2011年 日本の市民と村人の取り組み
〜Rafikiプロジェクト〜 活動履歴


   ●2011年  12月 ワークショップの実施
           11月 Natiro中学生との取り組み(テマ村ハンドブック)
           10月 古の知恵を若い世代へ
            9月 新しい一歩
            7月 新たな取り組み始まる
            1月 新ツール登場=「テマ村カルタ」

         
■ ワークショップの実施 ('11/12)■


Rafikiプロジェクトチームは「村の人たちと共に活動を始める第一歩」を渡航テーマに、7月下旬から8月中旬にかけて、3週間渡航調査を行ってきました。
毎月少しずつ、プロジェクトチームが行ってきた活動についてご報告していますが、第3回目の今回は、村人と行ったワークショップについてご紹介します。

workshopの様子
ワークショップを行う様子


そもそもワークショップとは、もともと「工房」「作業場」という意味で、さまざまな立場の人々が集まって、自由に意見を出し合い、互いの考えを尊重しながら、意見や提案をまとめ上げていく場であるとされています。 参加者全員による共同作業とでも言いますでしょうか。
今回は、そんなワークショップという方法を用いて、村人と「テマ村にとって大切なもの・自慢なもの」を改めて考えてみました。

Rafikiプロジェクトチームは、"森の重要性に改めて気づく"ための取り組みの一環として、大人向けにワークショップの導入をしています。
今回の渡航では、以下3点の目的を持って、ワークショップを行いました。
(1)「村の自慢」は「森」となりうるか、村人が今考えていることを知り、これからの
   Rafikiプロジェクトの方向性を考える
(2)日本人や権力者・知識のある者に強制されることなく、村人が「テマ村ついて
   大切に、自慢に思っていること」を知る
(3)村人が大切に思っていることや、その理由につながりがあり、大切なものを1つ
   失うとその他のものが成り立たない可能性があり、1つのことを大切にすること
   で他のものを大切にすることにつながることを知ってもらう


ワークショップの流れはいたってシンプルで、
@現地カウンターパートのTEACAの方にファシリテータという進行役を勤めてもら
 う。村人に男女、年齢、職業に偏りがないように2グループに分かれてもらう。
A日本の例(東京にとって大切なもの)を紹介した上で、ポストイットにそれぞれ
 「テマ村にとって自慢なもの、大切なもの」とその理由を1つずつ書き出してもらう。
 その後一人ずつグループ内で発表してもらう。
B互いに出したものを、カテゴリーごとにまとめ、そのカテゴリーに名前をつける。
Cワークショップを通して感じたこと思ったことを発表しあう。
D他のグループに、発表する。
というものです。
当日はお葬式と重なってしまい、当初予定していた20名よりも少なくなったものの、16名の村人に参加していただくことが出来ました。
ワークショップ本番を迎える前に、TEACAの方々と改良を加えながら何度も何度もリハーサルを行ったことが功を奏し、参加してくれた村人は、初めての取り組みに少し戸惑いながらも、質問を活発にするなど、積極的に取り組む様子が伺えました。


rehearsal     example
リハーサルの様子                    紹介した日本の例


村人が実際に出してくれた、テマ村にとって自慢に思うもの・大切に思うものは、以下のようなものでした。
・伝統家屋−チャガが民族の伝統を守るため
・Kihamba(伝統的農耕システム)−穀物をそこで耕すため
・伝統習慣−言語は民族の源をはっきりさせるので、勉強するにも、子供に教える
        にも重要
・教育−様々な地域を知ることが出来る
   −色々なことを知るのを助ける
・水路−家畜のために必要だから
    −畑に水をまくため
    −家で使用するための水を得るため
・キリマンジャロ山−雨を得るため
           −観光客を得るため
・森−水を得るため
  −家畜の飼料(草)を得るため
  −薪を得るため
  −きれいな空気を得るため
  −キリマンジャロ山を守るため
  −土地を肥沃にするため
  −食べ物を得るため
  −伝統の薬を得るため
  −水路を得るため

postit    team
村人が実際に書き出してくれたもの   チームメンバーを気遣うTEACAスタッフ


他にも多くの意見が出され、村人からも「村にはこんなに多くの自慢があったのだと気づかされた」「たくさんの財産が山にはある。」と感想がよせられるなど、改めて自分たちの村について考える良いきっかけになったようです。
また、Rafikiプロジェクトメンバーとしても、多くの村人たちが森に関心や理解を寄せているということがわかり、これからのプロジェクトの方向性を考える上でよいきっかけになりました。

