る。


◆実施事項
1.座談会
上記目的を達成するため、テマ村の方々20名に集まって頂き2回に分けて座談会を実施いたします。

<参加者>
村長(1名)/助役(1名)/村区長(5名)/Faraja(2名)/森に詳しいお年寄り(2名)/水路長(4名)/学校委員会(2名)/教会(2名)/Natiro中学校先生(1名)

<第1回座談会>
13:00〜14:00 「何故森を守ってきたのか」村人の人々に話をして頂く
14:00〜14:30 「テマ村の森は皆さんの努力で守られている」実際のデータを
         用いながら紹介
14:30〜16:00 「継続的に森を守っていくには、心・気持ちが大切」であることを
         確認・共有
16:00〜17:00  RAFIKIプロジェクトで作成している各ツールについて村の人々の
         意見を聞く
→次回座談会に向け、村の人々が「自分たちでできること」を検討してきてもらう

<第2回座談会>
13:00〜15:00 (森林保全のため村全体の中で)自分たちにできることは何かを聞く
15:00〜15:30 Rafikiプロジェクトで作成している各ツール
          (カルタ、マップ、ガイドブック、ポスター)についての感想を聞く
15:30〜16:00 各ツールをどのように使うか、意見を聞く
16:00〜17:00 村の人々からツールに関する提案(全く新しいもの等)を聞く


2.森林利用調査ポスターの説明
2012年8月の現地渡航で森林利用調査を行いました。森に入る人数、何をどれくらいの重さのものを得ているか、そのものは貨幣換算するといくらになるかの3点をまとめたものです。当初作成したものは表現が堅苦しいものでしたが、「テマ村の森」を擬人化して、森が村の人々に話しかけるような表現に変更しました。今回はポレポレクラブのカウンターパートであるTEACAへの説明を行います。


3.カルタを小学校2校へ配布
テマ村の人々が村に内在する自慢(薬草や伝統水路のように、森と関わりが深い特別な財産)の魅力を再発見し、その自慢を好きになることで"森"をもっと好きになれれば、森を守りたいと想う気持ちを再発見するのではないかということで制作したカルタは現在オリモ小学校に配布され、生徒さんたちに遊んでもらっています。今回はオリモ小学校以外の2校へ出向き、このカルタの目的と遊び方の説明と今後小学校同士でのカルタ大会ができないかという相談もさせて頂きます。


3.キセレチャ水路のGPS調査
チャガの人々は高度な伝統水路を発達させてきました。現在でもキリマンジャロ山麓に住む人々にとっては人々の日常生活や農業にとって大切なものです。テマ村のキセレチャ水路は全長7.5キロに及ぶ最長の水路で、今回は前回渡航に引き続き下流半分をGPSを用いて調査を行います。


4.ガイドブック掲載内容の情報収集
カルタと同様に村の自慢を集めたガイドブックを制作しましたが、現在の内容はほとんどが植物です。今渡航でも村の伝統に詳しい方々にご協力頂き、植物以外の情報を聞かせて頂きます。(ex.森に関するチャガのことわざ、動物など)また同時に撮影できるものは写真に収めてきます。


5.イラストマップ掲載のランドマーク探し
カルタやガイドブックと同様に村の自慢を表現するツールとしてイラストマップの制作を行っています。見やすい地図の作成のため、ランドマークとなるものを掲載したいと考えています。村の人々にお聞きしながら撮影をする予定です。


 
ガイドブック表紙

ガイドブック表紙2013年2月バージョン







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