多くの村人から、「自分では知らなかった村のことを知ることができる。他の村人の意見がとても勉強になる。なので、今後もワークショップを続けてほしい。子どもたちともやりたい。」と意見がだされました。
プロジェクトも3年目に入り、こちら側からお願いして何かをやっていただくだけでなく、村人側からの働きかけで一緒に何かを始める段階に入っていることから、こうした村人と直接関わっていく機会は非常に大事なことであると考えています。

こうした「気づき」の機会を何度も作っていくことで、問題意識を持ち何かしらの行動が自発的に行われることを願って、今後もお題ややり方を工夫しながら、村人たちの「気づき」に繋がる取り組みを継続的に行っていきたいと思います。



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■ Natiro中学生との取り組み(テマ村ハンドブック)('11/11)■


Rafikiプロジェクトチームは「村の人たちと共に活動を始める第一歩」を渡航テーマに、7月27日から8月16日までの3週間、渡航調査を行ってきました。
数回にわけて、プロジェクトチームが行ってきた活動についてご報告していますが、第2回目の今日は、Natiro中学生との取り組みについてご紹介します。


Natiro中学校環境クラブの生徒たち
Natiro中学校・環境クラブの生徒たち


Rafikiプロジェクトでは、キリマンジャロ山麓に暮らす若い世代の人々にとって、自分たちの文化や伝統を学ぶ良いきっかけになればと思い、テマ村ハンドブックの共同作成や作成にあたっての共同調査・調査技術の指導の取り組みを行っています。

テマ村ハンドブックには、伝統の楽器や儀式、古くから伝わる薬草といった、村人がテマ村の自慢としてあげてくれたもの・後世に残したいと思うものを掲載しています。


  ■ テマ村ハンドブック

テマ村ハンドブック表紙   「植物」ページ抜粋    「伝統」ページ抜粋
テマ村ハンドブック表紙    「植物」ページ抜粋       「伝統」ページ抜粋


今回の渡航では、テマ村ハンドブック共同作成の足がかりになればと、テマ村にあるNatiro中学校の環境クラブの生徒たちと下記2点のことを行いました。

(1)森に詳しいおじいさんと一緒にキリマンジャロの森を歩く(山歩き)
(2)ハンドブック共同作成の依頼と意見交換(中学校でのミーティング)

「山歩き」では、普段森に入ったことない生徒たちが、おじいさんから紹介された伝統水路や薬草、昔家の柱として使われていた木などに、真剣に耳を傾けている様子がうかがえました。


Ihofu    Mfereji
        昔の家の柱として使われた木             伝統水路

また生徒たちの中には、興味を持った植物をポケットに入れて持ち帰る子や、夢中になってメモを取っている子が見受けられました。


Kreraを頭にのせる中学生
気に入った植物を頭にのせて持ち帰る様子


後日行った、Natiro中学校でのミーティングでも、自分たちが見聞きしたものを担当の先生に詳細に説明していました。
Rafikiプロジェクトチームは、山歩きでの中学生の積極的な姿勢を受け、Rafikiプロジェクトについての説明をした後、テマ村ハンドブック共同作成の依頼をしました。
Natiro中学校では、たくさんの地域から生徒が集まっていることもあり、すべての子がチャガ民族、テマ村出身というわけではありませんでしたが、クラブ活動の一環として担当の先生を含め、協力したいとの回答を得ることができました。Natiro中学校では、年に一回保護者に活動発表する機会があるそうで、その際に成果物の一つとして披露したいとの意見も聞くことができました。


中学生とのミーティングの様子
中学生とのミーティングの様子


帰国後、すでに第一回目の調査依頼をしており、共に活動を進める上で大きな第一歩になったのではないかと思っています。まずは「続ける」ことを目標に、調査方法の微調整や、調査範囲の拡大の検討(テマ村だけでなくキリマンジャロ山全体に広げる等)をしながら、慎重にフォローアップをしていくつもりです。
この件に関しては、また進捗状況をご報告できればと思います。


次回は、村人と行ったワークショップについてご紹介いたします!




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■ 古の知恵を若い世代へ('11/10)■


Rafikiプロジェクトチームは「村の人たちと共に活動を始める第一歩」を渡航テーマに、7月27日から8月16日までの3週間、渡航調査を行ってきました。
今回より、数回にかけて、プロジェクトチームが行ってきた活動についてご報告いたします。

第1回目の今日は、プロジェクトツールの1つである「テマ村の自慢かるた」を使ったキリマンジャロ山麓Olimo小学校での取り組みをご紹介します。


  ■ 「かるた」カード例

かるた読み札   かるた取り札    かるた取り札日本語
かるた取り札         かるた読み札          かるた読み札
                          (スワヒリ語)            (日本語)

Rafikiプロジェクトでは、森の管理と持続的な使い方に関するキリマンジャロ山麓に暮らす人々の伝統や知恵・技術を次世代に引きつぐことを目的に、"Environmental Education for Children"(環境・伝統教育)の一環として、楽しみながらそれらを学ぶことの出来る『かるた』の作成をしています。

かるたには、現在のところ、村人がテマ村の自慢としてあげてくれた
(1)チャガ民族の伝統(楽器、儀式、農耕システム)
(2)古から伝わる森の中にある薬草
(3)いわれのある木(伝統家屋に使っていた木、各氏族が大切にしている木他)
(4)植林地
(5)グループ(女性グループ、コーヒー生産農家グループ他)
の5つのカテゴリーから25個のコンテンツが詰まっています。

今回の渡航では、
@子どもたちに、楽しみながらチャガの伝統・文化・森について知ってもらう
A先生方に、授業で使えるか検討してもらう
という2点の目的を持って、この『テマ村の自慢かるた』をテマ村にあるOlimo小学校の5年生の生徒、21名に体験してもらいました。


Olimo小学校
Olimo小学校


生徒たちはルールに戸惑うことなく、生まれて初めて体験する『かるた』というゲームに終始興奮気味で遊んでくれ、カードを奪い合うほどの人気振りでした。また、かるたの読み札の内容に真剣に耳を傾ける様子や、自分たちの民族の伝統・森の中にある薬草の絵を興味深そうに見つめる様子も伺えました。


かるたで遊ぶ様子
生徒たちがかるたで遊ぶ様子


先生方からのフィードバックでは、「チャガの伝統や古の知恵を知るのにとても役に立つだろう」「今の子どもたちは薬草のことはほとんど知らないし、イラストも説明もあって、楽しみながら取り組めるので、子どもたちは喜ぶのではないか」「チャガの文化を学ぶ授業で使いたい」などの意見をもらうことが出来ました。
Olimo小学校と協力して「かるた」ゲームを実施でき、先生方から高評価を頂けたことは、共に活動を始める第一歩になったのではないかと思います。

古の知恵が若い世代に中々受け継がれていないというのは、何も日本だけで起きている問題ではなく、テマ村でも顕著になってきています。
この「かるた」ゲームを通して、子どもたちが楽しみながら自分たちの民族の伝統や森の中にたくさん詰まった古の知恵に触れられるよう、今後もかるたの枚数を増やし、内容を充実させていく予定です。


次回の渡航調査報告では、Natiro中学生との取り組みについてご紹介いたします!



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■ 新しい一歩('11/09)■


 Rafikiプロジェクトチームは、7月27日から8月16日までの3週間、当会理事の古澤先生、代表の藤沢さんとともにキリマンジャロ山麓のテマ村で、同プロジェクトとしては3回目となる渡航調査を行いました。

 過去2回の渡航では、カウンターパートである現地のNGO・TEACAのメンバー及び、TEACAの仲介のもと、活動に協力してくださる村の長老、知識者、技術者と、主に我々がプロジェクトを行うために必要な知識や情報について「教えてもらう」「理解する」ために活動を行ってきました。

 今回は、我々は渡航テーマを「村の人たちと共に活動を始める第一歩」とし、これまで収集した情報や知識をもとに作成した3つのツール「イラストマップ」、「かるた」、「ハンドブック(図鑑から改名)」を使用し、TEACAとは全く関係のない、一般の村人と直接対話をする機会を設け、自分たちの自慢であり、生活そのものである大切な森を守ることの重要性に気づいてもらい、共に森を守っていく活動を始める第一歩を踏み出すことための諸活動を実施してきました。

 次回より、数回にかけて、プロジェクトチームが行ってきた活動についてご報告していきたいと思います。


みんな真剣
村の人々が意見を出し合っている様子




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■ 新たな取り組み始まる('11/07)■


 3月の現地渡航から戻り早くも3カ月。
私たちは現在、現地で新しく得た情報と、村人からもらった意見を参考に、以前このページで紹介した「イラストマップ」、「かるた」(過去の報告を参照下さい)の改善作業に取り組んでいます。

 この3カ月の間に、大きな変化が2つありました。1つはようやく取り組みの名称が決まったこと。これまでは、ただ「現地プログラム」と呼び、名前を持たなかった私たちの取り組みですが、活動を開始してはや2年。さすがに名前をつけようという話になり、無い知恵を絞った結果、この取り組みを「Rafikiプロジェクト」と名付けました。「Rafiki」とは、スワヒリ語で「友達」の意味で、日本の市民とタンザニアの市民は「友だち」、人間と自然は「友だち」、という思いから、この言葉をそのままプロジェクト名に用いました。この名前に負けないよう、村人と共に引き続き頑張っていきたいと思います。

 もう1つの変化は、プロジェクトチームの活動体制です。5月末で3人がチームから卒業し、現在メンバー2人で活動していますが、8月に第3回目の渡航を控え、やるべきことが山積している中、人手が足らず、思うように作業が進まない事態に。この状況を改善するため、Rafikiチームは新体制を導入することにしました。これまで、このRafikiプロジェクトのチームは、事務局アルバイトのみで構成されていましたが、今後は事務局に定期的にお手伝いに来てくれているボランティアの方々にも、プロジェクトの中で「これがやってみたい」「これなら参加できる」ことに協力いただくことにしました。既に、かるたやマップのイラストや、スワヒリ語翻訳などをお手伝いいただいています。

 結果、この体制を取ることによって、チームの中心メンバーの活動の大きなサポートとなると同時に、タンザニアに渡航し、直接村人と関わることが難しい方々にも、日本国内で出来ることに協力いただくことによって、現地での取り組みに間接的に参加いただけるようになり、これまで以上に市民活動の楽しさ、素晴らしさを再認識する契機となりました。

 とはいうものの、渡航できるメンバーが2人では、現地での活動に限界があるため、現在、プロジェクトの中核を担う新規メンバー(事務局アルバイト)を募集中です。9月にはまた新たな形で活動をすることになるので、その活動状況をこのページで報告していければ、と考えています。

 その前に、まずは8月の現地調査。渡航中の活動予定についても近々ご報告したい思います。

みんなでアイディアを出し合ってがんばっています
ボランティアの方々と活動について話し合っている様子




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■ 新ツール登場=「テマ村カルタ」('11/01)■


キリマンジャロ山に住む村人が、村に内在する自慢(薬草や伝統水路のように、森と関わりが深い特別な財産)の魅力を再発見し、その自慢を好きになることで"森"をもっと好きになれれば、森を守りたいと想う気持ちを再発見するのではないかと、私たちは考えた。その助けとなるように、村人が村の自慢を巡り、その魅力と森との深い関わりを再発見してもらえるようなプログラムの作成に取り組んでいる。

その一環として、自慢を巡っている間にその位置を確認でき、持ち帰った後も村の自慢に興味を抱き続けられるツールとして、村の自慢をイラストで地図上に表現した「イラストマップ」を製作しており、その第1稿の製作状況について以前に紹介した。

その後、このプログラムを支えるツールとして新たに2つの物を製作することが決められ、その1つに「テマ村カルタ」がある。

みなさんもご存じの通り、カルタとは、読み手が読み札を読み、読んだ内容に合う取り札を誰よりも早く取り競うゲームである。私たちは、ゲームとして楽しみながらも、繰り返し行えば札の内容が少しずつ知識として身についていく特徴に着目し、村の自慢を巡った後に、巡った自慢の内容を楽しく自然と身につけられる効果を期待して、テマ村の自慢をカルタにした「テマ村カルタ」の製作を進めている。


取り札      読み札
テマ村カルタの取り札(左)と読み札(右)イメージ図
(現段階では読み札の文章は日本語だが、最終的にはスワヒリ語で完成させる。)



まだ、イメージの段階ではあるが、上の図のように、村の自慢の1つ1つについてイラストが描かれた取り札が並べられ、そのイラストに対応する読み札が読まれたときに、すかさず自分のものとする、という仕組みを目指している。もちろん、村の人が遊ぶものとなるので、村の人と一緒に改善点を見いだしながら製作しなければならないことも重要なことである。

日本人にとっては慣れ親しんだカルタであるが、いざ自分たちでオリジナルのものを作るとなると悪戦苦闘の連続。

50音でないスワヒリ語とカルタをどのように対応させるか?で悩んだり、カルタの文化に触れたことのない村の人が最初に実践するときに、どれだけルールを理解して貰えるか?、どんな形で説明すべきか?など課題が盛りだくさん。

そんな中でも1つずつ課題をクリアして、上図のようなカルタの完成に近づきつつあり、いよいよ3月に、サンプルとなる試作物を村に持ち込み、村人と改善点を探していく予定である。

実際に村の人に体験してもらうのですが、これから必死に知恵を絞って、説明の内容やデモの方法を決めていかなければならず、その方法次第で村人の楽しさ度合いも違ってくるので、しっかりと準備していくべく気が引き締まる想いである。


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